普段、肌の硬さを意識する方は少ないと思います。でも、カサカサ、ザラザラしたり、ブツブツがあると、触感だけで感じることが出来ます。
逆に言えば、肌が硬くなるから、このようなトラブルに見舞われるのですね。なので、肌を常に柔らかい状態にしておくことは、美しい肌を作っていく上で大切な要素と言えそうです。柔らかく弾力がある肌は、それだけで魅力ですしね。
肌が水分を失って、乾燥すると、まず最表層の角質が硬くなります。そして、角質はケラチン質と言って蛋白質です。爪と同じ材質で、乾くと驚くほど硬くなるのです。
角質一つひとつは目に見えない大きさで、厚みもありません。また、ぴったりと下層の角質層、表皮細胞層に張り付いているので、そんなにコチコチに乾くわけではありません。
でも、この小さな角質が硬くなっているかどうかを感じるのは、到底無理な話です。では、どのように考えたらよいのでしょう。
まずは、肌が硬くなる原因から紐解いて行きましょう。
肌が硬くなる原因は「乾燥」
肌が硬くなるのは、最大の原因は乾燥です。代表的なものは、風でしょう。洗濯物が早く乾くのと同じで、直接、風が当たり続けていると、効果的に肌は乾燥していきます。実は湿度よりも、風の有無の方が影響が大きいのです。
乾燥した環境が背景にあるのですが、乾燥していなくても、風が当たると肌は乾燥します。
これは大事なポイントですから、知っておいてくださいね。冬だけでなく、夏も同じですよ。
さらに、間接的な原因もあります。紫外線や酸化によるダメージで角質を傷めると、乾燥しやすくなります。同じように風を受けても、より早く乾燥してしまうのです。
他に肌を乾燥させる原因は、ピーリングなどの角質を剥がすケアです。余分な角質だから、古い角質だからと、むやみに角質を取り除くと、これは衣服を一枚脱ぎ捨てるようなものです。本当は必要だから肌に残っている角質なのに……。
乾燥は肌表面から始まり、やがて肌深部から乾燥肌を生み出すようになる
乾燥は、肌表面から始まります。でも、この時、乾燥して肌が硬さを増しているのに気づかないで、翌日同じことが続くと、乾燥の深度は一歩前進します。そしてまた一歩……。
すると、どうなるのでしょうか?
乾燥を受けた角質は、傷み、縮んで、剥がれやすくなります。つまり、ターンオーバーが早くなり始めます。角質層のバリアー能を維持するために、表皮細胞の角化が早くなるのです。新しい細胞の誕生も早くなります。
「誕生が早くなる」と表現すると、良さそうに思うのですが、その逆です。
表皮細胞が誕生して角化するまでの時間が短縮されると言うことは、しっかり準備できないままに、未熟な角質として完成するようになるのです。未熟な角質ですから、保水力のない、乾きやすい肌のできあがりです。すると、肌表面から始まった乾燥が、細胞レベルにも影響が出始めるのです。
こうなると、皮脂線の未発達な部分ではガサガサ、カサカサが始まり、皮脂線の発達した部分では、皮脂がさらに活発化したり、毛穴が目立った来たりします。角栓も現れやすくなります。直ぐに乾いて剥がれやすいのですからね。
皮脂や油脂がこびり付きやすい毛穴部分が酸化して黒ずみやすくなったり、皮脂詰まりも発生しやすくなります。
さらに、進行すると、肌に敏感さが出てきます。ここまで来ると、回復にも益々時間がかかるようになるのです。半年…1年…とかかる場合も、これは大きなロスタイムです。
肌の硬さを少しでも感じたら……
では、角質が硬くなっているということを、どのように感じたら良いのか……今日のテーマに戻ります。
ここは、
- 「今日は洗顔した後、いつもよりつっぱり感を感じる」
- 「今日は化粧水のなじみが悪い。時間がかかった」
このような些細な変化で、肌が硬くなっている!と判断して欲しいのです。この変化を感じることが、肌の未熟化が始まるか否かの分岐点です。
一旦未熟化が始まって、トラブルに見舞われるようになると、その進行率に応じて、回復までの日数も遅くなります。なので一刻も早く、肌の小さな変化に気づくことが大事です。
つまり、この変化は肌のサイン・SOSを私たちに訴えている姿なのですね。
このサインをキャッチしたら、スキンケアを強化・工夫しましょう。といっても難しいことは何もありません。
保湿・乾燥保護・紫外線保護のケアをいつもより少し多めにつける、乾燥保護ケアの乳液をクリームに変えてみる、マフラーや帽子等で物理的な防御を強化する……等々ですね。細かく言えば、いくらでもあるのですが、ここでは案内を控えます。
少し硬くなった肌に、より適切なケア、より適切な肌管理を心がけることが大事なのです。早く気づきさえすれば、少しの心がけで済むのです。
いかがでしたか。
普段から、肌を観察するような習慣、つけられそうですか?忘れがちですが、大事な視点ですよ。
- 肌が硬くなる最も大きな原因は、乾燥である
- トラブルに見舞われてからではなく、肌のサインをキャッチする
編集後記
赤ちゃんのような弾力のある柔らかい肌は、まさに理想!でも、そうも言っていられない。現実は、今日も会社へ、買い物へ。
乾燥を避けられない私達には、努力が必要です。そして小さな努力になるか、大きな苦労になるのかは、普段の肌管理次第なのですね。
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