夏になったら…ニキビができたら…○○用!専用化粧品は必要?

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夏に冬服を着る人はいないし、冬に夏服を着る人もいません。夏は夏用、冬は冬用のファッションがあります。

それと同じ感覚なのでしょうか?暑くてべたつく夏はスキンケア製品を“夏用”に切り替え、冬が来ると“冬用”にという人が一定割合でいます。

それだけではありません、ニキビができればニキビ用、シミができればシミ用、しわ、毛穴、年齢別などなど、肌の悩みだけ専用化粧品があります

このような基準で化粧品を選ぶのは、肌にとってどうなのでしょうか。今日のサッポー美肌塾では、専用化粧品の是非と化粧品選びの視点についてみていきます。

季節やトラブルに合わせたケアは?

私たちの肌はどんな季節でも、どんなトラブルを抱えていても、その環境下でターンオーバーを繰り返し常に良くなろう、健康であろうとしています。

しかし、「何か」がボトルネックとなり、このような肌の営みを停滞させることがあります。

その「何か」は、誤ったケア、生活習慣、化粧品の選択など様々なのですが、本日のテーマ“○○用”“○○専用”の化粧品がボトルネックになっている場合が結構あるのです。

いくつか例を挙げておきましょう。

季節や肌トラブルに合わせた化粧品選び、○?それとも×?

  • 夏はべたつくから、さっぱりする化粧品がいい
  • ニキビは皮脂が原因、油性化粧品は控える
  • 毛穴の黒ずみ、角栓には専用の化粧品で取り除く
  • シミをなくすには美白製品

……等々、他にもたくさんあります。

これらは正しいのでしょうか。それとも間違い?

筋の通った正しいケアのように思えますが、実は危険性(ボトルネック)をはらんでいます。次項で一つ一つみていきましょう。

もっともらしいスキンケアに潜むボトルネック

「夏はべたつくから、さっぱりする化粧品がいい」

一見、何も問題がなさそうです。「サッポーでもさっぱりタイプの化粧水、スキンコントロールローションを勧めているじゃない」という声が聞こえてきそうです。

でも、夏だからと一律ケアをするのは少々危険です。

夏に外でしばらくいると汗が止まりません。そんな時はさっぱりした化粧品が良いですが、普段のケアは自分が長く過ごす環境を配慮すべきです。

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たとえば、通勤中に汗をかいてべたついても会社や家に着けばエアコンが効いている、このように一日の大半を乾燥空間で過ごすのであれば、乾燥対策を優先したスキンケアが適しています。

しかし、まず考えるべきはどうして肌が過度にべたつくのか?ということです。

夏は汗が増え、皮脂も少しですが増えます。その結果べたつきが生じることがあります。

この時、肌が健康であれば「ちょっとべたつく……」程度で済みます。でも、肌が不健康で未成熟な状態であれば、必要以上に過剰な汗や皮脂の分泌を招いてしまいます。

角質層のバリア能が低いため、気温の上昇に肌が過敏に反応するからです。このような肌は、化粧水でさっぱりさせることよりも、油性化粧品で護りを強化する方が大切です。

具体的には、乳液よりも油性度の高いクリームの使用が推奨されます。汗を弾いてべたつきを少なくし、エアコンの乾燥からもしっかり護ってあげるのです。

やがて肌が健康になれば、汗や皮脂の過剰な分泌はなくなってきます。バリア能が高くなるため、夏でもあまりべたつかない肌になるのです。

「ニキビは皮脂が原因、油性化粧品は控える」

「皮脂詰まり=ニキビ」ですから、皮脂が原因だと言えなくはありません。だったら化粧品の油脂もニキビの原因になるのでは?と考えるのも解ります。

実際に油性化粧品を控えてニキビができにくくなる肌もあるでしょう。でも、それは一時的な現象に過ぎません。ニキビは再発し、ひどいと炎症に発展する場合もあります。

どうしてこのようなことが起こるのか、それを知るには、なぜ皮脂が詰まるのかということから理解しなければいけません。

通常私たちが一日に分泌する皮脂量は、全身でティースプーン1杯程度です。それが増えるとしてもせいぜい1~2g程度です。

では、皮脂分泌が人より1~2g多いからニキビができるの?と言えばそうではありません。皮脂が増えてもニキビができない肌はたくさんあります。

ニキビの真の原因は皮脂ではありません。「皮脂が毛穴に詰まる肌」にあるのです。

本来毛穴の出口は、ぴったりくっついてスムーズに皮脂分泌を行います。しかし、肌細胞一つひとつが痩せて、完成した角質が小さければ、キメが粗くなり、毛穴も開いていきます。

そこに皮脂が溜まりニキビが発生……これが、皮脂が毛穴に詰まる肌の実態です。

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肌細胞一つひとつがしっかり育つ(太る)ケアが必須です。そのためには乾燥から肌を護ってくれる油性化粧品は欠かせません。ニキビ肌にこそ油性化粧品は必要なのです。

「毛穴の黒ずみ、角栓には専用の化粧品で取り除く」

毛穴が黒ずんだり角栓ができたりすると見映えは良くありません。実際にピーリングケアや酵素洗顔などで取り除けば、キレイになり肌触りも最高の状態になります。

しかし、またすぐに毛穴は黒ずみ、角栓ができます。同じことが起こるのです。そして繰り返すうちに次第に悪化し、より目立つようになります。

これは黒ずみや角栓だけでなく、それらを含む(それらがくっついている)角質を一緒に取り除いたからです。

角質は一日一層のペースで剥がれることで、将来角質となる細胞に育つ時間を確保しています。それが予定より早く剥がされたものだから、細胞は必死になって次なる角質を作ろうとします。

急いで作られた角質は未成熟な状態です。そのまま最前列に送りこまれ、必死に肌を守るために働きます。しかし未成熟なので黒ずみ、角栓化し、剥がれやすくなります。

黒ずみや角栓を取り除いてキレイになる事実やそのときの感動は否定しません。でも、このような悪循環をいつまで繰り返すのでしょうか。

「シミをなくすには美白製品」

シミは紫外線等の刺激によりメラノサイトが危険を感じ、黒い色素をもつメラニンをたくさん増産した結果、できたものです。

そして、このシミに美白製品を使えば、薄くなっていくことは事実です。しかし、シミが根本から解消されたわけではありません

美白剤は、メラノサイトの活動にブレーキをかけて邪魔するか、メラニンを無色化して黒さを減衰させるだけです。使用を止めれば、元のシミに戻ります。シミができる肌(メラニンの増産)そのものが変わったわけではないからですね。

それだけならまだいいのですが、美白剤を働かせるためには、肌のバリア層(角質層)を超えてメラノサイトに届ける必要があります。これが怖いのです。

肌が不健康な状態だと美白剤で炎症を起こす場合があり、これが新たなシミを作る原因になります。シミをなくしたい!と思ったがための悲しいトラブルです。

本当の意味でシミが消えるのは、メラノサイトがメラニンの異常増産をやめて「この肌は大丈夫!」と判断した時です。

その方法については、長くなるのでこちらのサッポー美肌塾を参考に。

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化粧品や医療では治せないシミ、でも肌はその力を持っている

いかがでしたか?

○○専用という言葉を素直に受け取ると、かえってトラブルの改善から遠のいてしまう場合があるのですね。

○○用化粧品を全て否定するわけではありませんが、一時的な効果ではなく、肌が健康に美しく育っていくものかどうかを考え、選択するようにしましょう。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • 「○○専用化粧品」は効果が出やすいが、肌が育つ邪魔をするものがある
  • 化粧品やスキンケアを選ぶときは、肌が育つ傾向にあるかどうかを考える
黒板に注目!


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