毎日スキンケアにおいて、見えない落とし穴がいくつもあります。見えないと言うより、落とし穴に嵌まりこんだことにすら気づかない……と言った方が良いでしょうか。
常識だと思い、頭から疑わないことがあるのですね。
今回はその様な「常識の嘘」がテーマです。
サッポーのスキンケアモニターに取り組まれている、“eiko”さんの質問を引用させて戴きました。
“eiko”さん、ありがとうございました。
“eiko”さんの質問
今後サッポーの製品と併用すべきか、避けるべきか聞きたいです。
洗顔後、化粧水をつけるまえに、コットンにふくませ拭き取る○○ローションというものです。洗顔後に残った皮脂の汚れや古い角質を取り除くというものです。
ちなみに、しっかり洗顔してもコットンには茶色い汚れが取れるので、必要かなとも思っているのですが。
これを使用せずに洗顔後サッポーの化粧水をコットンにふくませて保湿すると、軽くパッティングしても茶色い汚れがコットンにつきます。
相当オイリー肌のため、洗顔だけでは汚れが取れていないのでしょうか?
茶色っぽい汚れがコットンについていたら、汚れが取れてない?…と思うのは自然なことです。この様な体験をなさっている方も多いでしょう。
では、どうすれば良いのでしょうか?
汚れや古い角質を拭き取る化粧水、使っていいの?
これは、肌を健康に美しく育てていこうと思うのなら、使用すべきでないアイテムの一つです。
洗浄して残った皮脂や角質は、それ以上取り除いてはいけません。角質ごと取り除くことになるので、いつまでも健康な肌にはなれません。
古い角質とは、実際古いのではありません。本当は、その逆で、誕生して日の浅い未熟な角質のことなのです。
未熟さゆえ、すぐに傷み、乾き、痩せて縮んでいるため、見映えや感触が悪くなっています。古びて見えるので、古い角質と呼ばれているだけなのです。
このような角質を取り除き、化粧水や乳液等でケアをすると、しばらくは、肌の見映えも感触も、それなりに満足できます。でも、肌は確実に未熟化が進行しています。
「汚れを取り除く」「古い角質を取り除く」という表現は、とても魅力的で、肌がきれいになるということを、常識的に示しているように思えます。
しかし、肌上で何が起きているかを正しく表現すると、
- 「汚れのように見えている角質を取り除く」
- 「古びて見える若い角質を取り除く」
この様になります。
でも、丸々嘘でもないのですよ。汚れも含まれているでしょうし、取れてくる角質(垢)もいずれ汚れとなるものです。
拭き取り化粧水に関しては、こちらの美肌塾も参考に
コットンにつく、茶色い汚れはどうしたら?
これは、無理に取るべき汚れではありません。不思議に思われるかもしれませんが、肌に残しておくべき汚れなのです。
未熟化した角質は、痩せて硬く縮んでおり、それについた皮脂や油脂が、やがて酸化すると黄色や茶色に変色し、こびりついて取れなくなります。毛穴の黒ずみなどが判りやすい例ですね。
でも、今回のように見た目には分からないのに、コットンで拭き取ると見えるのは、汚れだけではなく、角質ごと剥がしているからです。
コットンは、肌よりも硬い線維質です。さらに、洗顔後の水分を含んだ柔らかい肌に当てると一刀両断で角質を剥がすことになるのですね。このようにコットンによるパッティングもこのように角質を傷める一因なので、お勧めできません。
肌が健康になると、角質が柔らかくなるので、この様な酸化した皮脂・油脂はこびりつかなくなります。また、変色も起こりません。優しく洗うだけですんなり落ちていくのです。
従って、このようなものをめざとく見つけて、取ろうとするのではなく、汚れがつかない肌に育てていくことを、目的にしなければなりません。
「汚れを取り除く」という表現はごく常識的と言えます。
でも、上の様な汚れまで取り除くことは、角質ごと取り除くことにつながっていたのです。これでは、肌の未熟な状態がいつまでも改善されません。
“eiko”さんにおかれましては、しばらくは汚れが気になるかもしれません……でも、取っている限りは、スキンケアの成果を台無しにしていることになります。健康で美しい肌にはなれませんよ。
拭き取り化粧水もコットンで拭き取るのも今日から止め、“肌が育つケア”一本に絞りましょう。
いかがでしたか?
このように良かれと思っているケアに「常識の嘘」が隠れていることがあります。“肌が育つケア”の視点から、嘘を見抜く要領が少し見えてきたでしょうか?
今まで、疑問を持たなかったケアにも光を当ててみましょう。
- 拭き取り化粧水で取っているのは、まだ働いている角質
- コットンに汚れが付いたら、それは汚れの付いた角質
編集後記
誰もが常識として疑わないことに、嘘が隠れている……まるで政治のような怖い話 (^^;)
でも、肌の立場に立って考えてみると、理解できることばかりですね。角質を無理に剥がすのは良くない!という視点があれば、どんなケアでも良し悪しの判断ができますよ。
「サッポー美肌塾」第278号
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