サッポーには、ニキビに関する相談がたくさん寄せられます。その中でも案外多い「ニキビあと」が今日のテーマです。
“あと”といっても、大別して2つに分かれるため、相談を受けたカウンセラーは、判断が付かない場合、どんな“あと”かをヒアリングすることから始めます。
ニキビあとに悩む肌は、現在進行系のニキビと付き合っていることが多いものです。そのニキビがまた“あと”となる……このような悪循環は早く止めないといけません。
ニキビ対策をする一方で、出来てしまったニキビあとへの対処にも取り組まなければならないのです。
2つのニキビあととは?その対処法とは?見ていきましょう。
「ニキビ跡」と「ニキビ痕」その特徴は?
サッポーでは、にきびあとの状態に応じて、解りやすく“跡”と“痕”というように漢字を使い分けています。それぞれ解説していきます。
ニキビ跡
ニキビ(皮脂詰まり)ができ、毛穴の皮脂が増えると、皮脂大好きなアクネ菌が増殖します。それを察知した免疫細胞(マスト細胞)が危険を察知し、その部位の毛細血管を拡張させます。
この拡張した血液の赤みが、肌表面から透けて見えます。これが、いわゆる炎症(赤)ニキビの始まりです。
言い換えると、この赤みは、毛細血管が危険に対して、白血球を含む血漿成分を送り出す準備を整えた状態です。ここでさらなる危険を認知しなければ、何事もなかったかのように毛細血管は収縮し、赤みは消えていきます。
ところが、このような反応を何度も繰り返していると、毛細血管は伸びきったゴムのように拡張したまま戻らなくなってしまいます。
すると、毛細血管内に血液が滞留して血液量が増えるため、赤く見える状態が続くわけです。毛細血管は元に戻るのに時間がかかるため、炎症が治まっても、赤みだけが残るのです。
多くのニキビあとが、この赤いニキビ跡です。ニキビによる炎症以外に、虫刺されや湿疹、それを掻く行為などでも起こります。
人間の身体は常に作り替えられています。伸びきった毛細血管も同じで、時間はかかりますが、年単位で作り替えが進んでいきます。
ニキビ痕
ニキビに触る、潰すなどの物理的な刺激を与えたり、間違ったケアを続けていたりすると、赤みにとどまらず、炎症が拡大し、化膿してしまいます。膿ニキビに至ると、真皮層の構造物にまで破壊が及んでいきます。
構造物とは、主にコラーゲンとエラスチンでできた弾力線維群です。表皮を支えると同時に、肌の栄養を蓄える大切な空間でもあります。
この空間が壊れると、凸凹ができます。具体的に見ていきましょう。
ニキビの炎症が進行すると、マスト細胞が大騒ぎし、毛細血管がさらに拡張、血管壁の透過性が高まり、白血球を大量に漏出させます。
表皮や真皮層で、ニキビの菌であるアクネ菌を排除する戦いが始まるのです。この戦いの末、膿ニキビができます。
やがて膿が排泄されると、その部位に凹みができます。この凹みが大きければ凹みを埋めるため、真皮層に新しい細胞組織が作られます。一般に瘢痕組織と呼ばれるものです。
ところが、間に合わせで作られた形の整わない組織であるため、まるでクレーターのように凸凹しています。これが、ニキビ痕です。傷痕や火傷痕、妊娠線なども同じ現象です。
このニキビ痕は消えないのかというと、そんなことはありません。ただ時間がかかるのです。
表皮の細胞は、ターンオーバーによって約1ヶ月で100%作り替えられます。しかし、真皮層の構造物の場合は、4・5年かかります。瘢痕を作る細胞は、原始的で長持ちするため、瘢痕が大きいと10年・20年経って、ようやく消えるものもあります。
ニキビあとへの対処法
2つのニキビあと、ダメージが毛細血管だけなのか、真皮層の構造物にも及んでいるかの違いはありますが、基本的な対処法は共通です。
- 炎症ニキビ対策
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炎症の発生頻度を少なくし、また炎症が起こっても、その程度が大きくならないようにしないといけません。
炎症ニキビができる肌は、代表的な敏感肌の一つです。スキンケアも敏感肌として取り組まなければなりません。
具体的なスキンケアについては、長くなるのでここでは割愛します。こちらのページを参考に。
参考:「まず、過敏肌からの脱出を」
また、ニキビ薬(抗炎症剤等)の利用も賢い選択となります。
抗炎症剤がニキビを治すのではなく、マスト細胞の働きをブロックするのが目的の薬です。つまり、免疫機能を低下させることによって、一時的に炎症が進まないようにしているのです。この間にいかに肌の良い環境が作れるかが鍵です。
- ダメージ・刺激を避ける
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肌への侵入物・冷熱、物理的な刺激などを徹底して避けます。
つまり、肌に浸透侵入しない化粧品の使用、お風呂の湯温、タオルの使い方等々、肌との接点をとことん見直しましょう。
詳細はこちらの美肌塾を参考に
- 栄養素の強化
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細胞や組織を再生するのに必要な栄養素を意識して強化します。
- 多種の食品から植物性、動物性のタンパク質を摂取
- コラーゲンを作るのに欠かせないビタミンCを強化
強化の柱は、上記2点ですが、食生活全般に注意し、できるだけ多種類の食品を取るよう心がけましょう。
ニキビあとの修復は長期間に渡り、なおかつ目に見えないところで行われるため、意識し続けるのが難しいものです。
変化が見えなくても続けた人だけに、ニキビ跡やニキビ痕の改善が進むのです。
- ニキビあとには、赤みの跡と凸凹の痕の2つがある
- ニキビあと改善のポイントは、徹底と継続
更新
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