数ある化粧品の中で、時々「アルコールフリー」という表記を見かけます。アルコールは使用していないという意味ですが、このようにあるとアルコールは肌に良くない……という説明のようにも受け取れます。
肌に良くないのであれば、どんな化粧品にも配合すべきではないのですが、実際は広く使用されています。特に化粧水においては、水の次にたくさん配合されているものが多くあります。
おそらく「アルコールフリー」とは、アルコールの欠点だけに焦点をあて、このような成分を配合していません!というメッセージが込められているものだと想像します。でも、そこにばかり目が行っていると、大事なことを見逃してしまいがちです。
今回はまっさらな目で、アルコールについて見ていきましょう。
アルコールの性質と肌への影響
まず、アルコールそのものに毒性があるわけでは当然ありません。その性質がスキンケアにどのような影響を持つか……これが視点です。
化粧品に配合する際に影響するのが、アルコールの量です。中には、拭き取り用化粧水や収斂化粧水(カーマインローション)など、アルコール濃度がかなり高く、20~40%のものもありますが、一般的な化粧水を大別するとさっぱりタイプで15%~、しっとりタイプで10%程度です。
これらの化粧水の特徴を、アルコールによる性質を元に解説していきます。
さっぱりタイプの化粧水(毛穴やニキビ用と表示してある場合もある)
- べたつく肌にさっぱり感・清涼感を持たせる
- べたつく肌を乾燥させ、使用感を良くする
- 一時的な肌の収斂・毛穴の引き締め効果を期待
このような目的を持つものです。
肌をさっぱりさせたい人にすれば、希望が叶う、素晴らしい製品のように思います。でもこれらの効果が高いもの(アルコール配合量が多いもの)ほど、角質同士を繋いでいるセラミド等の細胞間脂質を溶かしやすく、角質が剥がれが早まります(ターンオーバーが早くなる)。また、肌のNMF(天然保湿成分)の減少を伴うため、同様のことが起こります。
このような化粧水を継続して使用していると、肌は次第に乾燥ダメージを受け、硬くなります。肌が硬くなれば、皮脂が詰まったり(ニキビ)毛穴が目立つようになります。
いくら清涼感が得られたとしても、これでは本末転倒ではないでしょうか。
しっとりタイプの化粧水(一般的な保湿目的の化粧水)
化粧水には、その機能を高めるために様々な有効成分が配合されています。
しっとりタイプの場合、アルコールはこれら成分を化粧水に溶かし込むための溶剤として利用されます。製品を安定させ、完成度を高めてくれます。なくてはならない存在(成分)です。
また、肌に潤いを与え、整えてくれます。(保湿)
このようなことなので、アルコールの存在だけで、化粧水(化粧品)の良し悪しを決めるのは早計というものです。アルコールには重要な役割があるので、全く配合されていない製品を安易に選ぶのではなく、きちんと本質を知って選びましょう。
それでもアルコールが苦手……という方に朗報です
「アルコールフリー」を好んで使っている方は、今まで化粧水を付けた時に肌が赤くなったり、ピリピリしたり……と苦い経験?がある人が多いのではないでしょうか。このようにアルコールが敏感な肌に反応しやすい成分であるのは確かです。
さっぱりタイプの場合は、アルコール配合量の問題もありますが、敏感な肌では、しっとりタイプでも起こりえる反応です。このような肌には手前味噌ですが、サッポーのスキンコントロールローション(さっぱり化粧水)をお薦めします。
「え?どうして、さっぱり!?」とビックリされたと思います。でも実はサッポーのさっぱり化粧水はアルコール配合量を1%未満にした、珍しい化粧水なのです。
スキンコントロールローションは、薬草成分などから抽出した成分によりさっぱり感を持たせています。アルコールのような清涼感はありませんが、弊害がないことの方が大切だと考え、作られた化粧水です。
保湿力は控えめですが、敏感肌で化粧水が反応する!という方でも使えることが多い、という実績もあります。
いかがでしたか?
簡単な解説でしたが、アルコールの性質や役割が理解いただけたでしょうか。
アルコールに関しては、こちらのサッポー美肌塾も参考になります。
- アルコールが化粧品に配合されるのには理由がある
- 敏感な肌には、アルコール量控えめの化粧水がおすすめ
編集後記
今回はアルコールの本質とその使われ方について解説しました。やはり、アルコールに誤解があるまま、スキンケアされるのは悲しいので(^^;)
サッポースキンコントロールローションは、敏感肌だけではなく、もちろんべたつく肌や汗の多い夏にもお薦めですよ。
「サッポー美肌塾」第89号
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