べたつく夏の肌、痒みや汗疹の対処はどうしたら?

かゆい肌の対処です

高温多湿の季節まっただ中、肌の文句がブツブツと多くなっていませんか?

  • 「時々痒くなる」
  • 「汗疹(あせも)ができた!」
  • 「ベタベタと鬱陶しい」
  • 「暑い!」
  • 「蒸す!」

これらは、誰もが感じる夏の生理現象のようなものかもしれません。しかし、このようなことがきっかけで、トラブル発生することがあります。そう、夏特有の痒みや原因不明の?湿疹です。

夏になると、いつも肌の調子が悪く、痒みや湿疹とのつきあいが多くなる人はチェックです。今年の夏を爽やかに乗り切るには、日常に隠された無意識の行動パターンやケア習慣を見つけ出し、改めることです。

「その手の動き、そのケア……ちょっと待った!」です。

見直せと言われても、どうしたらよいかわかりません。一歩踏み込んで、肌の文句を聞いてあげることが必要なのです。なぜ?どうして?どうしたら?等々……すると見えてきます。

肌は適切な対処を求めています。

ここでは、原因が明確なトラブルは除外して、誰の肌にも起こりえる痒みと汗疹とべたべたに焦点を絞ります。ここを押さえるだけで、夏に肌を傷めることはずいぶん少なくなります。

「あっ、痒い!」…ここで気付く!

さまざまな原因で、痒みが多発する夏。痒みを感じたら、とにかく掻かないことが何より大切です。でも、多くの方は守ることができていません。

肌の痒みと掻く行為を段階的にみていきましょう。

1. 痒い!と思った瞬間、もうボリボリと掻いていませんか?
■イメージ画像■

掻くと肌(角質層)に破れ目が発生、さらに掻く行為が繰り返されると、肌の1~2ヵ月分の努力が水の泡です。激しく角質を傷め剥がすからです。最上層にある肌(角質)は一ヶ月かけて作られてきたものです。それが一瞬にして数層分が破壊されているのですから、肌はがっかりです。

2. 肌は掻いて壊される度に応急処置をし、掻く度に弱い肌に転落していく

いつもなら、毎日一層分ずつ準備してきた表皮細胞を角質として送り出すだけでよかったのですが、まだ準備不足の表皮細胞を数層分急いで角質として送り出します。間に合わせでもバリア能を補うことが大切だからです。

問題はこのような対応をした肌は当然バリアーが弱くなっているので、化粧品を始めとした異物が侵入しやすくなっており、侵入すると刺激となり痒みが再発します。またバリア能が低下した肌は乾いて硬くなりやすく、この硬さが皮膚自体を刺激し、痒みが出るようになります。

3. 部分的な痒みは軽視されがち、掻くのは気持ちいい

これらの痒みに対して、迷わずボリボリ掻いていたら、肌が育ちやすい夏なのに、バリア能の低い、ひ弱で敏感な肌に転落していきます。さらに困ったことに痒みの出る部位が拡がっていきます。

もし、身に覚えのある方がいたら、手遅れかもしれません。既にサッポーの「敏感肌脱出プログラム」から肌を作り直すべき状態です。

さて、あなたはどの段階で用心するようになっているでしょうか?「掻くのは気持ちいいから、やめられない!」なんて言ってたら、健康で強く美しい肌は望めません。

「あっ、痒い!」と思った時の対処が勝負です。顔を歪めてもいいですから掻くのは我慢してください。掻く以外の方法で、痒みが治まる方法を探しましょう。「ツネったらいい」なんて言うのはダメですよ。刺激が強すぎます。

サッポーの提案は、

  • かゆみ止め(抗炎症剤)の軟膏を手元に置き、痒みを感じたらすぐに塗る方法
  • 指の腹をあてて治まるのを待つ方法(案外効くんですよ)
  • 氷をタオル等で包んで冷やす方法

などなど、簡単なことばかりですね。実行できますか?

“溜まる汗”に注意!汗疹の原因と対処法

汗を肌に溜めた状態が多いと、顔に限らず様々なところに汗疹ができやすくなります。汗を肌に溜めるとは、ようするに汗で濡れた状態が多いと言うことです。

体温が高くなると、とてもたくさんある全身の汗腺(汗の通り道)が開きます。汗を掻いて体温を下げないと、命に関わることになるからです。

このように汗の存在は大切なのですが、問題は掻いた汗を放置することです。もちろんすぐに乾いてしまうのなら、放置してもかまいません。汗によるベタベタ状態が続くことが問題なのです。こうなると、肌はお風呂で長湯しているようなもので、肌がふやけてきます。

ふやけた肌とは、伸びてしまったラーメンのような状態です。箸で挟むだけで壊れてしまいます。肌を箸でつまむことはありませんが、肌をタオルやハンカチで拭くことは多いはず。肌上でタオルを滑らせたり、強く押さえたりすると、ふやけた角質は傷ついたり、つぶれたりしてしまいます。

当然、角質層を通り抜ける汗腺も傷つき、つぶれていきます。これが汗分泌の障害となり、肌に汗が溜まりやすくなるので、汗疹が作られるのです。

つまり、汗疹を作らないためには、掻いた汗にどう対処するか?がポイントとなるのです。

汗を掻いた時の対処法

汗の対処はやはり拭くこと

汗が出続けている時は拭いても無駄な抵抗というものです。また、下手な拭き取りはふやけた肌を傷めがちです。

  1. まず身体を涼しいところに移動させます。衣類を緩めて風通しをよくします。エアコンの前で、衣類に風を通すのは効果ありですよ。身体が涼しくなると顔の汗も早く引いてきます。
  2. 汗が引き始めたら、優しく汗をぬぐい取るようにします。タオルやハンカチ、おしぼりなどを軽く押し当てながら吸い取るのです。

熱くなった身体を冷ます、角質を崩さない、これが汗対処のキーワードです。そして汗疹の対処は、汗で肌をふやかし、角質層を崩さない、これが肝ですね。

汗腺はつぶれても、ターンオーバーとともに修復されていくので、その後、注意さえしていたら、大きな問題にはならないはずなのですが……実際には、汗疹といつもつきあっている肌があります。

しかも、ぽつぽつと赤みを伴う湿疹状のものもあります。ここまで肌の未熟化が進行し、敏感さが高じていたら、ターンオーバーを経てもなかなか肌が育たず、汗疹とサヨナラすることができなくなっているのです。

このような場合は、汗疹と真正面から相対するのではなく、まず肌の過敏さを脱することから取り組みましょう。“急がば回れ”、サッポーの「敏感肌脱出プログラム」ですね。

ベタベタ対策が、痒みにも汗疹防止に重要なつながりを持つ!

暑い夏に肌がベタベタするのは、ある程度諦めなければならないところですが、中には、自ら?ベタベタするように仕向けているような人もいます。

ベタベタすると言うことは、汗が肌にたくさん溜まっていると言うことです。ベタベタの正体は皮脂だと思われる方が多いですが、実際は大量の汗に、汗となじみのいい皮脂がほんのちょっと混ざったものです。この構成が、あのような乾きにくいベタベタ感として現れているのです。

さて、この汗がするすると流れてくれたらどうでしょう。肌に溜まることはありませんね。すると痒くなることも少なくなるし、汗疹もできにくくなるはずです。

「そんなことはあり得ない!」

「ベタベタするに決まってる…」

今までの体験からそんな方法があるはずがない…このように思いますよね。

その場対策的な方法と、根本的な取組の両面から解説します。

すぐできる!その場対策

保湿は控えめに

肌に水分を引き留める力は、肌や化粧品の持つ保湿能力です。汗は水分そのものですから、保湿力の高い化粧水や美容液をつけていたら、一生懸命働いて、分泌された汗を肌に保とうとします。そのうちに皮脂ともなじみ、あの乾きにくいベタベタが作られます。

というわけですから、化粧水はさっぱりタイプをつけるだけにし、美容液もべたつくところには、つけないようにします。サッポーの推奨するさっぱり化粧水は、しっとり化粧水よりアルコールの配合が少ないのに、ベタベタ肌に丁度よい保湿加減になっています。こんなのを探してください。

クリームで汗をはじく

汗が多く予想される時は、クリームで保護しましょう。汗をはじいてくれるので、汗を掻いても流れやすくなります。化粧も崩れにくくなり、べたつきが少なくなります。油が水と混ざらず、水をはじくのはご存じですね。乳液はクリームより油性度が低く、汗となじみやすい傾向があるので、油性度の高いクリームの方が夏には適しているのです。

でも、クリームもいろいろですからね。汗となじみにくいものを選びましょう。サッポー推奨のクリームのように。

汗をはじくからといって耐水機能を強化した(ウォータープルーフの)クリームやベースメイク製品を使用するのは逆効果です。乾燥が促進され、肌が育たなくなるので、長い目で見ると、ますますべたつきやすい肌になります。バリアー能が低下し、汗や皮脂の多い肌に変わっていくのです。使ったその日その日は、汗をはじいてくれて良いように思うのですが、とんでもない落とし穴に嵌まることになります。

以上2つの視点は、その場対策的なものですが、肌の育ちを邪魔せず、むしろ肌が育つ環境を支援してくれる有効な方法です。

根本的な取組

さて、最後になりましたが、根本的なベタベタしない肌作りとは、今日・明日取り組んでも間に合うものではありません。じっくりゆっくりと、よく育った肌を作っていくことです。自然に肌理が整い汗をはじく肌になっていきます。顔の汗や皮脂の分泌も、肌のバリアー能が高くなるので自然と少なくなります。

いかがでしたか?

夏には敏感肌に陥るきっかけがたくさんあります。この講義では、敏感肌に陥らないように注意すべきことを解説しています。もし、今の状況を判断して、既に敏感な肌になっているようであれば、敏感肌や炎症肌からの脱出をテーマに取り組むようにしましょう。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • 痒みは掻かない!が鉄則、痒みが治まる方法をマスターする
  • 汗疹を防ぐには、汗を早く引かせるノウハウを持つ
黒板に注目!

「サッポー美肌塾」第589号 / 2015年7月1日 発行


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