なぜか夏になると、
- ニキビがたくさんできる
- 大きなニキビができ、赤くなって炎症を起こしやすい
- 暑い間は、なかなかニキビが治らない
このように悩むニキビ肌の方が増えます。世間でよく言われるニキビ対策にさらに磨きをかけても、一向に改善されません。夏にニキビが良くなる人もいるのに、なぜ私の場合は悪くなるのか?ここを押さえないと良くなるものも良くなりません。
まずは、ニキビの発生原因から悪化する原因までを知り、夏にニキビが深刻化する理由を押さえていきましょう。
夏のニキビを知るには、ニキビの基本と悪化の原因を先に知る
ニキビ発生の根本的な原因と、炎症化の原因
ニキビ発生の原因は皮脂の存在と、毛穴をつくっている角質層の状態に起因しています。これは、大きなニキビもポツポツ程度にできるニキビも、たくさんできるニキビも、全て同じです。これが基の原因。ここをしっかり押さえて下さい。
皮脂がなければニキビはできませんが、そういうわけにはいきません。原因の最たるものは毛穴を作っている肌の状態、つまり角質層の状態の悪さが最大の障害となって、ニキビを作り出しています。毛穴が開いた状態で硬くなっているから皮脂が溜まりだし、やがて詰まり、ニキビの成長が始まるのです。
毛穴が開き、毛穴が硬くなるのは、乾きやすい痩せた細胞が角質になっているからです。細胞が痩せているのは、角質が予定よりどんどん早くはがされるので、未熟で痩せたまま角質にならざるを得ないからです。
上のような状態が続いている限り、毛穴に皮脂が溜まることは避けられず、ニキビは発生し続けます。
では、ニキビが炎症化する原因はなんでしょうか?
直接の原因は溜まった皮脂を食べて増殖するアクネ菌(ニキビ桿菌(かんきん))やブドウ球菌等の存在です。増えすぎると炎症を起こしニキビを悪化させます。ただ、これらの菌は誰の肌にもいる常在菌で、根絶できるものでなく、すべきものでもありません。
皮脂が溜まれば菌は増殖しますが、皮脂を溜めなければ菌の増殖もなく炎症に至ることもありません。
以上がニキビの基本と、悪化の原因です。
夏のニキビが特に深刻化するのはなぜ
夏のニキビも普段のニキビも発生原因や炎症に至る原因は同じです。それでは、なぜ夏のニキビが特に深刻なものになるのでしょうか。
これには二つの原因があります。
- 原因1.夏は皮脂分泌が増大し皮脂が溜まりやすい状態にあるため、アクネ菌やブドウ球菌などが増殖し炎症を起こしやすい
-
夏の皮脂増大は仕方がないこと。これをどうにかしようとすると肌に負担がかかるだけです。皮脂分泌が多くとも、皮脂が溜まらない肌作りを考えるべきです。
- 原因2.夏特有のダメージで、角質の剥がれるスピードが早くなり、新しく作られる角質はさらに未熟で痩せた角質層になっている
-
- 肌(角質層)に汗が溜まり、ふやけるので角質が剥がれやすくなる
- 汗の浸潤と冷房乾燥の繰り返しが角質剥がれを促進する
- 紫外線対策が手薄だと、角質が剥がれやすくなる
- 無意識に過剰な洗顔になり、角質剥がれを促進する
夏にニキビが深刻化する肌は特にこの点に細心の注意を払い、角質剥がれを最小限に食い止めるケアの習慣を持つことが求められます。なぜなら、汗の浸潤が起きた肌の角質は剥がれ方がスゴイのです。正常な肌は一日一層ずつ剥がれていくものですが、この場合、2~3層ならマシな方で、5層、6層と一度にゴソゴソッと剥がれるようになっています。
育つ間もなく作られる角質は超未熟で痩せ細っているため、毛穴が硬くなるのは当然、そこに皮脂が溜まるのも必然、そればかりか、このような角質で作られる肌は敏感で炎症も起こしやすくなっています。
夏に深刻化するニキビの注目すべき原因は2の現象にあります。対策の視点もここに焦点を当てることがポイントです。
夏に深刻化するニキビの対策
対策の基本方針
- 方針Ⅰ.既に深刻化した炎症を伴うニキビになっている場合、炎症を改善することを優先
-
この場合、スキンケアの範疇を超え、治療が必要な段階です。迷わず皮膚科医の治療を受けましょう。ニキビの炎症は真皮層はおろか皮下組織深奥まで拡がっているものです。こじらせるとニキビ痕となり、改善には数年かかります。
処方する薬を使用する傍ら、スキンケアは、サッポーの敏感肌脱出プログラムで後押しをしてあげましょう。
- 方針Ⅱ.ニキビが深刻化しないように事前に食い止めること
-
ニキビの深刻化を避けるのはニキビを防止するケアそのものです。つまり、サッポーの“肌が育つケア”がベースになります。健康に育った角質は役目を終えると、自ら自然に剥がれていきます。これが角質の理想の姿であり、本来の姿です。ニキビ防止だけでなく、健康なトラブルのない美肌づくり共通のスキンケアです。
夏に深刻化するニキビ…ポイントとなる対策
前述のニキビ深刻化の原因2、夏特有のダメージについて、ポイントとなる対策をあげておきます。
- 肌(角質層)に汗が溜まり、ふやけるので角質が剥がれやすくなる
汗の浸潤と冷房乾燥の繰り返しが角質剥がれを促進する -
⇒汗が出るのがおさまったら、必ず拭き取る習慣をつける
⇒冷房の風を不用意に肌で直接受けない
- 紫外線対策が手薄だと、角質が剥がれやすくなる
-
⇒生活シーンに合わせ肌に優しいUVケア用品を選択
⇒こまめなUVケアのメンテナンスが必要
- 無意識に過剰な洗顔になり、角質剥がれを促進する
-
⇒洗浄力のないクレンジング+界面活性能が肌に残らない洗顔料+正しい洗顔法
以上が、夏において特に角質剥がれを促進させないためのポイントです。基本的な事ばかりですが、気付きにくいからこそ注意すべきなのです。ひどくなってから注意しても後の祭りです。
具体的なケアは、サッポー美肌塾のバックナンバーで探してみましょう。講義テーマ「夏のスキンケア」から気になるものを読むのもOKです。
参考:「夏のスキンケア」の講義
夏はニキビを悪化させやすい危険の多い季節ですが、正しいケアができるようになると、健康な角質を育てるよい環境でもあります。
夏を吉とするか、凶とするか、肌はあなたのケアに注目しています。
- 夏のニキビも普段のニキビも、発生原因や悪化原因の基本は同じ
- 夏特有のダメージを理解し、夏のニキビ対策を実行する
「サッポー美肌塾」第132号
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