ピーリング、古い角質、ターンオーバー……角質ケアの戸惑い

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今回は基本に戻り、肌の健康と美しさを決定する角質についてです。サッポーが実施するスキンケアモニターのアンケートに寄せられた疑問を取り上げ、紹介しながら、解説していきます。

角質ケアの知識を再確認できます。すでに肌が育つケアを実行中の方は、自信をもって続けていけるでしょう。まだ実行されていない方は、きっと始めたくなります。

スキンケアモニターを通じて、肌が育つケアに出会った“ヨーコ”さん。そして、始めてすぐに戸惑いを感じられたようです。共感される方も多いはず、見ていきましょう。

角質ケア……“ヨーコ”さんの戸惑い

“ヨーコ”さんからのご相談・ご質問

色んなメーカーからピーリング系の化粧品が発売されていて、それらの説明には古い余分な角質を取るというようなことが謳われているのがほとんどです。

ですから、私の肌も古い余分な角質がたまっているから、取り除かないと!と思い込んできました(そのような製品を使っていました)。

年を取るにつれてターンオーバーが遅くなり、角質がうまく剥がれないというような内容もよく見ます。

一方で、「肌が育つ」という考えも理解できるのですが、今までの常識とはまったく異なる考えの登場、すなわち相反する二つの理論(?)に困惑しています。

“ヨーコ”さんの戸惑いは、ごもっとも!ではないでしょうか。サッポーの考えは、普段見聞きする常識とは正反対に思える……ということです。

ピーリングケアへの戸惑い

一時期よりは少なくなったものの、まだピーリング系化粧品は多く販売されています。さらにサッポーに言わせれば、このような化粧品を使わなくても、角質を剥がしにつながる行為は全てピーリングです。

参考:クレンジングに温泉に……えっ!これもピーリング?

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ピーリングのような角質を取り除くケアは、長期的な視点で見た場合、あまりにもリスクが高いといえます。元々ピーリングは医療行為です。肌の再生機能が著しく亢進する性質を応用し、ニキビや創傷治療に役立てられているものです。

角質を取り除いた後、応急処置的に形だけの細胞が作られます。見た目は無傷ですが、とても未成熟な細胞でできた角質です。このような状態を人為的に作り出すことで、様々なトラブルの解消に繋げるのがピーリング本来の目的なのです。

しかし、このような方法を日常のスキンケアに取り入れるのはとても危険です。

もちろん市販の化粧品や医薬部外品は、ピーリング剤の濃度が制限されおり、医療に利用されるものよりは、効果が弱くなっています。そのため、繰り返し使ってしまう怖さがあるのです。

使用後の肌はきれいに見えますが、未成熟な角質でできているので、弱く傷みやすくすぐ剥がれる……そしてまたピーリング。気づいた時にはトラブルに巻き込まれている、というわけです。

また、そうなったとしても医療行為によるピーリングのように、経過を見守る医師もいなければ、薬品もありません。これが、スキンケアにピーリングを利用する危険性です。

古い角質とターンオーバーの真実

「古い余分な角質を取る」に戸惑い

「古い余分な角質を取る」……ではなく「古びて見えるが、まだ働いている角質を取り除く」というのが適切な記述です。

上で解説したように、角質剥がれが起きると、肌はすぐ未成熟で新しい肌を再生させます。そして、未成熟さゆえに、すぐ傷みます。その傷んだ姿が古びて見える角質の正体です。

確かにこれらを取り除けば、その場では美しさが演出できます。化粧品でケアしておけば、肌はしっとりし、悪影響を受けているなど露程も感じないでしょう。それどころか、良くなったように思えるところが恐いところなのですね。

ターンオーバーのイメージ画像

しかし、このようなケアを続けていると、確実に肌は劣化していきます。そして、気づいた時には、もう遅いのです。

元の肌に戻るには、傷めてきた年月よりも長くかかります。傷めるのは一瞬ですが、ターンオーバーは1ヶ月に一度しか行われず、少しずつ良くなっていくものだからです。

「ターンオーバーが遅くなる」に戸惑い

これに対して、サッポーは「ターンオーバーが速くなっている」と世間とは逆の解説をしています。

加齢に伴い、ターンオーバーが遅くなるという傾向があるのは事実です。しかし、これは異常に老化した肌に見られる稀な現象です。実際の年齢よりも、肌自体の老化による影響の方が大きいのです。そして、普段からスキンケアをしている肌にはまず見られません。

ところが、加齢や老化が原因と言われたら、普通に私達の肌で起きている現象と思ってしまいます。それをピーリングで速めましょう!というのが、危険な行為なのは、今までの解説でお分かりですね。

古びて見える角質は、実際は古くなく新しいのですから、事実としてターンオーバーが速くなっているのです。そして未熟な肌は、角質同士をつないでいるセラミド等の細胞間脂質を分解する酵素が細胞に十分作られない状態でもあります。

なので、洗顔をしても中途半端に残る角質もあるでしょう。でも、それでいいのです。未熟でも肌に必死にしがみついて、少しでも長く働こうとしている角質なので、自ら剥がれる時まで待ってあげるのが、正しい肌の持ち主です。

その間、時間を与えられた肌細胞は、少しでも立派な角質を作ろうと頑張っています。次第に角質剥がれが落ち着いてくれば、早くも遅くもない、「正常なターンオーバー」が実現します。

それが、あなたが美肌を手にする時、ですよ!

ターンオーバーについての解説はこちらも参考に

参考:肌が育つケアの必須知識「ターンオーバーを正しく知っていますか?」

いかがでしたか?

世間の解説の方が単純で、ケアも解りやすいかもしれません。サッポーの視点で見ると、一気に理解が困難になり、皆さん苦労されているようです。

きちんと説明しようと思えば、とても長く複雑になり、簡潔な説明ができません。つくづく、“肌が育つケア”は、販売に向かない理論だと思います。でも真実を伝えたいので、サッポーはこの考えを広めていきます。

「今の肌を、今きれいに見せよう」というスキンケアと「未来の肌を、今よりきれいにしよう」というスキンケア、選ぶのはあなた自身ですよ。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • 古い角質ではなく、古びて見えるだけ。ピーリングで剥がすのは危険
  • トラブル肌は、ターンオーバーが遅いのではなく、速くなっている
黒板に注目!

編集後記

今回は、サッポーの角質ケア「肌が育つケア」の基本を解説しました。基本的なことですが、ややこしいので、理解するのに苦労される方が多いようです。

でも、真実は何度でも伝えていかないといけないのだな……と改めて思いました。


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