赤みや炎症…免疫システムを攻略すれば、敏感肌から脱出は可能!

敏感肌に悩む女性のイメージ

炎症とのつきあいが多い肌、炎症性の赤みが消えない肌、等々の敏感な肌に悩む方が多くいます。

  • 肌が敏感で不安定
  • よく湿疹やかぶれを起こす
  • 赤みを伴う炎症ニキビになりやすい
  • 炎症あとの赤みがなかなか退かない
  • アレルギー性皮膚炎の症状が長引く
  • ……

あなたの肌にこのような傾向はありませんか。
あなたの周りにこのような方はいませんか。

スキンケア相談室に、敏感な肌に悩む方から、毎日多くの相談を頂きます。敏感さの程度や炎症の軽重は人それぞれですが、相談者に多く共通しているのは、敏感な肌とのつきあいが長くなっていることです。

こうしたら良い、ああしたら良いと、いろいろケアの試行錯誤を重ねた結果が、残念なことに成果として実らず、長いつきあいになっている……このようなケースがほとんどでした。何ヶ月も良くならない、もう一年以上になる、何年も前からこんな状態、中には10年越しの悩み…という方も時々いらっしゃいます。

今日の美肌塾では、このような長く付き合っている敏感な肌との別れ方を伝授いたします。

美しい花を咲かせるには、トラブルの無い肌を育てるには

ただし、今日の講義では、敏感な肌を改善していく大筋の理解に力点を置いて貰います。なぜなら、ほとんどの方が大筋からそれた改善策に迷い込んでいるからです。

根っこから、幹が育ち、枝葉が伸び、花が咲き、実が成るのですが、成果としての花や実の部分が気になるからでしょう。根っこや幹への対処がまるで抜けていることが多いのです。敏感肌とのつきあいが長くなる理由の多くはこの辺りにあります。

それでは解説してまいります。

敏感な肌は、例外なく肌のバリアー能力が低下している…悪循環に陥りやすい肌

皮膚は身体のバリアーとしての働きが最大の役割です。その中でも最も大きな使命を果たしているのが、最表にある角質層です。バリア層とも呼ばれます。このバリア層がしっかりしていたら肌の敏感さは解消します。

それでは、しっかりしたバリア層とはどのようなものでしょうか?それは、角質細胞一つひとつが大きく、水分をたっぷり含み、柔軟さを維持できる角質で構成された層です。しなやかなバリアーとして働くことができます。

敏感な肌は、この角質細胞一つひとつが小さいため、水分保持量も少なく、乾きやすいのです。硬くなりやすく、しなやかな強さがありません。また、乾くとさらに小さくなり、角質細胞同士の間に隙間ができ、汚れや雑菌、化粧品成分等々の異物を侵入させやすくなります。

バリア層を超えて、肌内部に異物が侵入すると、たとえそれがどんなに良い化粧品成分であっても、排除しようとします。これが生体としての防御反応であり、免疫反応です。

侵入した異物が危険だとみなされると、免疫システムが働き炎症を起こして排除を早めようとするのです。絶えず、肌が行っているターンオーバーが猛烈にスピードアップするのです。

ターンオーバーが速まる=新陳代謝が速まる=細胞の入れ替わりが早くなる…つまり、日々誕生している表皮細胞が、角質細胞になる準備をして、やがて角質となって身体を守り、最表層に至ると垢となって剥がれていく…というサイクルが短くなることです。

その結果、未熟なまま細胞が角質になり、肌を守っていることになります。それだけではなく、炎症まで起こして危険な異物は排除したが、ますますバリアーの弱い肌になるということです。

この後、何事もなく、平穏な環境に肌が居れたなら、ターンオーバーは休みなく行われているので、やがてよく育った細胞に入れ替わっていきます。しかし、弱いバリアーの状態ですから、新たな危機に陥りやすいことも事実なのです。

敏感な肌状態が続いている肌は、このような状況にあると、しっかり理解して下さい。

それではこのような肌は、どうすればよいのでしょうか?

ここがクリアできないと、敏感な肌からの脱出は難しいのです。

敏感な肌は、マスト細胞と相談しながら、スキンケアに取り組むのが正解

異物の侵入に危険を察知し、免疫反応(炎症反応)を起こして肌は対処しています。そもそも、この反応は肌が良かれと思ってしていることです。ところが、肌は未熟化してしまう……このような悪循環を絶たなければいけません。

理屈だけでいいますと、炎症反応を起こさないようにし、スキンケアによって環境を整えてあげることです。炎症反応さえ起こさなければ、ターンオーバーはゆっくりしっかり行われるため、一つひとつの細胞は育つことができます。すると敏感肌脱出のゴールを迎えられるのです。

しかし、敏感な肌というのは、昨日機嫌良く使えた化粧水が今日は反応して赤みを作ってしまう(炎症反応)といったようにとても気まぐれです。それに、何もつけなくても、環境ダメージ(紫外線や乾燥、暑さ・寒さなど)に反応して炎症を起こすこともあるのです。つまり、とてもナイーブな状態にあります。

炎症反応は肌のマスト細胞がキーになっている

スキンケアにマスト細胞の話をしなければならないのは辛いところですが、気まぐれでナイーブな敏感肌を作ってしまったのですから、諦めてしっかりマスト細胞について学習しておきましょう。

身体の頼れる見張り番

マスト細胞は、表皮細胞の直下(真皮層上辺)に拡がる毛細血管の周りで、危険がないかと常時見張り番をしている免疫細胞の一種です。危険を察知したらヒスタミンを放出し、毛細血管を拡張させて、白血球を皮膚内に漏出する準備をします。これが赤み段階の炎症です。

漏出が起こり、白血球と異物(化粧品・雑菌等)の戦いが始まると炎症が進行、膿が出て異物は排除されます。この間、大なり小なりターンオーバーが異常に速まる現象を伴います。

このようにして、肌がさらに未熟化するのを代償に危険を排除します。肌の未熟化は困った話ですが、危険の排除は必要なことです。正常な反応であることは間違いありません。

それなら、どうしたらよいのか?
次を見ていきましょう。

マスト細胞を揺るがす刺激とスキンケア

炎症反応の伝達係であるマスト細胞が過敏になっていたら、困ったことになります。ちょっとしたことに反応して、その都度ヒスタミンを放出されたら、炎症が絶えることはありません。このことが、敏感肌の改善を長引かせていたのです。

マスト細胞がヒスタミンを放出する代表的な刺激を挙げておきます。

マスト細胞を活発化させる3つの刺激
  1. 肌への侵入物(例:紫外線、化粧品成分、雑菌・汚れ・汗など)
  2. 冷・熱の刺激(冷たい・熱いの刺激…例:39℃以上の湯に入浴は×)
  3. 物理的な刺激(例:マッサージ、パフ、メイクブラシ、髪の毛先など)

健康な肌にはなんでもない刺激であっても、敏感肌にはマスト細胞が騒ぐ原因になるのです。上の三点に注意し、マスト細胞が安心できる状態を続けていると、次第に落ち着いてきます。

そして、ここでもう一つ大切なことがあります。

ターンオーバーが正常に行われるためには、化粧品によるスキンケアが欠かせません。といって、敏感な状態が続いていた肌は、まともに使用できる化粧品がないのが、普通です。上の3つの刺激の内、2と3は化粧品に関係なくできることですが、1の肌への侵入物を防ぎ、なおかつ、紫外線や乾燥から肌を守るのに化粧品の存在は不可欠です。化粧品代わりに、包帯で顔をぐるぐる巻きにして、毎日を過ごすなんて、現実的ではありません。

では、どうすればよいのでしょうか?それは、

  • 肌に浸透・侵入しにくいスキンケア製品に統一する
  • 肌の洗浄と、乾燥からの保護、紫外線からの保護を可能な限り行う

この二点です。
マスト細胞対策と併せて、スキンケア対策を行っていくことで、敏感肌脱出のゴールが見えてくるのです。

また、ここで押さえておくべきキーワードは、「徹底と継続」です。
一ヶ月程度安定した状態が続いたからといって、敏感肌脱出というわけにはいきません。すっかり安定した状態が、さらに続くようになって、初めて敏感肌から脱出できたと言えます。

今回は、具体的な対処法は解説しません。下記の講義を参考にしてください。

参考:
「敏感肌を長引かせているのは何? マスト細胞を活発化させる3つの刺激」

いかかでしたか?

  • 「ニキビができる肌質だから……」
  • 「どうしようもない敏感肌」
  • 「アレルギー(アトピー)だから仕方がない……」

といった諦めモードにあなたが陥っていたとしたら、そうではありません。もっと根っこの部分に解決の方法があったのです。

あるいはまた「きっと私の肌にピッタリの化粧品があるはず」と様々な製品を試していても、解決は遠のくばかりです。

今必要なのは、肌に浸透・侵入しにくいスキンケア製品を手に入れることです。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • 炎症を起こすも、起こさないも、キーマンであるマスト細胞次第
  • マスト細胞を過剰に働かせない環境作りが敏感肌脱出の全て
黒板に注目!

編集後記

単に敏感と鈍感というと、前者の方が繊細でか弱いイメージがあります。でも、肌に例えるとどうでしょうか?

ちょっとしたことに敏感な肌よりも、割と何でも平気な肌の方が魅力的!つまり、肌の鈍感さは健康の証なのですね。

「サッポー美肌塾」第231号 / 2005年8月19日 発行


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