※今回の講義はサッポー愛用者にお送りしている会報誌「Winds」(ウィンズ)の記事を加筆・修正したものです
夏は汗と皮脂が多く、化粧崩れが気になる季節でもあります。
「私なんか一年中化粧崩れが……」
こんな声も聞こえてきます。
実は化粧崩れにも、大きな勘違いが潜んでいます。化粧崩れする人ほど、化粧崩れするケアをしています。見ていきましょう。
- 脂取り紙の弊害
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脂が浮いてみっともないから脂取り紙を使用する、よく見かける光景です。
化粧崩れの激しい人は2枚も3枚も使っていませんか?しかも意地になって、あーまだ取れる!もう1枚……と、強く押しつけている。汗・皮脂は肌を守るために出ているのに、そんなに強く押さえたら、汗でふやけた角質層が壊れてしまいます。肌も悲鳴を上げています。このようにバリアーの弱体化が進むと、ますます汗や皮脂を必要とする肌になっていきます。
脂取り紙は一度につき1~2枚の使用にとどめ、肌に優しくあてがいます。このように必要最低限の汗・皮脂を優しく取り除くだけでよいのです。
- 洗顔は大切だが……!?
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汗と皮脂と化粧で肌はドロドロ……こんな風になるから、化粧崩れする人は洗顔が大好きな傾向にあります。好きは良いのですが、さっぱりさせないと気が済まないのか、洗い過ぎているようです。
洗浄力控えめの洗顔料であっても、丁寧に、念入りにという優しい言葉に支えられ、実際はかなりの摩擦で角質を擦り落としていたりもします。むろん本人にそんなつもりはありません。このようにしてバリアーは弱体化、ますます汗や皮脂の分泌を過敏・過剰にしています。
あれ?私も力が入りすぎていたのかしら……と思ったら、そこから見直してみましょう。そして、サッポーのような洗浄力「0」のクレンジングクリームと石けんの組み合わせで優しく洗顔、が基本です。
- 化粧前の肌の鎮静
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朝の化粧は大忙し!洗顔をして、手入れ開始。でも、化粧が終わる頃にはじわりと汗が……これでは最初から下地もベースメイクも半分浮いた状態。おまけに駅まで早足では、職場に着いたときは、もう半分崩れている。
こんな時は、10分早起きをして余裕を持った動作で準備しましょう。手入れをする時に冷たいタオルを首に巻くと顔の熱気を鎮めてくれます。肌が乾き、化粧がきちんと落ち着いたのを見届けてから活動しましょう。
- 化粧崩れしない製品への憧れ
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耐水性のある(ウォータープルーフの)ベースメイクやメイク製品は、一度使うとやめられない良さがあります。化粧崩れせず、きれいに見えるからでしょう。でもこれら便利製品はいざという日だけにし、毎日連続して使用するのはタブーと心得てください。
肌の乾燥が進み、角質剥がれが亢進するので、角質はさらに未熟化します。バリア能が低下するので、日を追い、ますます汗や皮脂の過敏・過剰な肌になります。このことを知らずに使い続けると、それが悪循環となり、化粧崩れする肌が作られていきます。
化粧崩れしない肌を育てていくのがサッポー流。その場限りではなく、明日に繋がるケアでなくてはいけませんね。
- 汗の多い肌は、乳液よりクリームを
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じわりと滲んでくる汗が皮脂や化粧品と混ざり、エマルション(乳濁液)を作ってしまうことが、テカテカ・べたべたが続く原因です。そこで、サッポーが勧めるのは、汗の多い夏こそサッポーのクリームをしっかり付けなさいというもの。
クリームが汗をはじくので、乳濁化する前に汗が流れやすくなります。汗が肌に溜まらなければ、肌もふやけることはありません。その日から役立ち、尚且つ、肌が育つ良い環境を作ってくれるというわけです。
ただし、クリームの選択は要注意、油性度が高ければいいわけではありません。汗や保湿成分になじみやすいタイプは向かないし、汗をはじいても感触が悪いとかえって暑苦しくなります。
育った肌は皮脂も汗も安定
角質を大切にし、表皮に育つ時間を与えると、角質層は水分が多い強力なバリアーとなって肌を守ってくれます。汗・皮脂の分泌も安定します。保湿をして肌の水分を増やすのとは根本的に違うのです。比熱の高い水分の層が暑さ・寒さのシグナルをソフトに伝達するようになり、汗や皮脂の分泌がいたずらに反応しなくなります。
サッポーはいつも長期的な視点を大切にしています。
もちろん今回の講義は、今年の夏に役立つ内容ですが、本当にゴールにおいて欲しいのは来年の夏!
来年の夏、涼しい肌でいられるためには、今から始めるぐらいでちょうどよいのです。
今が決意のときですよ!
- 汗の出ない体制・環境で下地とベースメイク…今から習慣に
- よく育った肌の汗は、化粧を崩さず流れ落ちる…来年の目標
編集後記
今回は、化粧崩れのまとめ的な講義になりました。5つのポイント、それぞれの詳細は、美肌塾講義の中から捜してみてくださいね。
暑い夏、化粧が崩れなければ、何倍も涼しく感じられそうな気がします。そんな肌を目指したいですね。
「サッポー美肌塾」第232号
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