サッポーの手元には、スキンケアモニター協力者より戴いた膨大なアンケートの統計データがあります。これをアトピーに焦点を絞り、昔と今とのデータを比較すると大きな変化が見られます。
2002年集計 | 20~29才 | 30~39才 | 40~49才 | 50才~ | 平均(計) |
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アトピー症状がある | 20.0% | 16.1% | 15.5% | 12.2% | 16.3% |
2017年集計 | 20~29才 | 30~39才 | 40~49才 | 50才~ | 平均(計) |
---|---|---|---|---|---|
アトピー症状がある | 3.1% | 3.4% | 1.7% | 0.8% | 2.3% |
なんと激減しています!!アトピー性皮膚炎に悩む人が少なくなった、ということでしょうか?
実はこの数値変化には二つの背景があります。
- アトピー肌のように、肌が敏感でトラブルを抱えている人向けのトライアルセット「敏感肌脱出プログラム」が登場し、選択できるようになった。
- サッポー美肌塾を読み、アトピーの正しい知識を得た上で、スキンケアモニターに参加する人が増えた。
サッポーとしては嬉しい変化でしたが、実際は「アトピー性皮膚炎」の人が減ったのではないようです。
アトピーの発症率は変わらない、さらに治りにくくなっている?
大学機関・政府機関の調査データによると、アトピー性皮膚炎の多くは乳幼児期に発症(30%前後)し、学童期には15%前後へと減少していきます。発症率は今も昔も殆ど変わらないようです。
アトピー性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりしながら、加齢と共に自然に治ります。この定説は今も変わっていません。
子ども時代と比べて、角質の完成度が高くなり、アトピー肌質を持っていたとしても症状が出なくなるのが普通だからです。
ところが、大人になっても症状が続いている人は増加傾向にあります。40年前なら症状が残る人は2%程度でした。それが今では10%前後となっています。
これは一体どういうことなのか、見ていきましょう。
アトピー肌とアトピーっぽい肌
10%前後の方が大人になってもアトピー症状と付き合っている、と上で言いましたが、実際には、真性のアトピー性皮膚炎は1%前後とされています。
「それでは、残りの9%は何?」という疑問が当然沸いてきますが、その前にアトピー肌について解説したいと思います。
アトピー肌にみられる症状
- 皮膚のバリアー機能が弱い(角質層の保水力が低い)
- 発汗機能に低下が見られる(汗が少ない)
- 皮脂分泌機能に低下が見られる(皮脂が少ない)
- 過敏・過剰に痒みを感じやすい
- 毛細血管が反応しやすく赤みを作りやすい
つまり、角質の育ちが不十分で、角質同士を繋いでいるセラミド等の細胞間脂質も不足して、水分が逃げやすい。乾いた角質は硬く縮むため、肌に隙間ができます。そこから化粧品や汚れ・雑菌等も侵入しやすく、赤みを帯びる湿疹等の免疫反応(炎症)を起こしやすい状態にある肌ということです。
でもこれって、アトピーに限らず、敏感な肌に共通した症状ではないでしょうか?
なので、サッポーでは、先ほどの残り9%は真性アトピー肌ではなく、敏感に傾いてアトピーっぽい症状が出ている肌だと推定しています。
子ども時代にアトピーを経験をすると、アトピーという曖昧な言葉を自分のトラブルにあてはめて、何となく納得してしまいがちです。
「肌が敏感なのは、アトピーだから……」
「カサカサしてアトピーっぽいと思う……」
「原因不明の湿疹が時々……これってアトピー?」
このように思い込み、健康な肌になることを諦めていたとしたら、勿体ないですね。
アトピーっぽい肌の解消法
まず肌のバリアー機能を強化することから始めましょう。そうすれば、全て良くなります。バリアー機能が育つ途上にある子ども時代とは違うのです。
今は、スキンケアに不手際があって、一次的に角質が傷んで、健康を失っているだけなのです。
バリアー機能が強化されると
- 発汗機能が復活します
- 皮脂分泌機能も正常化します
- セラミド等の細胞間脂質が充実してきます
- 肌の水分が増え、硬くなっていた肌が柔らかくなり、痒みの発生が減少します
- 肌の敏感さが安定してきます
- 炎症を起こすことがなくなり、毛細血管が育ちます
バリアー機能を強化するには、一つひとつの角質細胞が本来の大きさに戻れば良いのです。今の細胞は、大きくならないままに角質になるターンオーバーが続いているのです。
良い肌環境を作り、細胞に育つ時間を与えましょう。幾度かのターンオーバーを繰り返すことで、本来の肌を取り戻します。
サッポーは、これを「肌が育つケア」と呼んでいます。
- 真性アトピー肌とアトピーっぽい肌がある
- 肌のバリア機能が強化されると、アトピーっぽい肌は良くなる
編集後記
自分はアトピー肌だと思っている方の多くは、アトピーっぽい肌だったのですね。でも敏感肌のケアで良くなる!と考えたら、前向きになれます。
それにしても、サッポーのモニターさんはよく勉強してるみたいです。真性のアトピー性皮膚炎の率に近い結果が出ています。
自称アトピー肌がいなくなっているということですね。
「サッポー美肌塾」第123号
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