メイクといえば、ベースメイクやポイントメイクを思い浮かべます。ところが、このメイク、何となく肌に良くないと思っている人が思いの外多いことに驚きました。
相談室に届く質問や相談に、言葉の端々からその思いをピックアップしてまとめてみました。
- ⇒週に一度くらいノーメイクで休ませてあげなくては♪
- ⇒肌を覆うので、良くない!
- ⇒できるだけ、ノーメイクで肌に呼吸を!
- ⇒パウダーは毛穴に詰まるから良くない!
- ⇒汗で崩れた時の状態をみたら、きっと肌に悪いと思う……
- ⇒メイクのせいで乾燥がひどくなっていると思う……
- ⇒時間が経つと肌がくすんで…肌にもきっと悪い影響が……
- ⇒ポイントメイクのカラーはどう見ても肌に悪そう……
等々です。
それでもベースメイクやポイントメイクをやめないのは、見映えを良くするためには仕方がない必要悪だと思っているからでしょうか?
とにかく、メイクは肌に良いのか? それとも悪いのか?
悪くないのに、悪いと思いながら使っていたとしたら、これは悔しいですね。逆に、肌に悪いのに、悪いと知らなかったら、これもやはり悔しい。というより、本当に肌に悪い場合は、どうしたらよいでしょう?
本来、ベースメイクやポイントメイクで、きれいに見せるわけですから、精神衛生上、とても良いことのはず、しかし、上のような迷いがあれば、これは精神衛生上も良くありません(^_^;) 見ていきましょう。
メイク料は肌に良いと思って使おう!
「なんか、意味深!やっぱり肌に良くないのかしら……」なんて深読みしないでくださいね。結論を先に言いますと、スキンケア製品と評価の視点は同じでいいのです。
- 肌の健康(美肌作り)に適するものもあれば、適さないものもある
- 評価の視点は、スキンケア製品と同じで良い
つまり、適さないのはどういうものか、を知れば安心です。しかし、スキンケア製品と同じ視点でよいなら、知っていることばかりのはず。でも、よく判らない?そうですね。まず上に挙げた項目を1つずつ解説していきます。
- 「週に一度くらいノーメイクで休ませてあげなくては♪」
-
メイクしていなかったら、肌は休むことができるのでしょうか?本当に肌に良くないものなら、確かにそうも言えますが、大切なのは、肌が休めるものを使用すればいいわけですね。問題は、肌に適さない製品・メイク法になっていないかです。
もし、ノーメイクで休ませたら肌に良かったと実感している場合、メイクが健康な美肌作りのボトルネックになっていた可能性大です。メイク製品(or方法)を変えると、もっと肌は健康で美しくなっていきます。
- 「肌を覆うので、良くない!」
-
肌を覆うのは、化粧水や乳液・クリームも同じです。覆われた感覚が強いのは、二つの原因があります。一つはメイク製品の素材・組成、使い方がスキンケア製品と異なるからです。スカートとジーンズの違いのようなものです。
もう一つは、肌(細胞)が未熟で硬くなりやすく柔軟性が不足している時です。いずれも、肌の健康に良い悪いではなく、着心地、肌心地の問題です。肌が変わること(育つこと)によって覆われた感覚はなくなります。
- 「できるだけ、ノーメイクで肌に呼吸を!」
「パウダーは毛穴に詰まるから良くない!」 -
肌は排泄器官としての大切な機能を持っていますが、吸収機能を持っているわけではありません。もちろん呼吸もしていません。排泄機能の一つである汗や皮脂の分泌が滞るのは、肌(細胞)が硬くなった時です。毛穴にパウダー類が残るのも同じ、乾燥で肌が硬くなる、肌が未熟で硬くなる、これらが原因です。
スキンケアやメイクに汗や皮脂の分泌を止める力はありません。詰まらせているのは肌自身です。肌が育ち度を上げることによってのみ解消する問題です。
- 「汗で崩れた時の状態をみたら、きっと肌に悪いと思う……」
「メイクのせいで乾燥がひどくなっていると思う……」 -
汗で化粧が崩れると、見映えが悪くなります。肌の汚れた感覚が大きくなります。このことが肌に悪いと思う理由にしたくなるのかもしれません。確かに、紫外線防止能力も低下します。しかし、メイクが肌に悪い原因ではなく、崩れたことが化粧の良さを低下させているというべきでしょう。
メイクが乾燥で崩れた時は、素肌の時より乾燥した様子が大げさに現れて見えてしまうだけです。実際に乾燥ダメージが大きくなっているのではなく、見映えが悪く見えていても、守る力を低下させながらも乾燥から肌を守っている姿なのです。肌が育ち度を上げることによって、汗による崩れも、乾燥による崩れも小さくなっていきます。
- 「時間が経つと肌がくすんで…肌にもきっと悪い影響が……」
-
くすんで見えるのに、二つのタイプがあります。一つは乾燥して化粧した肌に透明感がなくなる時、もう一つは汗や皮脂が肌に溜まり、化粧した肌の透明度が増すことによるくすみです。肌の乾きと、肌上の水分量の変化を通した光のイタズラです。くすんで見えているだけで、肌自身がくすんだわけではありません。肌(細胞)が育ち度を上げることによって、皮脂や汗は安定し、乾燥が肌に与える影響は小さくなります。くすんで見えることもなくなってきます。
- 「ポイントメイクのカラーはどう見ても肌に悪そう……」
-
着色料には、大まかに有機合成色素、天然色素、無機顔料が多用されますが、問題となりやすいのは、有機合成色素と天然色素です。しかし、技術が進み、選別が進み、今ではスキンケア製品の素材と比較して、リスキーな面という点では何も変わるところはありません。もしポイントメイクをしている部分に肌の劣化がみられたら、それはカラーが原因ではなく、それらを落とす方法など、他に真の原因が隠れています。
いかがですか?
メイクが肌に悪いなんて言えないですね。
でも、どうして肌に悪いという感覚を持つ方が多いのでしょうか?
メイク料の長所と短所を知れば、メイク料は肌の味方です
『火のないところに煙は立たぬ』の諺通り、メイクによって肌を傷めている事実が多々あります。
メイク料は、肌の色調を整えたり、アクセントをつけたり…など、肌の見映えを良くする目的が高いものです。そのため化粧を崩れにくくする工夫が加えてあったりします。またベースメイク製品には、紫外線防止の役割を持たせたものが多くあります。
これらがもたらす長所と欠点を特性としてしっかり把握しておくことが、メイク料を肌の味方にする知識として、必須だと言えます。
代表的な例を挙げて、解説していきます。
- 耐水機能を強化したベースメイク・ポイントメイク製品の使用
-
○○コン、○○シロキサンの成分名が“上位に表示”されている製品がそうです。耐汗・耐水機能強化製品(ウォータープルーフ)です。メイク製品にはよく使用されるので見直しておきましょう。化粧持ちがよいなど良い面もありますが、肌を潤す汗までも弾くので、常用すると着実に肌は乾燥・敏感肌に導かれます。
- 紫外線吸収剤配合製品に肌が反応しているのに気づかず使用を継続
-
肌が反応さえしていなければ、全く問題はないのですが、紫外線を浴びると敏感な肌は炎症を起こしやすい仕組みの成分です。問題は炎症に気づかず使い続けて、敏感肌を進行させたり、シミを作ったりすることです。
- メイクをする毎に物理的刺激が肌を傷めている
(ブラシやパフ・スポンジ類の使用が不適切) -
これは利用素材の善し悪しもありますが、多くはテクニックの問題です。それぞれの肌にとって問題となる物理的刺激に相当するかどうかは、個々人の主観に左右されることが多く、問題を自覚していないことが多い項目とも言えます。
- メイク落としの洗浄(剤)や洗顔料の選択、洗浄法が不適切
-
ベースメイク製品、ポイントメイク製品共に、顔料や着色料が使用されるため、肌に残ると目立つからか、クレンジング料や洗浄剤の選択誤りや、洗い過ぎ、擦り過ぎによる弊害を起こしやすい傾向があります。
……等々、他にも多くの個別事例が推定されますが、上はその代表例です。
これらを言い換えると、サッポーがしばしば口にする「ボトルネック」に相当するものばかりです。
いかがでしたか?「メイクは肌に悪い!」の思いは払拭できましたか?
肌の負担にならないメイク製品・メイク法・洗浄法を選んで、メイクを毎日楽しみましょう♪
この製品は……?この方法は……?「サッポー美肌塾」の講義を読み漁っても、わからない時は、スキンケア相談室までご相談ください。
- ベースメイクやポイントメイクが肌に悪いのではなく、適した製品・方法がある
- メイクが負担に…と感じた時は、実際にボトルネックになっていることも
「サッポー美肌塾」第493号
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