石けんの製法あれこれ……サッポーの考えは?

洗顔石けんのイメージ

サッポーは肌の洗浄に石けんを推奨しています。これまで石けんの良さと、その一方で欠点を強調してきました。

しかし、この度“Komasan”さんより違った角度から質問を戴きました。石けんの製法に関することです。今回はこちらをテーマに講義を進めていきたいと思います。

“Komasan”さんの質問

今日は、石鹸についてお伺いしたくメールさせて頂きました。

近頃よく、コールドプロセス石鹸が良いと耳にします。グリセリン等を添加しなくても、この製法なら天然のグリセリンが豊富だとか、いろいろ良さそうなことを聞きます。私もコールドプロセス石鹸をいくつか持っていますが、確かにグリセリンは豊富かなと思うのですが、突っ張るものもある気がします。

サッポーさんの石鹸は、ホットプロセスですよね?コールドプロセス・ホットプロセスについて、サッポーさんのお考えはいかがですか?

皆さんは、製法まで意識して石けん選びをしていましたか?

“Komasan”さんは、スキンケアに関してとても勉強熱心な方です。製法にまでこだわる方は少数派でしょうが、そんな情報も耳に入ると気になるものです。

石けんの製法とサッポーの視点を紹介していきます。

製法を知る前に、石けんを理解する

製法はあとで触れることにして、前回取り上げた石けんの特徴を再確認しておきましょう。

  • 石けんの長所:洗浄後の肌に界面活性剤を残さない
  • 石けんの短所:洗い上がりの優しさに欠ける。アルカリ性質が肌に刺激を与える。

洗い上がりの優しさに欠ける

石けんは汚れを落とし、皮脂や油脂もきれいさっぱり取り除いてしまうので、素肌が現れます。外気に触れると、とても乾燥しやすい状態です。この時肌はつっぱり感を覚えますが、これは正常な肌の働きです。

つっぱり感を強めに感じるなら、洗顔後すぐにケアを始めましょう。これでマイナス影響はなくなります。

アルカリ性質が肌に刺激を与える

石けんは刺激の強い洗顔料

問題なのはこちらです。肌は弱酸性なので、スキンケア製品はたいてい弱酸性に作られています。石けんは弱アルカリ性といえども、肌にとっては結構な負担になるのです。

未成熟で、肌のバリアー能が弱くなっていたら、この負担が大きな刺激となり、時には炎症が起こることもあります。赤みが出るのはその警告段階と言えます。

では、石けんが刺激になる場合、どうすればよいのでしょうか?

ここはスッパリ使用を諦めることです。石けんの長所なんて、吹っ飛んでいる状態ですからね。

以上が、石けんの特徴です。これを知った上で製法を見ていきましょう。

様々な石けん製法とその特徴

石けんの製法には、大きく分けて鹸化法と中和法があります。鹸化法は下の1~3、4は中和法です。

最初に言っておくと、製法が違っても石けんの性質に大きな違いはありません。でも、小さな違いが優しさに繋がる……こんな世界ですね。

1.加熱しない方法(原料油脂+苛性ソーダ)

油脂に苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を加え、かくはんし、加熱することなく反応熱だけで鹸化させる方法です。手作り石けんなどはこの方法で簡単に作ることが出来ますが、時間がかかります。

しかし、石けんを作る過程で副生されるグリセリンや油脂中に元々含まれている様々な不純物がそのまま残るため、純度は低くなります。

それを良いとするか良くないとするか、様々な議論が紹介されますが、サッポーとしては、できるだけ純粋に近づけることが理想だと考えます。

“Komasan”さんの質問にあるコールドプロセスとはこの製法のことです。

手作り石けんのイメージ
2.加熱する方法(原料油脂+苛性ソーダ)

1と異なるのは、人工的に熱を加える点です。手作り石けんでもこの方法が最も多いようです。グリセリンや油脂に含まれる不純物も残った状態です。

3.加熱する方法(原料油脂+苛性ソーダ)+塩析

市販されている石けんで、多く行われている製法です。2にさらに塩水を加え、塩析することにより、石けんとグリセリンや他の不純物を分離する方法です。純度の高い石けんが作られます。

“Komasan”さんお尋ねのホットプロセスは2、3の方法です。

4.中和法(各種脂肪酸+苛性ソーダ)

伝統的な1~3に対し、新しく開発された製法です。まず鹸化させる前に原料油脂を数種の脂肪酸とグリセリンに分解します。そして、取り出した脂肪酸と苛性ソーダを中和させ、鹸化する方法です。

鹸化法とは次元の違う、純度の高い石けんを作ることが可能です。但し、大がかりな設備が必要とされます。

サッポーの石けん「ピュアマイルドEXソープ」もこの中和法で作られています。ホットプロセスとかコールドプロセスといった呼び方はしません。

さらにサッポーの場合、原料油脂の段階で不純物を極限まで取り除くため、石けん製造時に発生する刺激物質、遊離アルカリ(※)の存在「0」の表現が認められています。

また、原料油脂を脂肪酸とグリセリンに分解した際に、刺激性の強い脂肪酸(カプリル酸・カプリン酸)を除外するので、よりやさしい石けんになっています。

※苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)は、強酸である塩酸や硫酸と変わらない劇物。微量存在だから、pH値には現れないが、過敏な肌はこの強アルカリ刺激を感知します。多くの肌が感じる石けん洗顔時の刺激もこの「遊離アルカリ」=残留した塩基が起こしているものです。敏感な肌では、赤みを簡単に起こすだけでなく、かぶれ症状まで起こすことがあります。
「本当に良い石けんは『遊離アルカリ』の残留がほとんど無い!」このように言うことが出来ます。

石けんの製造法、ちょっとマニアックな内容でしたか?こうしてみると石けんはシンプルなようで奥が深いですね。

“Komasan”さん、面白い視点でのご質問、ありがとうございます。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • 石けんの製法には、鹸化法と中和法がある
  • 中和法で作られた石けんの純度が最も高い
黒板に注目!

編集後記

今回は改めて石けんについて考える講義でしたね。

サッポーの石けんはピュアで優しいので、時々肌が敏感なのに使用されている方がいます。でも…「もしも」はあるので止めてくださいね(^^;)

「サッポー美肌塾」第297号 / 2006年12月20日 発行


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