前回は、乾燥がカサカサやゴワゴワだけでなく、つっぱり感やキメの粗さ・シワやたるみ、さらには痒み・赤みなどの敏感さも引き起こす可能性がある……ということを解説していきました。
例え、まだ敏感肌にはなっていなくても、直ちに食い止め、乾燥を防止しないことには、肌の健康と美しさは戻りません。
では実際にどのような対処をすれば良いのか?意外にも、ここに多くの間違いが潜んでいます。まず基本を押さえていきましょう。
乾燥防止ケアを知る3つのポイント
- 1.化粧水や美容液による保湿ケアは、乾燥防止にならない!
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「乾燥対策にしっとりした化粧水を使用しています」という声をよく聞きます。
確かに、高い保湿成分のおかげで、化粧水や美容液で保湿ケアをすれば、乾燥していた肌は潤い、整った状態になります。
しかし、これは乾燥状態が緩和されただけで、乾燥ダメージから守られているわけではありません。
そのためには、必ず油脂成分がしっかり配合された乳液やクリームが必要です。サッポーでは“乾燥保護のケア”と呼んでいます。
- 2.保湿ケアと乾燥保護ケアは区別を
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上の様な誤解が生じやすいのは、「保湿」という言葉が、化粧水や美容液のケアに使われると同時に、乳液やクリームによるケアにも使われている事があるからです。
なので「乾燥には保湿ケア!」という言葉に従って「保湿」のケアをしても、乳液やクリームによる乾燥保護のケアまでは行われず、片手落ちになっている場合があるのです。化粧水や美容液のケアだけでも、その場では良い状態が作れるのですから「これで大丈夫!」と思い込んでも仕方ありません。
また乾燥が進行すると、バリア能が弱くなり、外部環境の変化の影響も受けやすくなるため、汗や皮脂が活発になります。これは肌が必死に自分を乾燥から護ろうとしている姿です。
でもここで前述の思い込みがあると、化粧水や美容液のケアは行っても「ベタベタしているから、油性化粧品は要らない!」と間違った判断をしてしまいがちです。
肌がベタつくのは、皮脂よりもむしろ肌上の水分が原因で、化粧水や美容液のケアがその悪化に一役買っている場合も多いのですが……。
その理由、今回は割愛します。こちらの講義を参考にして下さいね。
このようなことなので、サッポーでは化粧水や美容液による保湿ケアと乳液やクリームによる乾燥保護ケアを明確に分けるようにしています。
- 3.化粧品による乾燥防止には限界が……
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オフィスで自宅で、冷暖房された乾燥空間にいるという方が多いのではないでしょうか。反対に外回りが多い仕事であったり、小さい子供を連れて毎日公園通い、という自然の風に頻繁に当たる方も。いずれにしても、一年を通じて、いつでもどこでも乾燥防止のケアは必須です。
保湿と乾燥保護のケアができていたら基本はOKなのですが、問題は、化粧品だけでは、防止出来るダメージに限界があり、不十分だと言うことです。
この辺りを次章で掘り下げていきます。
環境で激変する乾燥の影響
化粧品では物足りないほど、肌を乾燥させる環境が以下の二つです。私達の生活において、いくらでも想定されることです。
1.微風でも風が肌に当たり続ける(春秋)
風があると洗濯物が何倍も早く乾くように、風に当たれば当たるほど、肌にとっても大きな乾燥ダメージになります。
対処法はとにかく風が肌を流れる量を少なくすることです。
[乾燥ダメージ]=[風の量]×[時間]
だと考えましょう。
2.気温が低く、肌が冷たくなる(秋冬)
風がなくても湿度が高くても、冷たさを感じる環境下では肌の水分は逃げ続けています。つまり、乾燥している状態です。
どうしてこのようなことが起こるのでしょうか。それは、肌が必死で皮膚温(体温)を維持しようと、肌表面の空気層を温め続けるからです。
これらの環境への対処法としては、小物の活用が手軽でしょう。化粧品でケアした上にマスクや帽子、マフラー等々を着けます。直接肌を覆ったり、物理的に風の向きを変えてくれます。
いかがでしたか。
乾燥防止について、基礎的なことを解説しました。まずこのような対処で大きな穴がないようにしましょう。それだけで、肌は落ち着いていきます。
- 基本の乾燥防止ケアは、化粧品で行う
- 化粧品の防御を超えるような乾燥は、小物を活用する
編集後記
乾燥対策、基本の基本を紹介しました。こんな簡単なこと……と思うかもしれませんが、意外できていない!という方が多いのです。
取りこぼすともったいないですね、初心に戻って、乾燥と向き合ってみましょう。
「サッポー美肌塾」第500号
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