蕁麻疹が出来たら……スキンケアはどうしたら良い?

イメージ画像:肌を掻く女性

蕁麻疹(じんましん)は生涯で2割ぐらいの人が罹ると言われています。しかし発症しても短期間で治ってしまうケースが多いので、実際にはもっと罹っているとサッポーでは推定しています。

今日の美肌塾では、この蕁麻疹とスキンケアの関係について見ていきましょう。

症状と経緯

蕁麻疹のイメージ1
蕁麻疹のイメージ2

丸いのや楕円形、時にはそれらが繋がってミミズ腫れのようになるもの、また紅斑や膨疹(盛り上がり)が次々と現れ、地図のように拡がるものもあります。激しい痒みを伴うものが多く、時には熱く感じたり、痛みを伴うこともあります。顔を含め身体のどこにでもできるのが特徴です。

皮膚毛細血管周辺で見張り番をしている免疫細胞(マスト細胞)が何らかの異変を察知して、ヒスタミンを放出。このことによって血管が拡張し隙間ができて、血漿成分が血管壁から真皮層内に漏れ出るようになります。これが、赤みや表皮を押し上げる浮腫(膨疹)を作っています。ヒスタミンは痒み神経にも作用するので、激しい痒みを伴うのが通例です。

マスト細胞と痒みについて、詳しくは下記講義を参考にしてください。

参考:
「敏感肌の原因!?マスト細胞が暴走するとき」
「痒みの原因と対策」
急性蕁麻疹

様々な原因が知られているが、原因の発生から数分で現れたり、中には数秒で現れるケースもあり、少なくとも30分以内に発症するとされています。症状が継続するのは数分の場合もありますが、1~2時間で治まるものが多いようです。中には数時間、あるいは翌日まで症状が続くケースもあります。さらに、このような症状の出没が繰り返されることが特徴で、約一ヶ月以内に終息するものを急性蕁麻疹と呼んでいます。

慢性蕁麻疹

蕁麻疹症状の出没が、一ヶ月を超えて続く場合を慢性蕁麻疹と呼ばれています。しかし急性と慢性の境界は、終息までの期間で定義されているだけで、曖昧なものになっており、その症状や対策については区別する意味はないように思われます。長引くと終息するまで数年かかるものもあり、中には10年経過して、やっと終息するといったケースも多くあります。

そもそも、このようなやっかいな蕁麻疹の原因は何でしょうか?
残念ながら、根本的な原因については、明らかになってはいません。

よくあるきっかけとなる原因

(※以下、社団法人日本皮膚科学会Webサイトより引用)

食物:
  • 魚介類(サバ、マグロ、サンマ、エビ、カニなど)
  • 肉類(豚肉、牛肉、鶏肉など)
  • 卵、乳製品(鶏卵、牛乳、チーズなど)
  • 穀類・野菜(大豆、小麦、ソバなど)
食品添加物:
  • 人工色素(黄色、赤色など)、防腐剤
薬剤:
  • 抗生物質、解熱鎮痛薬、咳止めなど
植物・昆虫:
  • イラクサ、ゴム、蜂など(触れたり刺されたりして起きる)
感染症:
  • 寄生虫、真菌(カビ類)、細菌、ウイルス
物理的刺激:
  • 機械的擦過・圧迫、寒冷、日光、温熱、振動など
運動・発汗:
  • 内臓・全身性疾患:血液疾患、膠原病、血清病など
疲労・ストレス:
  • 身体的なもの、精神的なもの

上のような物・事が原因としてよく見られるというだけで、記載されたものに限定してはいけません。原因をアレルギー性と、非アレルギー性に分けた解説もありますが、あまり難しく考えず、要するに「マスト細胞が反応するか否か」の問題と解釈しましょう。

治療法

有効なのは、マスト細胞が働いて放出したヒスタミンをブロックすることです。つまり、免疫機能を抑制する方法です。症状が重厚な場合、ステロイドの内服や点滴による免疫抑制法が採用されます。

蕁麻疹の場合、皮膚疾患だから抗炎症剤を塗れば良いと思いがちですが、あまり効果を発揮することはありません。なぜなら、皮膚表面(表皮層)で起きているトラブルではなく、皮膚内部、真皮層で起きているトラブルだからです。

中心となる治療は抗ヒスタミン薬の内服になります。自分で何とかしようとするのではなく、できるだけ早く皮膚科医に診て貰い薬の処方を受けるようにしてください。

蕁麻疹の改善に、日常のスキンケアは関係ない?!

1. 痒くても掻いてはいけない!(物理的刺激を避ける)

しばらくの期間、症状が出没するのですが、すぐに薬を飲んで痒みが治まるのを待つことです。掻く行為が蕁麻疹を拡大していることもあります。表皮を通して、掻く行為の刺激が、マスト細胞に伝わり、その働きを強めるからです。

マスト細胞とは関係なく、掻くことで無傷だった表皮のバリア層が傷み、炎症反応を呼び込んでしまいます。蕁麻疹とは関係なく、トラブルに巻き込まれやすい弱い肌を作る原因になります。掻くことを中心に説明しましたが、摩擦する、叩く、圧迫、引っ張るなど物理的な力の加わることを極力避けることが基本です。

2. 冷・熱の刺激を避ける!

一度蕁麻疹を発症したら、症状が消えている時も含め、完全に終息するまでの期間は、冷たい刺激や熱い刺激を徹底して避けることが極めて大切です。通常なら、さほどではない冷たさも避けるようにします。さらに注意すべきは、熱い刺激です。火の近くや暖房の熱い送風にも注意が必要ですが、もっと注意すべきは、湯水との接触です。

40℃のお湯は『いい湯だな』の感覚が普通ですが、蕁麻疹の時には熱すぎる刺激となり、蕁麻疹の発症を促し、また治りにくくします。空気と違って湯水は格段に熱伝導率が高いので、熱が素早く、より熱いものとして伝わるからです。マスト細胞が活性化し、ヒスタミンの放出を始めたり、いつでも放出するぞという準備をしてしまうのです。

触れる湯水の適温は30℃~37℃、38℃が上限です。お風呂に浸かる場合も同様です。30℃のお風呂では寒すぎるのですが、37℃~38℃を上限にしましょう。それ以上熱くなると、暖まった血液がマスト細胞を直撃するからです。

3. 紫外線、化粧品などの侵入をさせない!

表皮は傷んでないから、何をつけても侵入しない、大丈夫なはずです。化粧品を利用していつものスキンケアを優しくを意識してつけたらよい、化粧水に、乳液やクリーム、そしてUVケアです。……といいたいところです。

しかし、表皮は大丈夫なつもりでも、真皮層で炎症が起こりかけたわけですから、表皮のターンオーバーが早まったかもしれません。これはバリア層の能力低下に繋がっていきます。あるいはまた、あなたは痒みに耐えきれず、無意識に少なからずも肌を掻いてしまい、所々バリア層を壊していたかもしれません。

こうなると、化粧品は浸透を通り越して侵入し、反応を起こしてしまうことが十分にあり得ます。といって化粧品を使わなければ、満足に乾燥から肌を守ることができません。紫外線は遠慮なく肌に侵入して破壊活動を始めます。表皮だけでなく、マスト細胞のいる真皮層にまで侵入します。

さて、どうしたものか?……となるのですが、医師が処方するのは、内服薬以外にはプロペト等のワセリンです。これを塗って保護しなさいというものです。でもこれではちょっとスキンケアとしては物足りません。ワセリンは浸透・侵入しにくいアイテムですが、柔らかさに難があるのと、見映え感触が悪いのが欠点で、しかもUVケア製品をつけにくいのも困る点です。

サッポーのお薦めは以下のような方法です。

『肌に浸透・侵入しにくいスキンケア製品で、肌の洗浄、保湿・保護、UVケアを行う。』

サッポーのオススメ!

一般的な化粧水や乳液・クリームは、肌に浸透・侵入しやすい造りになっています。蕁麻疹がすっかり終息するまで、使用は諦めます。急がば回れです。この方法が、急性蕁麻疹の収束を早める環境作りとなり、慢性蕁麻疹に移行するのを防ぐ一番の方法だと、サッポーは考えております。

いかがでしたか?

根本的な原因が不明とされる蕁麻疹ですが、医療ケアに併せて、適切なスキンケアで肌の環境を整えてあげることができたら、表皮を傷めることなく、きれいに治ります。肌は蕁麻疹の治し方を知っているのですね。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • 蕁麻疹は表皮層ではなく、真皮層で起こる皮膚疾患である
  • 治療+適したスキンケアでマスト細胞を活性化させない
黒板に注目!

「サッポー美肌塾」第238号 / 2005年10月14日 発行


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