肌を美しくさえすれば、健康になっていると単純に考えると、あとで過ちに気づくことになります。
前回の、見栄えの悪くなった角質を取り除き、肌の美しさを得ようとする方法がそうでしたね。手っ取り早く美しさを現すことができますが、肌は不健康になっていきます。
本物のスキンケアは、肌を健康にすることから始まります。健康な肌は強くなり、同時に美しさを伴うのです。
では、どんな風にケアしていけば良いのでしょうか?
角質は剥がさない方が良いと分かった!では、スキンケアは?
1.肌(角質層)の変化に早く気づく
小さな変化から、かなり進んだ段階までありますが、いずれの場合も早く気づくのが基本です。1日の遅れは回復を10日遅らせ、10日の遅れは回復を1ヶ月遅らせます。
- 段階1:角質層表面を傷めた状態、角質の水分が少なく剥がれ易くなっている
-
- いつもより洗顔後のつっぱり感を感じる
- 今日は化粧のりが悪い……
- 柔らかさがなくなって、以前より肌の硬さを感じる
ここで気づくのが、責任ある肌の管理者。
この段階なら回復は2~3日。美肌を損なうことなく、維持できます。 - 段階2:角質層全体がやや未熟な角質で構成された状態、角質が剥がれ易いため、表皮の角化も早くなっている
-
- 肌がカサカサする
- べたつくのに乾燥を感じる
- 何となくキメが粗い、毛穴が目立ってきた
ここで気づけば、回復に1ヶ月は必要です。
- 段階3:表皮のターンオーバーが猛烈に早くなった状態、肌を構成する角質がかなり未熟で縮み硬くなっている、悪循環を繰り返している
-
- 粉ふき・皮むけ・かさつきなどが目立つ
- 角栓や皮脂詰まり(ニキビ)等が出来、キメが粗い
ここで気づけば、美肌を取り戻すのに、数ヶ月の覚悟が必要です。
しかし、適切なケアが出来たら、1ヶ月ごとに肌の変化を実感することができます。
2.角質剥がれを促進するスキンケア製品を避ける
- クレンジングに洗浄剤を使用したもの
- 石けん以外の洗顔料
- 不要な角質、老化した角質、古い角質を取り除くなどと謳う製品
- 美白効果などを謳った医薬部外品
- 肌へのフィット性が高く、汗や皮脂で崩れない…等、耐水機能が強化された(ウォータープルーフ)製品
- 紫外線吸収剤を使用した紫外線防止効果の高い製品
以上が、角質剥がれを促進する製品の代表です。
本当の角質ケアを目指すなら、日常的な使用は避けるべきです。
3.それぞれの肌環境に合わせた適切な保湿と保護を行う
ダメージを受けた肌、トラブルを抱えた肌は、ターンオーバーは早くなって、水分保持力が低下しています。また、様々なダメージに弱く、護りを必要としています。
この保湿・保護の適切さが、角質を守り、新しく作られる角質がより優秀になる手助けをするのです。
※トラブル毎の具体的な製品の選び方は、他のサッポー美肌塾講義を参考にしてください。
正しい角質ケアの原則を大まかにまとめると、上記の三つの観点となります。
そして、このようなケアを続けると、ターンオーバーは徐々に正常化していきます。
次回はターンオーバーを乱す“角質のはがれを促進するもの”に焦点を当てて、詳しく見ていきましょう。
- 肌の変化に気づくき、すぐ対処することで回復は早くなる
- 角質剥がれに繋がるケアを止め、適切なケアを
編集後記
もっと早く気づいていたら……は、肌でなくてもよくあること。確かに後悔先に立たずなのですが、肌の場合は、いつもターンオーバーを繰り返しているので、意外と早く回復に向かいます。
毎日見ている肌だから、変化に気づくのも簡単ですね。あとは、適切に対処する方法を身につけるだけです。
「サッポー美肌塾」第86号 / 2002年8月16日 発行
更新
スキンケアモニター
同じテーマの記事を探す⇒!