夏は、本来湿度が高く、肌にとっては良い環境なのですが……それを邪魔する存在も多いのが現実です。
汗や乾燥を紹介してきましたが、今回は夏対策の最終回、紫外線についてです。
肌が育つケア…夏対策のテーマ
- 汗の効用と弊害、弊害が起こると肌はどうなる?
- 肌を傷めない、汗の弊害を少なくする3つの対策
- 肌が乾いたり湿ったり……冷房が招く乾燥への対処
- 夏の最大ダメージ?紫外線との付き合い方(今回)
夏は、誰しも紫外線を気にするようになります。7月8月に負けず、4月5月の春の紫外線量も多いのですが、ダメージを受けた時の被害は圧倒的に夏の方が大きくなります。春以上に意識して紫外線対策をしているのに……です。
それは、なぜでしょうか?見ていきましょう。
夏の紫外線被害を拡大する2つの要因
まず1つ目は、汗です。汗による化粧崩れと、汗そのものによるものです。
化粧が崩れると言うことは、ベースメイクに使用したUVケアも崩れ、紫外線がたくさん肌に侵入します。見映えだけの問題ではないのですね。
さらに追い打ちをかけるのが、汗で濡れた肌は紫外線をよりたくさん通すことです。同じように紫外線ダメージを受けても、普段の日焼けと屋外プールでの日焼けは明らかにその程度が違います。
肌が濡れていると、紫外線を散乱させずにより多く侵入させてしまうのです。汗も99%以上は純粋な水なのですね。
そして2つ目は、紫外線の強さです。
波長の短いUVB波の紫外線は冬の3~4倍になっています。波長の長いUVA波は2~3倍です。冬と比較すると数十パーセントも多いのです。
おまけに、汗の弊害で肌そのものが紫外線を受けやすくなっているのですから、受けるダメージの大きさは2倍・3倍になっています。
UVB波は肌に赤みを作り火傷させる紫外線、UVA波は将来のシミ・しわの原因となる紫外線です。それだけ、肌の健康被害も拡大させる力を持っているということです。
つまり、化粧を崩さず、肌を汗浸しにしない……これが、夏の紫外線対策のキーポイントとなります。
ところが、夏は屋外で過ごす機会が増えます。レジャー・旅行・お盆の帰省……考えただけで汗が出ます。
ここで頭をよぎるのが、汗や水に強く、化粧崩れしにくいというUVケア製品です。耐水機能を強化した、いわゆるウォータープルーフ製品です。
これで一気に解決!!……と言いたいところですが、このような製品を日常的に使用はお勧めしません。
肌を潤すという意味でも大事な汗の供給をストップしてしまうので、着実に肌の乾燥を進め、肌の育ち度を後退させていきます。
使用するなら、夏の特別な一日の使用に止めましょう。連日使用も良くありません。
このようにいくら便利であっても、肌の育ち度を後退させるのでは、そうそう何度も使用する訳にはいきません。
では、日常のケアはどうすれば良いのでしょうか。
夏のやさしい紫外線対策
汗による化粧崩れ(UVケア崩れ)対策については、前々号「肌を傷めない、汗の弊害を少なくする3つの対策」と同じなので、参考にして下さい。
ここでは、紫外線対策について解説していきます。
日常の紫外線対策はとにかく優しく!
上で、耐水機能強化製品について解説しましたが、もう一つ避けて欲しい成分があります。
それは、紫外線吸収剤です。
サッポー美肌塾では何度も触れているのですが、紫外線を防止する成分には、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2つがあります。
- 紫外線吸収剤
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陽に当たると、肌上で化学変化が起こります。紫外線のエネルギーを熱に変換するのです。このことにより、紫外線ダメージは防げるのですが、一方で肌は熱刺激を受けることになります。
これが敏感さがある肌には大きなダメージとなります。また、健康な肌であっても毎日のように使用していると、徐々に敏感傾向が現れることがあります。
紫外線からはしっかり守られるのですが、それは少しずつ、肌を傷めながら……なのですね。このような方法は、健康な肌作りの上では賛同できません。
熱といっても、肌が熱さを感じるようなものではありません。だから気付きにくくく使用を続けてしまうことも被害の拡大に繋がるのですね。
紫外線吸収剤には種類がたくさんあるので、特定は難しいのですが、製品を選ぶ際には「紫外線吸収剤不使用・フリー」などの謳い文句が目印になります。
- 紫外線散乱剤(紫外線反射剤)
-
これが、肌に負担をかけない優しい成分。サッポーもお勧めします。
酸化チタンと酸化亜鉛、主にこの2種類です。分かりやすいですね。
紫外線散乱剤は、当たった紫外線を物理的に反射し、散乱させます。また塗る量が多ければ多いほど、紫外線防止力がアップする特徴があります。
でも、汗や摩擦などで取れやすい面もあるので、こまめな塗り直しが必要です。
話は少し逸れますが、「石けんで落とせるから肌に優しい」という謳い文句のUVケア製品をよく見かけます。でも普通は、耐水機能を高めた製品以外であれば、石けんで問題なく落ちます。
紫外線吸収剤でも紫外線散乱剤でもです。こういった文句は、鵜呑みにしないで、実際にどちらの紫外線防止剤が使用されているのかをチェックする方が大事なのですね。
いかがでしたか?
肌が育つケア…夏対策のテーマ、ということで4つの講義を続けてまいりました。ダメージ上手に避けて、この夏は肌の育ちを一歩二歩と前進させましょう。
- 汗による化粧(UVケア)崩れや紫外線の強さが夏のダメージを拡大する
- 紫外線から肌を守る優しい成分は、酸化チタンと酸化亜鉛
編集後記
夏のダメージ言えば、最初に浮かぶのが紫外線ですが、これも大きく汗と関係しているのですね。
いくら優しい方法でUVケアをしていても、汗で流れてしまっては元も子もありません。上手に過ごす方法を見つけていきましょう。
「サッポー美肌塾」第374号
更新
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