前回は夏の嫌~な存在、汗について解説しました。今回は、その汗への対処方法を紹介していきます。
ある程度汗をかくのは仕方がないことなので、ここは割り切って正しい方法で対処していきましょう。対処が上手くできたら、肌への弊害も最小限でおさえることができるのですね。でも逆に対処を誤ると……。
どうすればよいのか、見ていきましょう。
肌が育つケア…夏対策のテーマ
- 汗の効用と弊害、弊害が起こると肌はどうなる?
- 肌を傷めない、汗の弊害を少なくする3つの対策(今回)
- 肌が乾いたり湿ったり……冷房が招く乾燥への対処
- 夏の最大ダメージ?紫外線との付き合い方
汗対策3つを紹介、肌に汗を溜めないためには
汗の効用と弊害を前回紹介しましたが、実は弊害を弊害として意識するのは、汗本番の夏が終わって、秋風が吹き始める頃なのです。
汗の量は急激に減少し、知らない間に汗で傷んだ肌本来の姿が一気に現れます。実際は、「夏の間に徐々に進行していた」というのが真実なのですが、気付かないのにも汗の存在があったからなのです。
このようなことにならないためにも、汗をかいている今この時季に対処することが大事なのですね。
サッポーが提案するのは、下記の3つです。
- 汗を肌に溜めない
- 汗を弾くベース作り
- 一から化粧直し
一見、簡単そうに思いますが、生活の中で実現しようとすると、これがなかなか難しいのです。注意点をまとめておきます。
1.汗を肌に溜めない
汗をかくのは避けようがない……だったら、汗が出る都度、拭き取ればいいのでしょうか?
サッポーでは、汗をこまめに拭くことをお勧めしていますが、それだけでいいのでしょうか?この「こまめに」というのにも実は条件があります。
- 保湿ケアは控えめに
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化粧水や美容液による保湿ケアは夏でも大事ですが、汗をたくさんかくことが予定されるときは、保湿能の低い(控えめ)製品を利用するか、保湿能の高い製品を利用する場合は量を控えめにします。
保湿能は空気中の水分だけでなく、汗をまず一番に捉えます。したがって必要以上の保湿ケアをすると、肌をべたつかせ、化粧崩れを促進します。
- 「こまめに」汗を拭く
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実は、汗がどんどん出てくる時は、拭いても意味がありません。
汗腺はとても余裕がある器官と案内しておりましたが、体温を冷やすための機能に逆らっても無駄な抵抗です。肌は流れるに任せましょう。こまめに汗を拭き取るのは、汗が止まってからです。この時もタオルやハンカチで優しく拭きます。拭くと言うよりも、肌にそっとあてがうだけにします。布地の吸湿力に委ねるのです。
このような肌は既に角質層が半分崩れ、未熟な角質で構成されているので、物理的な力に弱いからです。汗を満足に吸い取れないときは、タオルやハンカチを肌に当てる時間を長くしましょう。
けっして強く押さえてはいけません。崩れそうになっている角質層がさらに崩れやすくなります。
ベースメイクから始める汗対策、それでもべたついたり、化粧が崩れるときは……
では、汗対策の2と3を見ていきましょう。
2.汗を弾くベース作り
- 目指すはよく育った肌
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よく育った肌と、育ちの悪い肌とでは、汗の貯め方が全然違います。前者の角質には皮脂が角質表面にしっかりなじんでいるので、汗を弾いてくれます。
後者は角質の表面が乾いて硬いため、すぐに皮脂が浮いてしまいます。一方で汗との相性が良いので、水分を溜めやすい、つまりふやけやすくもあるのです。
でも、肌の育ちを高めるのは今日明日で出来ることではありません。次善の策を紹介します。
- クリームがおすすめ
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保湿ケアに続く、乾燥保護のケアですが、ここは乳液ではなく、クリームをお勧めします。余計にべたつきそう……に思うかもしれませんが、実は逆なのです。
クリームは油性度が高いため、汗を弾きやすく、水分を余り吸いません。乳液をつけたときよりも爽やかに過ごすことが出来ます。信じられない!!という方は実際に比較してみましょう。
- スキンケアは汗が引いた状態で
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汗をかかない涼しい場所、そして、身体の体温が落ちついて汗が流れない状態でスキンケアを始めます。
そして、各アイテムとも、しっかり肌になじませた後、次のアイテムに移るようにします。つまり、ケアとケアとの間合いをしっかり取りながら、下地作りを進めていくのです。
これで化粧乗りも良くなり、崩れにくいベースが出来ます。
- 耐水機能を強化した製品は使用しない
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いわゆるウォータープルーフ加工された製品です。日焼け止め下地やファンデーションなどのベースメイク製品に多くあります。
汗(水)を弾く力がすごく強く、汗をかいても、肌を転がるように流れていきます。夏でも、いつもすべすべ爽やか、化粧崩れもしないし、UV防止だって強力!良いことずくめ……といきたいところですが、良いのはその日その日だけです。
シリコン油で肌を覆うことにより、汗を弾いてくれるのですが、一方で肌は絶えず乾燥が進んでいきます。水分をまるで寄せ付けないからです。これでは、肌の未熟化が進行し、さらにべたつきやすく、化粧崩れする肌に変わっていきます。
長く外で過ごしたり、レジャーやスポーツを楽しむ……等、特定の一日だけ利用というのは、価値がありますが、連日使用は着実に肌を傷めていきます。
3.クレンジングからの、化粧直し
今まで紹介した注意をしていても、汗で崩れるものは崩れるし、べたつくのはある程度仕方ありません。また、いざ化粧直しをしようと思っても、あまりに崩れると手のつけようがありません。
こんな時は、一から化粧直しです。つまり、洗顔して化粧を落とすのです。洗顔と言ってもこの時、石けんは使用してはいけません。洗い過ぎを避けるために、洗浄剤を使用した洗顔は、一日に時間を空けて(普通なら朝と晩)2回までにして欲しいからです。
このような時、サッポーのような洗浄剤を使用しないクレンジングクリームが便利です。洗浄力がないので、一日に何度でも使用できます。
後はいつも通り、化粧水で保湿して肌を整え、クリーム(または乳液)で乾燥からの保護をして下さい。そしてUVケアです。
これで朝の状態にリセットされ、乾燥やべたつきも解消!UVケアも復活し、肌は元気を取り戻します。
もし、顔を洗う場所や環境が確保出来ない……という場合は、おしぼりを利用した化粧直しもお勧めなのでこちらをお読みください。飛行機に乗ったときの、内容ですが、参考になりますよ。
上で書いたように、おしぼり(タオル)の使い方には十分注意しましょう。
いかがでしたか?汗の弊害を避けるための、本格的な汗対策を紹介しました。ぜひ、夏の日常に取り入れてみてくださいね。出来ると出来ないでは、秋の肌が大きく変わってきます。
気候と同じように、爽やかな肌で秋を迎えましょう。
- 汗を肌に溜めないポイントは、保湿ケアと汗の拭き方
- 究極の汗対策は、クレンジングからの化粧直し
編集後記
汗、本当に嫌な存在です。でも、汗の拭き方やスキンケアでちょっとでも快適な状態が作れたら、その日はルンルンで過ごせそうです。
崩れたら、化粧直しすればいい!という余裕?を持つのも安心材料の一つかもしれませんね。
「サッポー美肌塾」第372号
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