保湿パック…してはいけない時がある

台所用のラップフィルムを使っての保湿パック、かなり有名になってしまったようです。サッポー美肌塾を創刊した2001年に初めてWeb上に紹介したものですが、それから8年余り、どんどん一人歩きして拡がっていたようです。

面倒なケアが大好きな人にはピッタリの方法です。安上がりで、しかも最高に贅沢な保湿パックですから、効果が確かだからでしょう。良いことが拡がるのは良いことですね。

でもこうなると、マイナス面も指摘しておかなくてはいけません。サッポーの誠実さが問われちゃいますからね。

「……ということは、今まで隠してたの!?」

隠してたとは…何と人聞きの悪い、折に触れて指摘していたのを、丁度良い機会をいただいたので、きちんと説明しておきましょうというのが本日の主旨ですよ。

ご愛用者の“guri”さん、タイミングよく良いご相談をいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。

保湿(パック)の功罪…罪の面を押さえておく

■ “guri”さんのご相談

> こんにちは。
> 育ってくれている肌と地道に向き合っています。そこでまたひとつ教えてください。

> ラップパックはこれからの時期もしたほうがいいのでしょうか?もしかすると美肌塾に載っているのかもしれませんが、探せなかったので、お聞きしました。

> よろしくお願い致します。

湿度と気温が高くなり、汗ばむ状況では保湿パックはしない

ラップによる保湿パックの有効性は次第に湿度が高くなってきたので小さくなってきました。また汗が肌に滲んでいることが多くなってきたら、むしろ有害な面も出てくるので、注意が必要です。

サッポーの化粧水で肌の保水状態を高めるのは、代謝環境をよくする上で有効かつ安全な方法です。サッポーの化粧水の水分は結合水です。保湿成分とセットになっているため、自由水(水や汗)のように、簡単に水分が蒸発する状態になっていないからです。

しかし、湿度が高く、気温もそれなりの高さを維持するようになると、体温調節のために分泌される汗の量が増えます。すると、この汗が肌を潤す汗ではなく、肌を水浸しにする汗として働くようになります。このような汗は自由水なので冷房空間で一休みするとどんどん乾いていきます。

肌が水浸し→乾燥→水浸し→乾燥を繰り返すと、肌自身の持つ保湿能そのものが奪われ低下してしまうのです。

このようなわけで、じめじめした日の多い初夏の季節の保湿パックは、それぞれの方の肌がおかれる環境をよく考えて、するかしないかを判定することが大切になります。化粧水や美容液による保湿加減も同じように考えましょう。

お家にいても、職場にいても、いつも冷房空間にいる方がいます。この場合の肌はいつも乾燥空間にいるわけですから、保湿パックをしてあげた方が肌の育ちには有効です。

しかし、肌が汗ばむことが多い、冷房空間にいることも多い、お家にいても、家中冷房しているわけでもないので……といった生活空間が日常になっている場合、もう保湿パックはすべきではありません。

汗ばむ肌の保湿は控えめにし、保護のケアをクリームにして汗を弾く

保湿を控えめにと言っても、アルコールの配合が多い、肌が冷やーっとするものはダメです。保湿は控えめでも、角質が剥がれやすくなります。アルコールは少なめで、さっぱりしたものがお勧めです。

梅雨時から始まり、7月・8月は発汗量の多い汗が肌に留まらない工夫をすることが大切です。大量に汗を掻いても、汗がコロコロと肌を転がり、肌に浸潤しない、肌が汗浸しにならない工夫です。

サッポーがお勧めしている方法は、乾燥からの保護ケアを乳液からクリームに変えることです。サッポーのモイスチュアクリームは適度に汗を弾き、汗が流れるように働いてくれます。そして冷房の乾燥からもしっかり肌を守り続けてくれるわけです。(べたつきやすいクリームもあるので注意)

乳液(リクイッドモイスチュア)はある程度汗ともなじみ、乾燥からも肌を守るといった役割になっています。汗の多い肌はクリームの方がより良いですね。上手に使い分けていきましょう。

汗でべたつくから、化粧崩れしないからといって、耐水機能を強化した製品を常用するのは行き過ぎです。肌の乾燥を進め、せっかくの肌が育つ夏に、肌の育ちを後退させることに繋がります。

赤みを作りやすい肌、炎症を起こしやすい肌の保湿パックは禁止

この項は補足です。汗の多い季節とは関係なく、保湿パックをしてはいけない状態の肌があることを知っておきましょう。

パックする効果とは、密閉効果によりスキンケア成分をやや過剰気味に肌(角質層)に浸透させることをいいます。通常はこの過剰が良い影響を与えるのですが、肌の未熟化がある程度以上に進行していると、バリア層(角質層)のバリア能が低下しているため、バリア層を超えて、生きた表皮細胞組織内にまで浸透します。

すると、どうなるか? どんなに良い成分も、生体組織にとっては危険な異物に過ぎません。肌が備える防御反応(免疫反応≒炎症反応)を起こすことが多くなります。

赤みが強くなったり、ニキビに炎症が起きたり、湿疹が出来たりした時はパック効果が徒(あだ)になった現れです。肌の育ちが後退するので、注意しましょう。既に炎症がある肌も、少なくともその部位に保湿パックをしてはいけません。

いよいよ始まった長い夏(※配信当時)、この夏を上手に乗り切る人は、秋に一段と育った肌を実感されるはずです。


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