生理前になると、肌の不調をうったえる人は多いですね。
中でもニキビ(皮脂詰まり)に悩んでいる人が大半で、サッポーのスキンケア相談室にもよく相談が届きます。
「生理前のニキビで悩んでいます。このとき、どんなスキンケアをすれば良いですか?」
「普段は肌の調子がいいのに、生理前にだけ赤いニキビができます。」
……等々。
「生理前のニキビは、できるのが当たり前」
→ 体質(肌質)だから良くならない
「生理前にニキビができたときだけ、ケアを変える」
→ 元に戻れば、いつものケア
でも、これではいつまでも同じことの繰り返しです。
毎月悩んでいる人にとって、にわかに信じがたいかもしれませんが、生理前のニキビは解消できるトラブルです。
解消するためには、生理前だけスキンケアを変えているようではダメです。普段のスキンケアで肌質自体を変えていくのです。
今回は、生理前後の肌の状態と生理前ニキビの根本的な解消法について見ていきます。
生理前後の肌に何が起こっているのか
私達の心身は、様々なホルモンの働きやそれらのバランスと密接に関係しています。生理もその一つです。
生理に大きく関わっているのは、プロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)という2つの女性ホルモンです。
これらホルモンのバランスが大きく変わる時期、つまり生理の前後1週間ほどの間に、身体や肌の調子が悪くなります。
といっても、影響を受けやすい人からほとんど受けない人まで様々、個人差が大きいものでもあります。
- 生理前のホルモン変動と肌〈黄体期〉
-
排卵後、プロゲステロンの分泌が増え、エストロゲンよりも多くなります。これは、プロゲステロンが子宮膜を厚くし、妊娠へ向けた準備をするためです。
基礎体温が高温期に入ると、むくみや便秘を起こしがちになり、イライラしたり、眠気を感じたりする人もいます。
プロゲステロンには、皮脂分泌を促進する働きもあるため、肌は脂っぽくなります。この皮脂が毛穴に詰まれば、ニキビ(皮脂詰まり)が発生するというわけです。
- 生理中のホルモン変動と肌〈月経期〉
-
妊娠が成立しなければ、子宮内膜は剥がれて体外に排出され、生理が始まります。このころ、エストロゲンの分泌が減少します。
月経痛や貧血などで体調が優れないだけでなく、肌も影響を受けます。
エストロゲンは、ヒアルロン酸やコラーゲンの産生を促すホルモンで、美容ホルモンとも呼ばれ、肌とも深い関係にあるからです。
また、プロゲステロンの分泌も急減し、皮脂が生理前に比べて少なくなります。元々乾燥肌の人は、より乾燥し、肌荒れしやすい状態になります。
- 生理後のホルモン変動と肌〈卵胞期〉
-
生理が終わるころ、エストロゲンの分泌が再び増え始めます。基礎体温も低温期に入り、心身の状態も落ち着いてきます。
肌の調子が良くなり、生理前にできたニキビも解消に向かいます。
肌への悪影響を最小限にするには
上の様なホルモンの変動は、生理が続く限り避けては通れません。大事なのは、どれだけ肌への影響を少なくするかです。
生理前に皮脂が増えるのは、仕方のないこと。つまり、どんなに皮脂が多くても詰まらない、育った肌に変えることが根本対策です。
そのためには、どうしたら良いのでしょうか。
生理前ニキビのできる肌は敏感肌予備軍
ホルモン変動の影響を受け、生理前にニキビができる人は、普段大きな肌トラブルがなくても、敏感肌に傾きつつあります。
生理のたびに、敏感になる危うい状態です。ちょっとしたきっかけで、慢性的な敏感肌に転落してしまう「敏感肌予備軍」といえます。
生理前ニキビがどのように炎症に発展するのか
皮脂詰まり(ニキビ)が発生すれば、皮脂を好むアクネ菌が増殖し、その代謝物も増えます。この代謝物を危険視した免疫細胞(マスト細胞)が、身体を守るために炎症を起こす準備を始めます。
免疫細胞が危険だと判断すれば、皮脂詰まりが赤みや痛みを伴う炎症ニキビに発展するのです。
中には、生理が終わっても炎症ニキビが良くならず、そのまま敏感肌をこじらせる人も少なくありません。炎症が起こる度に、ターンオーバーは速まるからです。
このようなことなので、生理前だけのニキビだと思って、そのときだけ対処していてはダメですよ!
敏感肌予備軍から抜け出すためには
普段から
- ニキビができていないとき(生理前以外)でも敏感肌のスキンケアをする
- 免疫細胞がちょっとしたことで反応しない、落ち着いた状態を作っておく
以上、2点を配慮した肌管理をして欲しいのです。
この解説は長くなるので、割愛します。こちらのサッポー美肌塾講義を参考にしてください。
これら講義は、敏感肌に陥ってしまった人が対象ですが、敏感肌予備軍の今から始めましょう。敏感肌に比べるとゴールはぐんと近いはずです。
敏感肌のスキンケアや肌管理を徹底すれば、2・3ヶ月で生理前のニキビができなくなります。肌がある程度育てば、ホルモンバランスの悪影響を受けにくくなるからです。
生理前のニキビができなくなれば、誰もがうらやむ美肌になる準備が整ったということです。
あなたの肌はもっとキレイになる力を秘めています。生理前のニキビで毎月足踏みを繰り返しているのは勿体ないですよ。
- 生理前ニキビは敏感肌予備軍、解消するには敏感肌対策で
- 肌が育てば、ホルモンバランスの悪影響を受けなくなる
編集後記
私も以前は「生理前はニキビはできるもの」と思っていました。でも、そうではないのですね。
最近はたまにしかできませんが、その時は「ここが育ってないよ!」と肌が教えてくれていると思うようにしています。
女性の身体は複雑ですが、その影響を受けない肌になりたいものですね。
更新
スタートを誤らない!敏感肌脱出の「鉄則」
赤みや、湿疹、アレルギー症状などの炎症が常にどこかにある…、敏感肌は実に様々な理由・きっかけで陥る症状です。
- たとえば、ニキビがいつの間にか赤みや痒みを伴う炎症ニキビに!
- ピーリングケアで、気が付けば、何をつけても反応する肌に!
- etc...
あれが良いこれが良いと聞いて、いろんな情報に振り回されて、ますます悪化させていく、どうして良いか分からず途方にくれる……。これが敏感肌の人がハマりやすいパターンです。
理由・きっかけは様々ですが、肌のバリア能が低下して、いろんな刺激やダメージに過剰に反応するようになったのが敏感肌の全てです。
このような肌が使う化粧品には鉄則があります。
「肌に浸透しにくい」化粧品で肌を守るのを、敏感肌ケアのスタートにすることです。ここを間違うと、敏感肌から脱出できません。
サッポーの「敏感肌脱出プログラム」で最初の一歩を踏み出しましょう。間違いのないスタートが大切です。
同じテーマの記事を探す⇒!