プラセンタは、紀元前から医療や美容に利用されていました。

クレオパトラや楊貴妃など歴史上の人物が使用したと言われたり、そして最近では芸能人も愛用しているなど、話題に欠くことはありません。

サッポーに先日このような相談が届きました。

プラセンタ注射を実際に試した人の話となると、確かに気になるものです。プラセンタとはどんなもので、どのような効果があるのでしょうか？

サッポーの視点で解説していきます。

プラセンタとは“胎盤”のことで、妊娠中だけに形成される臓器です。胎児が育つのに必要な酸素や栄養を届け、胎児の排泄物を回収しています。

この臓器は１０数種のアミノ酸をはじめ、ビタミン・ミネラル・酵素等、栄養の宝庫です。

プラセンタは、哺乳類にしか存在しません。しかし、魚類の卵を包んでいる膜や植物の種を覆う繊維質なども、プラセンタに似た役割を持つということで利用されるようになりました。

それぞれ「動物性プラセンタ」「海洋性プラセンタ」「植物性プラセンタ」と呼ばれています。

医療や美容においては、胎盤そのものではなく、化学的に抽出したエキスが使われます。いわゆるプラセンタエキスです。

いずれにしても、命を育む宝庫から抽出されるのですから、魅力あるものに違いありません。

次項では、冒頭の相談を含め、美容目的のプラセンタについてさらに詳しく見ていきます。

プラセンタエキスの「血行促進」「抗酸化」「線維芽細胞増殖」作用から、シミ・くすみ・しわ・ハリ・肌荒れ・アレルギーなどに効果があるといわれています。さらには、疲労回復や肩こり・筋肉痛・自律神経失調症などなど……。

しかし、本当にこのような効果があるかと言えば、実績データに乏しく、よく判っていないのが現状です。もし効果があったとしても、プラセンタのイメージによる心理的効果の方が大きいように思います。

それに、本当に効果が顕著であれば、プラセンタエキスに含まれる何が効いているのかが解明されるはずです。そうなれば、さらに効果的で、安全・安価な成分として利用されるでしょう。

現代科学において、プラセンタエキスは、「○○に効果あり」といったものではなく、総合栄養食や万能薬のように位置づけた方が良いでしょう。

但し、化粧品成分のプラセンタエキスは保湿剤として働きます。コラーゲンやヒアルロン酸と同じで、肌を潤すことには一定の評価を与えてよいと思います。