ファンデーションの選び方 ~種類と特性を知ろう~

さまざまなファンデーション、どう選ぶ?

ベースメイクの中心アイテムであるファンデーションには大きく4つのタイプがあります。

  1. ルースタイプ(白粉、ベビーパウダー、ミネラルファンデetc、顔料がほぼ100%)
  2. プレストタイプ(微量の油脂を媒介に顔料をケーキ状に押し固めたファンデ)
  3. リキッドタイプ(顔料を乳液に練り込んだファンデ)
  4. クリームタイプ(顔料をクリームに練り込んだファンデ)

形状は異なりますが、様々な顔料の組合せで肌色のベースを美しく整えるのが基本目的です。

それぞれのファンデーションに個性があり、長所や短所を併せ持つのは当然だし、肌にも色々な状態があり、使用環境も異なるわけですから、様々なタイプを使い分けて楽しむのが本来の位置づけとなるアイテムだと言えるでしょう。

サッポーは、手軽で化粧直しも簡単なので、プレストタイプがお気に入りです♪でも、肌によっては、○○タイプが使いやすい、見映え良く仕上がるといった、肌の傾向が選択に現れやすいアイテムとも言え、好みのタイプが固定化する傾向にあるようです。

また、中には「使いたくても使えない」と思い込んでいる人もいます。

  • 「○○タイプでないと、きれいに見えない」
  • 「△△タイプのファンデだと肌の調子が悪くなる」
  • 「□□タイプのファンデはニキビができやすい」
  • etc…

様々な声が聞こえてきます。
ファンデーションはどのような基準で選べばよいのでしょうか?

健康で美しい肌は、いずれのファンデーションを使用しても、それぞれの特性・個性を生かした見映えの良さを享受できます。しかし、まだ良くなる途上にある肌の場合、そう上手くいきません。また、ミスマッチな選択で使い続けていると、肌の調子まで崩してしまうことだってあります。

それぞれのファンデーションに罪はありません。
ファンデーション一つひとつの長所と短所を知らずに使用しているのが問題なのです。

ファンデーションを大きく4つのタイプに分け、その特徴・特性を把握できると、肌の育ちを妨げず、やがて全てのファンデーションを自由自在に楽しむことのできる肌になっていきます。

ファンデーション4タイプの特性

ファンデーションの役割は、肌の色調を整えきれいに見せることです。しかし、ここでは見える大切な部分ではなく、隠れた大切なポイントを知って頂きます。このポイントを知っているのと、ケアにおいて、ファンデーションがネックになることがなくなります。

それぞれの共通特性

1. ルースタイプ(白粉、ベビーパウダー、ミネラルファンデetc、顔料がほぼ100%)

ファンデーションの原点と言えるものです。様々な鉱物・鉱石の微粒子パウダー(顔料)の組合せです。パウダーの組合せにより、様々な色調と、様々な光沢感を演出しています。適度にしっとりと柔らかさを持つ肌には自由自在にのり、豊かな演出も可能です。しかし、肌表面が乾きすぎると簡単に取れてしまうという欠点があります。また肌上の汗や油脂が必要以上に多くなると、パウダーが泳ぎ出し、崩れやすくなります。

2. プレストタイプ(微量の油脂を媒介に顔料をケーキ状に押し固めたファンデ)
ルースタイプファンデーションに微量の油分を添加することで、肌へのフィット性が若干強化されたものと大雑把に理解しましょう。持ち運びに便利で、外出先でも化粧直しが簡便なため、愛用者は多い。但し、崩れやすさは、ルースタイプより幾分マシかな……といった程度です。
3. リキッドタイプ(顔料を乳液に練り込んだファンデ)
リキッドタイプは油分がプレストタイプの2~3倍となり、特に保湿成分等の水性成分が大半を占めるため、塗り伸ばしやすいのが最大の特徴です。ルースパウダーを重ねやすい柔らかい状態の演出が長所です。但し、この長所は汗を捉えやすく崩れやすいという短所にもなります。
4. クリームタイプ(顔料をクリームに練り込んだファンデ)

クリームタイプの基本構造はリキッドタイプと同じで、特性も似ています。しかし、やや油分が多く水性成分が少ない分、リキッドタイプほどの塗りやすさはないが、リキッドタイプより化粧持ちがよいといった所です。

それぞれのタイプには、以上のような特性があり、その特性が長所にもなり、短所になる場合もあるということです。これらの特性は、読者にもイメージとして理解しやすいことと思います。

問題は、それぞれの短所をカバーしたり、新たな機能を追加する処置を取った製品が多くなっており、知らない内に不適切な使用法に陥っているケースが見られることです。

紫外線防止機能の付加…ここにリスクが隠れている

今では、ルースタイプからクリームタイプまで、紫外線防止機能の付加された製品が主流になっています。このUV防止には2種類の方法があり、油分の一種である紫外線吸収剤配合による防止法と、顔料の一つで紫外線散乱剤としても働く“酸化チタン”や“酸化亜鉛”の構成を増やす防止法です。

紫外線防御タイプの見分け方

上の写真で、ブルーの網掛けをしたのが、紫外線散乱剤が配合できるタイプです。全てのタイプが利用できます。もちろんUV防止機能のない製品もあるということです。

一方、レッドの網掛けをした紫外線吸収剤の利用は、リキッドタイプやクリームタイプのファンデーションに多く利用されます。プレストタイプにも稀に利用されることがありますが、紫外線散乱剤と併用になっています。しかし、油分の使えないルースタイプには紫外線吸収剤は利用されません。

ここで大切なのは、紫外線防止機能がどの程度の製品か、また、紫外線吸収剤方式か、散乱剤方式か、あるいは両剤併用方式かを明確に知っておくことです。

なぜなら、敏感さが気になる肌が紫外線吸収剤を使用した製品を日常的に使用していたら、熱刺激で弱い部分が炎症反応を起こしていることがよくあるからです。微弱な反応なので気づかず使い続けていると、この刺激の繰り返しがシミ発生に繋がります。メラノサイトがいつか突然、活性化してしまうのです。

紫外線吸収剤に罪はありません。シミの原因になりやすい美白剤に罪がないのと同じストーリーですね。軽微な炎症を繰り返していても気づかないのです。

参考:「肌に赤みや白斑が!?日本を揺るがした美白製品の話題

耐水機能強化(ウォータープルーフ)の付加…ここにリスクが隠れている

ファンデーションには、シリコン油が多用されます。パウダー(顔料)に働き滑りを良くする機能や、パウダーが汗浸しになって崩れるのを防止する強力な撥水性が利用されます。

もう一つ、肌に付着して、肌自身の撥水性を高めるのにシリコン油が使用されます。いわゆるウォータープルーフ機能です。この場合、化粧が崩れにくくなる効果が素晴らしく、紫外線防止能が維持されるので、強烈な紫外線から肌を守りたい時にはとても便利でありがたいものです。

しかし、ここにも隠れた問題が潜んでいます。肌の耐水機能が強化されると、汗による肌(角質層)への水分供給が絶たれしまうのです。日常的に使用していると、水分の少ない肌に傾いていきます。たまに、一日だけ使用する頻度なら、その都度回復するのですが、継続使用は例外なく乾燥肌を作り、さらに継続していると、必ず敏感さが伴う肌に変質していきます。少しずつ変化していくので気がつきません。

下の写真で肌に対する耐水機能を強化できる製品は、ベージュの網掛けをした製品です。でも見ただけではウォータープルーフかどうかは判りません。表示や案内をしていないものも多く見られます。使用して初めて判ります。「汗をかいても崩れにくくていいな!」と思うか、「今日一日の使用に留めないといけない!」と気づくかが、未来の肌を左右します。

耐水機能を強化した製品の見分け方

使用しなくてもおよその見当がつく見分け方は、全成分表示です。成分名がびっしりと書き込まれているトップグループに、○○コン、あるいは、●●シロキサンの語尾となるシリコン油がないかをチェックします。もしあれば、高い確率でウォータープルーフ製品です。日常使用は避け、特別な日だけの使用に限定しましょう。(先頭グループでなく、中位や下位に表示がある場合、肌に対する耐水機能強化ではなく、製品に対するものなので、全く問題なしです。)

いかがでしたか?
ファンデーションの見分け方、調べ方、選択の基準、利用の方法、確かな視点ができましたか?
もし、このような所で、肌が良くならないボトルネックを作っていたら、健康な美肌作りの成果は上がりません。

日焼け止めや化粧下地などのベースメイク製品も同じ視点でチェックしておきましょう。

参考:「べたべた・化粧崩れ・耐水機能強化製品
紫外線対策のキーポイント

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • ファンデーションの特性をきちんと理解し、使用する
  • 紫外線吸収剤配合や耐水機能強化製品の毎日使用は避ける
黒板に注目!

「サッポー美肌塾」第555号


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