様々な種類のクレンジングが販売されています。オイルやクリーム、ジェル、フォーム等々……その一つに、「ホットクレンジング」という製品があります。本日は、こちらをテーマに取り上げました。
ジェル状のものが多いので、ジェルクレンジングの発展系といってもよいのでしょう。
「温めることは身体にとって良い」というのは、広く一般化しています。美意識の高い女性なら、「クレンジングだって温かい方が肌にも良さそう」と思っても不思議ではありません。
一体、どんな製品なのでしょうか。サッポーの視点で見ていきます。
ホットクレンジング、3つの特徴とサッポーの考察
1. 温熱作用で血行が良くなる
ホットクレンジングを肌にのせて、指の腹でクルクルしていると……あら不思議!肌がほんのり温まってきます。ジェルの柔らかさと相まって、何とも気持ちの良い感触に。
この温かくなる現象、実は意外と単純な原理で、配合成分「グリセリン」の作用です。グリセリンは保湿剤の一つとして知られていますが、水と混ざると熱を発する性質があります。
なので、肌にのせると、肌上や空気中の水分に反応し、温かくなるのです。
だったら、「グリセリン配合の化粧水も温かいはずでは?」という声が挙がりそうですが、そんなことはありません。グリセリンが熱を発するのは、水に触れたその一瞬だけだからです。既にグリセリンと水が混ざっている化粧水は冷めた状態なのです。
温かくなることにより、実際に血行は良くなります。範囲は塗った部分だけと狭いですが、温熱効果をもたらしてくれるのには違いありません。評価できる部分だと思います。
しかし、敏感な肌には問題が発生することがあります。冷・熱のちょっとした温度変化を刺激と捉え、いきなり炎症・赤み・痒みなどを起こすのです。敏感肌の場合、使用を控えた方が良さそうです。
2. 温熱作用で毛穴が開き、汚れが落ちる
毛穴を開かせて汚れを落ちやすくする……昔から色んな方法が紹介されています。洗面器に熱いお湯を張って湯気を当てたり、蒸しタオルやスチーマーの利用などです。
ホットクレンジングは、ただ肌の上でクルクルするだけなので、手軽です。他に道具はいりません。
でも、実際に毛穴は開くのでしょうか?
残念ながら、普段ぎゅっと閉じている毛穴がパックリ開いたりはしません。そんなことがあれば怖いですね。
正確に言えば、温まることによって、毛穴が緩んでいる(柔らかくなる)だけです。そうであっても緩んだ部分をクルクルするのですから、普通にクレンジングするよりは多少汚れ落ちは良いと言えるでしょう。
汚れや角栓がみるみる取れるような、過大評価は残念ながらできません。
3. 洗浄力の弱めなものが多く、肌に優しい
「温熱作用で汚れが落ちやすくなる分、洗浄力は控えめ」……も、ホットクレンジングの謳い文句のようです。でも、サッポーはここに警笛を鳴らします!
洗い過ぎが良くないということは、今や常識になりましたが、洗浄力の弱さだけでは、洗い過ぎのリスクを避けているとはいえません。
多くのクレンジングに含まれる洗浄剤は、化粧や汚れにくっつき、それを溶かし効率よく落としてくれます。でも洗浄剤には、「汚れ」と「まだ働いている角質」の区別がつきません。
これら角質にもピッタリとくっつき、ジワジワと剥がしていきます。まだ必死に肌を守っているというのに……。
角質が予定より早く剥がれると、次に順番待ちをしていた角質が最表層で肌を守ることになります。まだ十分育っていない未成熟な状態なのに、です。
さらに、これが毎日繰り返されると、肌の育ちは低下し、未成熟な角質ばかりで覆われた肌になります。すると乾燥・紫外線、あらゆるダメージに弱くなって、様々なトラブルに見舞われるようになるのです。
これが洗浄力のあるクレンジングを毎日使う怖さです。
洗浄力が控えめだったとしても、トラブルに見舞われる時期が少し遅くなるだけで、結果としては同じリスクを抱えていることになります。
次項では、もっと簡単でリスクのないクレンジング方法を紹介します。
サッポーのおすすめ、理想のクレンジングとは!
クレンジング方法
血行を良くし、毛穴を緩ませるのは、ホットクレンジングを使わなくても簡単にできます。
むしろ、もっと良い効果が得られるのは、お風呂でクレンジングすることです。熱い湯ではなく、38℃~39℃のぬるめの湯にゆったりと浸かりましょう。
顔だけでなく、全身が温まり、血行が良くなります。冷え症対策にも良いですね。リラックス効果も得られます。
さらには、毛穴も緩み、汚れが落ちやすくなります。肌がしっかり水分を吸い、柔らかくなった状態で行うのがポイントです。
入浴しない日や朝などは、クレンジング前にぬるま湯で予洗いをたっぷりするだけで、ホットクレンジングと同様の効果があります。化粧や汚れもある程度落ちるので、クレンジングの量も少なくても済み、経済的です。
クレンジング料
理想のクレンジングは、洗浄力の全くない製品です。なおかつ、化粧や汚れが落ちる製品が良いですね。
それらをどのように確かめるのか?といっても、成分表を見ても区別はつきません。
実際に使って肌にオイルが残るもの、ふきとりクリームやマッサージクリームとしても使えるものであれば、洗浄力がないと見て、おそらく大丈夫でしょう。でもコットンで拭き取ったり、強いマッサージは肌を傷めるのでご注意ください。
また使い勝手と、使い心地の良さは、クレンジングによってピンからキリまであります。昔はコールドクリームが主流でした。洗浄力はないですが、洗い流しても肌にべったりクリームが残りました。
毎日のクレンジングには、洗浄力がないだけでなく、使用感の良いものを選びたいですね。
手前味噌になりますが、サッポーは洗浄力のないクレンジングクリームを用意しています。洗浄剤は使わずに、優しく汚れを浮かします。
しかもコールドクリームのような残り方はしないので、心地良く使えます。有名な化粧品メーカーであれば、同様の製品を一つは用意していると思います。
いかがでしたか?
ホットクレンジングについてサッポー流に解説してみました。
洗顔は最初に行うスキンケア。ここで肌の育ちを妨げる障害は作りたくないですね。
- ホットクレンジングに温熱効果はあり!でも過大な期待はできない
- 問題は弱くても洗浄力があるところ、理想のクレンジングは洗浄力なし
編集後記
温まることの効用はよく言われますが、クレンジングにまで派生しているのですね。確かに一定の効果はあるのでしょうが、足を引っ張る部分があるというのが気になります。
毎日のことですから、リスクのない製品を選びたいですね。
更新
出来てるようで、出来ていない……“洗い過ぎない洗顔”
サッポー美肌塾では、洗顔による皮脂や汚れの「取り過ぎ」「洗い過ぎ」に警鐘を鳴らしています。でも、これは今では常識になってきました。しかし「洗い過ぎない洗顔」の出来ている方はごく少数です。
- 「もしかして私の洗顔も、“洗い過ぎ”なの?」
- 「洗浄力の弱いクレンジングなら、大丈夫なのでは?」
どこからが洗い過ぎなのか、ハッキリとした判断基準が無いので、次々と疑問や不安が湧いてきます。
洗い過ぎにならないためには『洗浄力』と『手指の力加減』がポイントです。
- 洗浄力の無いクレンジング料
- 界面活性剤が肌に残らない洗顔料
- 手指と肌の摩擦で汚れを取らない
これらが揃って“洗い過ぎない洗顔”だとサッポーは解説しています。
サッポーのクレンジング料も洗顔料も、上の条件を満たしています。あとは力加減を調節するだけ。
洗顔は、毎日行うスキンケアです。小さな変化の積み重ねが、大きな変化に繋がります。良い洗顔を選びたいですね。