身体を鍛える、精神を鍛える……いずれも心身の健康には大切なことです。しかし、間違った鍛え方は身体を壊し、心を病む原因になります。
では、肌の場合はどうでしょう。
- 鍛えた方がいい
- 甘やかしてはいけない
- 過保護にしてはいけない
等、よく聞くフレーズです。
「鍛える」と肌が強く健康になりそうだし、「甘やかす」や「過保護」には、弱くダメにするようなイメージがあります。
さて、真相はいかに?
肌は鍛えても強くはならない
肌を鍛える・甘やかさない・過保護にしない、の例を挙げてみます。
- 洗顔後は何もつけずに肌断食で鍛える
- マッサージをして肌を鍛える
- 色々な化粧品をつけると肌を甘やかすので化粧水しかつけない
- 肌が甘えて自ら潤わなくなるので洗顔後はクリームだけ
- 高級な美容液やクリームで過保護にすると肌が怠けるので、40歳を過ぎてから
- たっぷり保湿で過保護にすると肌が働かなくなり、本来の機能が低下する
どの例もなんとなく納得できそうな気がします。でも、実際はいずれも肌にとってありがた迷惑な考え方です。サッポー流に理由を解説していきます。
肌は、適度で適切な守りを求めています
洗顔後何もつけない……では、肌は無防備な状態です。水分はどんどん蒸発し、乾燥ダメージを受け傷んでしまいます。乾燥ダメージはかさつきやつっぱり感だけではなく、全ての肌トラブルの原因になります。
たとえば乾燥すると、肌は自分を守るために皮脂の分泌量を増やします。その結果、乾いて硬くなった毛穴に皮脂が詰まり、ニキビができることも。
化粧水だけ・クリームだけというのは、ケア不足に陥りがちです。敏感肌で使える化粧品が少ない場合はやむを得ませんが、必要な水分(保湿)と油分(乾燥保護)を与えたほうが肌は気持ち良く、ストレスフリーで過ごせます。
また化粧品が高級でも使用量が多くても、肌が弱ったり怠けたりすることはありません。化粧品やその量が、あなたの肌状態に合っている方が大事です。肌本来の機能を低下させたくなければ、肌をしっかり守りましょう。
どんな化粧品を選べば良いのか?肌にとっての適量は?については、当サッポー美肌塾の各講義でおさらいしてくださいね。
最後に、マッサージで肌は鍛えられません。むしろその逆で、顔の皮膚を支える表情筋は少しの力が加わるだけで、簡単に切れたり裂けたりします。かえってしわやたるみを作る原因にもなります。
表情筋を鍛えるなら、よく喋ってよく笑い、表情豊かに過ごすことで十分です。肌に触れることなく内側から安全に鍛えられますし、角質を傷める心配もありません。
良い環境が整えば、肌は自然に育っていく
肌は、筋肉のように鍛えることで強くなったりはしません。逆に甘やかす・過保護にすると弱くなる、といったものでもありません。
では、そもそも「強い肌」とはどんな肌でしょうか。
それは、「身体を守るバリアーとして、しっかり働く肌」です。言い換えれば、ターンオーバーが正常化した肌です。
そして、肌が強くなれば美しさも備わっていきます。
肌本来の機能が正常に働くには
では、ターンオーバーを正常化し、肌を強く美しくするために、私達は何をすれば良いのでしょうか。
それは、「肌が機嫌よく過ごせる環境作り」です。化粧品によるスキンケアや肌に触れるもの全般の管理です。
表皮は毎月細胞が入れ替わり、真皮層では数年かけて細胞や組織が入れ替わっています。その最中にも肌は様々な状況に置かれます。
風や紫外線、熱や摩擦……といった過酷な環境から守ることが私達の役目です。そうすれば肌が傷むことなく、表皮や真皮層の細胞に時間を与えられます。
時間を十分に与えられた細胞は、すくすくと育って立派な角質と組織を作り、完成した肌はバリアーとしてしっかり働くようになります。
肌に関しては「鍛える」という概念を捨てましょう。甘やかして過保護にするくらいがちょうど良いのです。肌を箱入り娘のように大事に育てて行きましょう。
- 肌は筋肉のように鍛えられない、かえって傷んでしまう
- 必要な化粧品を必要な量、与えた方が肌はよく育ち美しくなる
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