サッポーです。
今回は「肌が育つケア」の微妙~で、楽しいお話しです。
肌がダメージを受け、傷み、未熟化していく様子や、肌が育つケアで育ち度を上げていく様子を、視覚的なイメージで掴んで頂こうと思います。
いつも言葉だけを並べて説明しておりましたが、目からウロコと感激される方も居れば、少し早とちりされるのか、一面的・固定的な理解に縛られる方も居ます。
今回は表皮層の断面を見ながら、ターンオーバーの進行に伴う肌の変化を追いかけてみました。
肌への理解が深まることで、サッポーの肌が育つケアの成果がより多くの方々に広まれば、と祈るところです。
よく育った肌はダメージを受けてもすぐに回復する
サッポー先生-
育ち度の高い細胞が作る肌、つまり良く育った肌は全てにおいて有利になっています。
不平等ですね。
でもこれが公平というものですよ。
よく育った状態を維持していたご褒美というわけです。多少のダメージを受けて肌が少々壊れても、すぐに回復し何事もなかったように美しさと強さを取り戻すようになっているのですから……。
読者の皆様もこの状態を作り、維持されるようにしてください。 -
それでは、すぐに回復する仕組みを見てみましょう。
下図をご覧ください。表皮細胞層の断面図です。
(数字①・②・③・④…は日にちの経過を示しています)
ターンオーバーのイメージ図
- よく育った表皮細胞が角化して作られた角質(の層)
- やや未成熟な表皮細胞が角化して作られた角質(の層)
- 表皮細胞が未成熟なままに角化した角質(の層)
- ダメージを受けた角質(の層)
- よく育っている生きた表皮細胞
- 少し育ちの悪い生きた表皮細胞
- 育ちの悪い生きた表皮細胞
- ①
- 健康で美しくて、強い状態の肌、つまりよく育った肌です。
- ②
- ダメージ(例えば紫外線)を受けて肌荒れが発生しました。
- ③
- ダメージの影響でやや育ちの悪い角質層が作られます…A
表皮基底層でも、やや育ちの悪い表皮細胞が誕生します…B
(角化を急ぎ、細胞の補給を急いだからでしょう) - ④
- しかし、翌日からは角化も表皮細胞の誕生も正常化しています。
- ⑤
- ダメージが表面化することなく、いつもの美肌に回復します。
本当は、⑤の時点ではダメージの影響がまだ少しあるのですが、ほとんど感覚上や見た目の現象にも現れません。そしてさらに一週間も経てば、ダメージの影響は名実共に消えてしまいます。
-
いかがですか?
イメージできましたでしょうか?よく育った肌、80%以上の育ち度の肌が見せる危機対処です。
過敏な肌状態からなかなか抜け出せない……そのわけは
-
それでは次に、やや過敏な肌の事例をみていきましょう。
表皮細胞も作られた角質もやや育ちが悪い状態のターンオーバーが続いている肌です。
前段の例と全く同じダメージを受けた、と仮定します。
ターンオーバーのイメージ図
- よく育った表皮細胞が角化して作られた角質(の層)
- やや未成熟な表皮細胞が角化して作られた角質(の層)
- 表皮細胞が未成熟なままに角化した角質(の層)
- ダメージを受けた角質(の層)
- よく育っている生きた表皮細胞
- 少し育ちの悪い生きた表皮細胞
- 育ちの悪い生きた表皮細胞
- ①
- 角質が痩せて、バリアー力が弱いやや過敏な状態を示しています。
- ②
- 受けたダメージは同じなのに、肌荒れの影響が深くなっています。
- ③
- 慌てた肌は角化を急ぎ、未成熟なまま矢継ぎ早に角質を送り出しバリアー層を強化しようとします…A
同時に表皮細胞の誕生も急がせています…B
肌の過敏さが増した感覚があります。 - ④
- 過敏な状態が続き、見た目の肌荒れもまだ残っています。
- ⑤
- 見た目の肌荒れは治ってきたものの、過敏な状態が続いています。
-
いかがですか?
過敏になっている肌、つまり育ち度の低下した細胞の作る肌はすぐには強くなれない様子がよく判りますね。
肌は頑張っているのですけどね。 -
もしここで再び何かのダメージを受けてしまったら、どうなるでしょうか?
また②~⑤を繰り返すのでしょうか?
いえいえ、そうではありません。
①と⑤を比べてみましょう。⑤の方が①より弱体化しています。
その分同じレベルのダメージを受けたら、前回より一回り拡大されたダメージに見舞われ、その回復にあたることになるのです。
過敏な肌が過敏な反応を繰り返しやすいのはこのためです。
過敏なトラブル肌からの脱出は可能か?
-
「これではいけない!」と一念発起した肌の持ち主は、強くて美しい肌を目指すために、サッポーの「肌が育つケア」に取り組むことにしました。
- ダメージを受けないように化粧品による保護(乾燥・紫外線)だけでなく、肌がおかれる環境にも出来るだけ配慮するように心がけました。
- 肌が育つ環境を作ることが出来る化粧品の選択、適切な使用を、洗浄、保湿、保護のケアにおいて対処のレベルをしっかりチェックし、心がけました。
前段⑤からの続きです。
ターンオーバーのイメージ図
- よく育った表皮細胞が角化して作られた角質(の層)
- やや未成熟な表皮細胞が角化して作られた角質(の層)
- 表皮細胞が未成熟なままに角化した角質(の層)
- ダメージを受けた角質(の層)
- よく育っている生きた表皮細胞
- 少し育ちの悪い生きた表皮細胞
- 育ちの悪い生きた表皮細胞
- ⑥
- 角層が痩せ、バリアー力が弱い過敏な状態を示しています。
- ⑦~⑫
- 未熟な細胞から、やや未熟な細胞に育ち度がアップしていきます。
送り出される角質もある程度育ったものに入れ替わります。 - ⑭
- 見た目や感触はそれなりの姿になったのが、この段階。
ただしダメージ管理の失敗がすぐに不安定な肌、過敏な肌に導いてしまう、安定と不安定の境目にある肌(育ち度70%) - ⑯~⑱
- より安定した状態で新しい細胞が誕生するようになります。…C
育つ時間が与えられた表皮細胞は、以前より一段と育った角質として完成するようになります。…D - ⑳
- 育ち度80%以上の肌の完成です。
-
いかがでしょうか。
過敏なトラブル肌からの脱出がイメージできたでしょうか? -
この例では1回のターンオーバーで過敏な状態から一気に強さも美しさも備えた、育ち度80%の肌が完成してしまいましたが、現実には2回、3回とターンオーバーを繰り返す中に、上のような変化が実現します。
-
このレベルの育ち度が確保できると、肌管理はとても容易くなります。
「よく育った肌はダメージを受けてもすぐに回復する」…ですからね。 -
このように、肌がターンオーバーを繰り返しながら、育ち度を上げていくイメージをしっかりと持ち、あなたの肌再生計画を描いてみましょう。
肌は環境さえ確保されるといくらでも育ち度を上げていきます。もし育ち度が70%台で停滞していたら、それは何かのボトルネックを抱え込んでいるからです。
でもそのような時でも、肌は与えられた環境で精一杯育ち度を上げていこうと努力しています。 -
肌の努力に応えてあげましょう。
ボトルネックは捜しましょう。肌は育ち度が上がると、必ず、強く、美しくなっていきます。
更新
角質を大事に……でも一体どうすれば?
講義はいかがでしたか?
毛穴、ニキビ、シミ、しわ、たるみ、肌のくすみ……さまざまな肌トラブルがあり、そして、これらに対処するため、専用化粧品が数多く用意されています。
しかし、ここまで講義を読まれた方はお気付きかもしれません。
こうしたトラブルへの見た目の対処、表面的な対処も大切だけど、その「根本」に目を向けなければ、いつまで経ってもトラブル解消にはならないだろう……と。
いつしか見栄えと表面的な対処だけが、私達のスキンケアになっています。
「根本」とは、健康に育った角質で肌が作られることに他なりません。つまりターンオーバーが正常に働く環境を作ることこそ、基礎となるスキンケアなのです。(サッポーでは「肌が育つケア」と呼んでいます。)
……と言っても、正常なターンオーバーと聞いて、ピンとくる人はいないでしょう。
ターンオーバーは肌表面0.2mm、ミクロの世界で行われていることです。目に見えないばかりか、イメージすることさえ難しいというのが実感です。
角質を大事するとは、実際のところ、どういうことなのか?
正常なターンオーバーの維持とは、一体どんな状態なのか?
その答えの一端は、「スキンケアモニター」で知ることができます。
踏み出してみましょう。
トラブル知らずの美しい肌が、あなたを待っています。
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