肌の育ち度60%未満…超過敏肌への取り組み方
赤みや炎症を伴う超過敏な肌の対処法を要約すると、次のようになります。
- 肌の過敏・過剰な反応の頻度を低下させることを優先する
- 肌が許す限り使えるアイテムは使い、使えないものは使用を諦める
- 化粧品が使えない分、その代替品・代替方法に気を配る
肌との接点を全て見直すつもりで、日々一からケアを組み立てていく姿勢で取り組みます。以下、ケアのステージ別に具体的なケアの判断方法を詳述しました。
肌が育つスキンケア…ケアのステップアップ&ダウン
スキンケアのステージ(肌洗浄/整肌/乾燥保護/紫外線保護)毎に、肌が許すステップからケアを開始します。次に肌の調子が良くなったら、ステップアップの機会をうかがっていきます。ステップアップした後に、肌が反応した場合、元のステップに素早く戻します(ステップダウン)。この繰り返しで、着実に、一歩一歩前進、過敏な肌からの脱出を可能にします。
- STAGE 肌洗浄
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ステップ1
朝も夜もすすぎ洗顔のみにとどめる。
ステップ2
未熟で過敏な肌のバリアー層を通過しにくいサッポーのクレンジングクリームを使用し、この後、すすぎ洗顔をして肌洗浄とする。朝も夜もこの洗浄スタイルにする。
肌の育ち度が70%に満たない場合、石けんの使用は禁止とします。肌の育ちと共に、石けんを使用しても大丈夫になっていくのですが、育ち度70%台に到達したことを実感するまでは使用しないようにします。
サッポーのクレンジングクリームに過敏な反応を示した場合はステップ1から始めないといけません。ただし、サッポーのクレンジングクリームが使用できる場合、ステップ2から始めます。
- STAGE 整肌(保湿)
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整肌に使用するアイテムは、
スキンローション
(しっとり化粧水)スキンコントロールローション
(さっぱり化粧水)モイスチュアエッセンス
(美容液)
通常、どちらかの化粧水を使用し、より保湿を強化したい部位に美容液を用います。
※さっぱりタイプの化粧水はしっとりタイプより刺激を感じにくい作りになっている
ステップ1
肌が少しでも反応するアイテムは使用を断念する。
ステップ2
使用しても肌が反応しないアイテムのみを使用する。
ステップ3
いずれのアイテムを使用しても大丈夫な状態。
いずれかの化粧水、あるいは美容液が使用できるようになると、肌の育ち度前進に有利になりますが、肌が少しでも反応していたら、その反応を避けることを優先し、ケアのステップを一段下げます。
- STAGE 乾燥保護
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乾燥からの保護に使用するアイテムは、
白色ワセリン
(ドラッグストア等で販売)エスカバー
(敏感肌用クリーム)リクイッドモイスチュア
(乳液)モイスチュアクリーム
(クリーム)
きめ細やかな使用方法としては、肌の状態や肌を取り巻く環境に合わせ、乳液を使用したり、クリームを使用したり、あるいはその両方を重ねて使用するようになっています。しかし、通常はいずれか一品用意するのが普通です。
ステップ1
肌が少しでも反応する場合、いずれのアイテムも使用を断念する。室内、戸外を問わず、風や強い空気の流れに肌を直接あてることを極力避けるように心がける。あるいは衣類小物やマスクによって風を防御する。
ステップ2
未熟で過敏な肌のバリアー層に浸透しにくい白色ワセリンで乾燥からの保護ケアを行う。
ステップ3
エスカバーを使用して反応がなければ、敏感な肌のバリアー層に浸透しにくいエスカバーで乾燥からの保護ケアを行う。
ステップ4
乳液やクリームを使用して反応がなければエスカバーの使用をやめ、乳液あるいはクリームのいずれか、あるいは両方を乾燥からの保護ケアとして使用する。肌が育つ良い環境が整います。
- STAGE 紫外線保護
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紫外線からの保護に使用するアイテムは、
ティントミルク
(防止効果小、外出しない時用)プロテクトベース
(日焼け止め下地クリーム)パウダリーファンデーション
(固形タイプ)
以上3点は全て紫外線吸収剤は使用せず、散乱剤(反射剤)で紫外線を防止する仕組みなので、紫外線を浴びた時の刺激が少ない方式です。また、シリコン油を利用した耐水機能強化のされていない製品で、毎日使用が可能な、敏感肌に優しいツールとなっています。
ステップ1
肌が少しでも反応する場合、反応するアイテムの使用を断念します。紫外線対策は帽子・パラソル・衣類小物やマスクなどを利用します。
ステップ2
1~3いずれでもよい、使用可能なアイテムを使用します。
ステップ3
紫外線との付き合いに対応し、自由自在に、単品使用、組合せ(重ねる)使用を行う。
過敏な肌は、こんなことにも注意!
過敏な肌の特徴として、未熟化に伴うバリア層(角質層)の機能低下があり、バリアーを通過する化粧品成分の反応に注意が必要です。加えて、過敏な反応を助長するもう一つの特徴にも留意する必要があります。
痒み神経の延伸と、炎症を起こさせるマスト細胞の活発化が背景にあることです。
細菌・ウイルス、化粧品成分などの侵入に反応するだけではなく、冷・熱・物理的力・紫外線等にも反応しやすくなっており、マスト細胞を刺激し続けています。その為、小さな刺激でも赤みを作ったり、炎症反応を起こしてしまうような過敏さが進行していくことがあります。
したがって、小さな刺激も極力与えない、また小さな刺激の範囲にとどめる努力の継続が、痒み神経の正常化、マスト細胞の沈静化に繋がる対策となります。
具体的な対策例…痒み神経・マスト細胞を安心させるには
- 紫外線対策
(「紫外線保護のステージ」説明参照) - 冷気や冷たさを肌に味合わせない配慮
(例:冷たい風を肌に直接当て続けない注意) - 熱気や熱さを肌に味合わせない配慮
(例:風呂やシャワーの湯温38℃~39℃に) - 掻く行為、叩く行為、つねる行為等々を控える
髪の毛先が触れるだけで、湿疹ができたりするのも4の過敏さが高じたものです。痒み神経や、マスト細胞を安心させ、正常化を図ると共に、肌が育つケアの成果としてバリアーそのものを強化することが、過敏肌脱出の根本的な解消に繋がっていきます。
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