見せかけだけじゃない!ずっと続く肌のハリとツヤを目指す

顔を隠す女性のイメージ

ハリのある肌、ツヤのある肌、肌の好ましい状態を表す表現であることは間違いありません。でも、この“ハリ”と“ツヤ”がどのように実現しているかを正しく知っているでしょうか?知っていると知っていないでは、その願いの実現には天と地ほどの差があります。見せかけのハリとツヤなら、化粧品の使い方次第である程度実現します。しかしすぐに色褪せるようでは魅力を感じません。

今回の講義では、肌自身に弾力がある、肌自身につやがある、本物の“ハリ”と“ツヤ”の秘密にアプローチします。

ハリとは、肌の弾力性 ~ 薄い表皮と厚い真皮が作る弾力性の秘密

肌の弾力繊維層・模式図

ハリのある肌を言い換えると弾力性のある肌と言えます。皮下組織を除いた皮膚と言えば、表皮と真皮のことで、厚みは薄い部位で1ミリ、厚い部位でも3ミリ程度しかありません。ごく薄手の段ボール程度でしょうか。

このような薄い肌の弾力がどこから生まれているかというと、皮膚の大部分を占める(約90%)真皮層の弾力繊維層の出来次第というわけです。弾力(弾性)繊維はコラーゲンというタンパク質でできた繊維で、変形しても復元する弾力性を持っています。これがハリを生んでいる原動力です。

この厚い弾力繊維層があるおかげで、ヒアルロン酸が真皮に豊富な水分を蓄え、その豊富な水分が弾力繊維を壊れないように守り、しなやかな皮膚の弾力性を維持できるのです。

このような弾性に富む真皮層が薄い表皮を支えているから、ハリを感じさせる表皮(肌)が実現可能になっているのです。それでは、ハリのある肌を目指すにはどうすればいいのでしょうか?

ハリのある肌作りはどうする?

×「コラーゲンやヒアルロン酸の配合された化粧品を使う」

保湿効果は期待できますが、真皮層の弾力性作りとは直接関係しません。肌につけたコラーゲンやヒアルロン酸が真皮層に入り込んだら、肌にとって悲劇ですからね。

○真皮層の正常な代謝活動を保証するサッポーの「肌が育つケア

外からのケアは、サッポーの肌が育つケアがもっとも理に適っています。弾力繊維にとって怖いのは、紫外線による繊維破壊や物理的な力による損壊です。多いのは紫外線ですが、中には強すぎるマッサージで弾力繊維を壊しているケースも見られます。

特別なことはしないで、基本のケアを大切に……つまり、肌が育つケアを続けていたら真皮層の良い環境が維持されると言うことです。

×「コラーゲンやヒアルロン酸を食品として摂取する」

栄養源として、何か身体の役に立つことは間違いないでしょうが、肌のコラーゲン繊維やヒアルロン酸とは全く別物です。摂取しても直接役立つものではありません。肌を支えるコラーゲンやヒアルロン酸は、肌自身が作り出しているものだからです。

○偏食をせず、できるだけたくさんの種類の食材からの食事を心がける

肌のコラーゲン繊維が作られるには、必要な種類のアミノ酸と多くの酵素、補酵素、そして、健康な肌の営みが可能な環境こそが大切なのです。ヒアルロン酸も同じです。

いかがでしたか。ちょっと拍子抜けでしたか?

肌のハリ作りは、サッポーの肌が育つケアで真皮層の育つ良い環境作りが継続されることにかかっているのです。

なぜなら、表皮細胞がすっかり新しい細胞に入れ替わるのは約一ヶ月ですが、真皮層の弾力繊維などは4・5年かかるからです。肌が育つケアができている人と、そうでない人に、いつの間にか大きな差がつくのは、このあたりにも大きな秘密があると言えるでしょう。

さて、真皮層のことばかりでしたが、表皮は“ハリ”とは関係ないのでしょうか?
もちろん関係しています。でも、この部分は“肌のツヤ”と関係するので、次に説明を譲ります。

本物のつやつや肌はすべすべ肌でもある

つやつや/テカテカな肌、すべすべ/ガサガサな肌を分けるものとは?

肌のハリを作っているのは真皮層であることを話しましたが、その成果の総仕上げをしているのが表皮層であり、特に表皮層の中でも、角質となったバリア層の部分です。なんと言っても、直接肌として触れる部分なのですから。ここがカサカサしていたり、硬くなったりしていると、いくら真皮層が健全で弾力性があったとしても、ハリがある肌とは感じられません。

もちろん、肌が育つケアで、肌の良い状態を維持できていたらこのような心配はありません。適度な水分を保ち、しなやかさが維持されていると、真皮層の弾力が“肌のハリ”として表皮に表現されるのです。表皮はこのような位置づけですね。

「ハリのある肌は適度な水分を保つ」とは、実は“ツヤのある肌”のことでもあるのです。

ところが、この“ツヤ”という言葉はよく使用されるのですが、美肌の判定基準として捉えると、誤解を生みやすく、理解に苦しむ状況がいくらでも出てきます。

肌のツヤは肌が見せる一局面に過ぎない

肌表面に水分が一定量以上保持され、肌に透明感となめらかさがあるときに、つやっぽく反射します。つまり光っているのです。これを美しい肌、好ましい肌状態というカルチャーがあります。但し、必要以上に水分があると、つやっぽいと言うより、てかりやべたつきとして嫌がる人もいます。「好ましい」と「嫌」が、どの辺で線引きされるかは主観にも左右されるので曖昧です。

一方、肌表面がもう少し乾くと、透明感となめらかさが減少します。つやっぽさも減じますが、すべすべ感が出てきます。ツヤ肌よりもこのすべすべしたマットな肌感覚を好ましい肌状態という人もいます。しかし、さらに水分量が減ると、硬さが増し、やがてカサカサ、ガサガサした肌状態が現れます。

何となく見えてきましたね。適度なツヤ感を見せる肌とすべすべ快適な肌は同じ肌です。肌の水分量の微妙な違いが作り出しているものです。

ツヤのある肌、すべすべした肌はどちらも適正な範囲の水分を保持した肌と言うことができます。よく育った肌なら、肌環境によってその両面を見せていることに気づくでしょう。肌の水分量は、汗の量と、保湿加減と、乳液やクリームによる乾燥保護の加減、そしてベースメイク顔料の吸湿性加減によって演出されています。

このように、よく育った肌ではツヤのある肌もすべすべ肌も自在に演出できますが、自在に加減できないのは、『汗や皮脂の分泌過剰が見られるようになった未熟な肌』『乾きやすくなってカサカサ・ガサガサが目立つ未熟な肌』です。このような場合は、何とかその場を繕おうとするのではなく、いさぎよく今の状態はあきらめて、肌が育つことに今後のケアを切り替えます。本物の美しい肌、健康な肌を目指すのです。

いかがでしたか?

ハリのある肌、ツヤのある肌、いずれも本当の対策は肌が育つ中で実現していきます。

講義の中で、「その場を繕うのでなく……」と言いましたが、例えば、かさつく肌なら保湿パックを毎晩2週間継続する集中ケアで、ある程度の速効の繕いを可能にしてくれます。でも、敏感さのない肌だけに許されるケアであることを忘れてはいけませんよ。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • 肌が育つ環境の下、4~5年かけて“ハリ”は作られる
  • よく育った肌は、つやつやもすべすべも可能にする
黒板に注目!

「サッポー美肌塾」第558号


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