角栓が気になる時、どうしてますか?
「角栓が目立って、憂鬱になる……」
「角栓が邪魔して、ファンデーションが上手く乗らない……」
角栓にも様々な状態があるのですが、ここでは誤解を避けるため、次のように想定した角栓とします。
「入浴中、いつもブツブツ・ザラザラしていた部分に白いふにゃふにゃしたものが揺れている。手で拭ったが取れない。お風呂を出てもう一度よく見たら、白いふにゃふにゃは消え、いつものブツブツ・ザラザラがあるだけ」
これは角栓の中でも、かなり目立つものです。小さな角栓だと毛穴に引っ込んで見えなくなるものが多いのです。でもこれくらいに巨大化すると、毛穴から飛び出てブツブツ・ザラザラしているのです。角栓とは、元々は連なり重なった角質が、剥がれかけているものです。そして、角質は、爪や髪と同じケラチン(タンパク質)なので乾いた状態ではとても硬くなり、トゲのようになっている角栓もあります。
そこでこの角栓を取り除こうと、登場するのが、
- クレイ(粘土)・スクラブ・酵素等を利用した洗浄剤
- 毛穴パック等のピーリング製品
- オイルクレンジング料
- 尿素配合の○○
- 器具の使用
- etc…
まだまだあるでしょう。ただ、これらは残念ながら、繰り返していると、肌の未熟化を伴い、却って毛穴は目立つようになり、毛穴も黒ずみやすくなります。ますます角栓ができやすい肌に誘導してしまうものです。さらに続けていると、過敏さが高じて、敏感肌に落ち込むことになります。まだ肌表面で働いている角質を道連れに早く剥がれることを促進しているものだからです。
でも、その場しのぎには良い方法と言えるのかもしれません。一時的であっても、感触や見映えの良い状態が作られるのですからね。ただ、サッポーはこのような悪魔の甘いささやきのような方法を勧めるわけにはいきません。多くの方がずるずると続けてしまって悲劇のヒロインになってしまうのですから……。
肌の未熟化を伴わない根本的な角栓解消法は、肌が正常なターンオーバーを行うことです。正常なターンオーバーは、肌が育つ良い環境を作ってあげることで可能になります。
角栓ができるようになった部位は未熟化が進行しているので、保湿ケアも保護ケアもしっかりしてあげることが大事です。もちろん洗い過ぎも良くありません。こんな簡単なことで良くなるように思えないかもしれませんが、必ず良くなっていきます。
角栓の場合は肌というより、毛穴壁のターンオーバーと言うべきかもしれません。毛穴壁も角質層ですが、見えない部分だから、意識出来にくい部位ですね。
でも、この部位だって、ターンオーバーを繰り返し、さらに育とうと努力し続けているのです。弱くなっている部分ですから、徹底と継続という強い意志で、応援してあげることが秘訣になります。また、ケアは簡単でも、良くなるまでに時間がかかるので、上のようなその場しのぎのケアに走る人が多いのです。取り除こうとするのは間違い、いつものケアで自然に取れていくのに任せましょう。
以上は、角栓ができるようになった肌の根本的で本格的な解消法です。
「でも、今を何とかしたーい!!!!」
この感情を否定するわけにはいきません。そこで、あっと驚く、しかし簡単な方法を披露することにします。でも教えたくない気持ちもあります。なぜなら、間違った方法で取り入れて、頑張る方が必ず出てくるからです。しかし、「何とかしたい!」の声には抗えません。
角栓をカミソリで…… ハサミで……
カミソリやハサミで、と聞くと、少し怖く思われたかもしれません。でもそんなことはありません。原始的ですが、肌を傷めず、肌が育つ邪魔にもならない方法ですから、安心して聞いて下さい。但し、条件があります。鉄則にして欲しい大切な条件、いや、テクニックと言った方がいいのかもしれません。
1.準備するもの
- 手入れされたよく切れるカミソリ
(T字タイプより、理容師さんが使っているタイプが良い) - or
- 小さなよく切れるハサミ
(赤ちゃんの爪切り用みたいなもの)
2.準備する肌状況とカミソリやハサミの使い方
- カミソリの場合
-
- 入浴して角栓をふやかし、白いふにゃふにゃになるのを待つ
- 白っぽくふやけた時がカミソリの出番
- 産毛やひげを剃るように角栓部位に刃をあて“軽く”滑らせる
これで、スパッと切り落とせます。乾くと縮んで肌は平坦になり、ベースメイクがしやすくなります。
- ハサミの場合
-
- お風呂から出て、ふやけた角質が乾きかけたところでハサミで切り落とす
(本当に乾くと、硬くて切りにくくなるので中止する)
- お風呂から出て、ふやけた角質が乾きかけたところでハサミで切り落とす
カミソリとハサミ、試して手になじむ方がお薦めです。上手く使えないとマイナスの影響があるからです。
3.注意事項
- カミソリでふにゃふにゃが上手く切れない時は深追いせず諦める
- ハサミは、紙が上手く切れるか試してから実行する
- カミソリやハサミが上手く使えない場合は、無理をせず人に頼む
鏡を見なくても髭が剃れる男性ほどに、女性はカミソリ使いになれていません。またハサミだって、顔の肌にあてて使うのは勝手が違い、難しいものです。
スパッと切れると問題ないのですが、スパッと切れない角栓は、まだ働いている角質と奥で繋がっているということなので、これを無理に切ろうとすると、毛穴パックで引きはがすのと同じ悪影響が出てしまうのです。
大切な条件、テクニックと言ったのはこの部分です。ここさえクリアできたら、その場しのぎではありますが、最も悪影響の無い角栓取りとなります。一方で、“肌が育つケア”で本格的に解消する取組をしていたらいいのです。
注意:カミソリやハサミは刃物です。肌を傷つけたり、怪我につながることがあります。十分に注意して使用して下さい。
- 角栓の根本的な解消は、肌のターンオーバーが正常になること
- カミソリやハサミで角栓が上手に切れないときは無理をしない
「サッポー美肌塾」第575号
更新
角質を大事に……でも一体どうすれば?
講義はいかがでしたか?
毛穴、ニキビ、シミ、しわ、たるみ、肌のくすみ……さまざまな肌トラブルがあり、そして、これらに対処するため、専用化粧品が数多く用意されています。
しかし、ここまで講義を読まれた方はお気付きかもしれません。
こうしたトラブルへの見た目の対処、表面的な対処も大切だけど、その「根本」に目を向けなければ、いつまで経ってもトラブル解消にはならないだろう……と。
いつしか見栄えと表面的な対処だけが、私達のスキンケアになっています。
「根本」とは、健康に育った角質で肌が作られることに他なりません。つまりターンオーバーが正常に働く環境を作ることこそ、基礎となるスキンケアなのです。(サッポーでは「肌が育つケア」と呼んでいます。)
……と言っても、正常なターンオーバーと聞いて、ピンとくる人はいないでしょう。
ターンオーバーは肌表面0.2mm、ミクロの世界で行われていることです。目に見えないばかりか、イメージすることさえ難しいというのが実感です。
角質を大事するとは、実際のところ、どういうことなのか?
正常なターンオーバーの維持とは、一体どんな状態なのか?
その答えの一端は、「スキンケアモニター」で知ることができます。
踏み出してみましょう。
トラブル知らずの美しい肌が、あなたを待っています。