今回は、運動不足解消のため、好きな水泳を始められた、Kayoさんのご質問を紹介します。
“Kayo”さんのご質問・相談
質問は、水泳後の肌のお手入れについてです。
最近運動不足解消の為、スポーツジムのスイム会員になりました。昔から泳ぐのが好きで、トレーニングマシンなどよりも長く続けられると思って入会しましたが、ふとプールの水のことが気になり出しました。プールには消毒のために塩素がたくさん入ってますよね?やっぱり肌には良くないと思うのですが、健康や身体のラインを整えるためにも、どうにか続けていきたいと考えています。なるべく、その影響を受けない(あるいは残さない)ためには、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか?入浴施設も整っているので、すぐに身体を洗うことができますが、その後のお手入れは通常通りで良いのでしょうか。
Kayoさん、ありがとうございます。運動不足解消にスイム会員になったのはいいが、塩素の入ったプールの水に触れることに、ちょっぴり疑問と不安が湧いてきたとのことです。
ご質問は、「水泳後の肌のお手入れ」ということでしたが、泳いでいるときだって注意すべきことがあります。
トータルな視点から、ポイントとなるところをアドバイスとしてまとめました。
肌にとっての、水泳の功罪を知る
水泳が健康に良いのは、無条件に納得できます。しかし、「プールは塩素が強化されてるそうだし……」「長く水に浸かっていることは肌によいのだろうか……」など、疑問や不安が湧いてきてもおかしくありませんね。
そうなんです。水泳という行為の中には、肌によいことも、悪いこともあります。悪いところを知り、肌が悪影響を受けないようにすれば、水泳による健康作りはきっと美肌作りにも繋がってきます。泳ぐということをトータルに捉え、肌にとっての功罪を知り、対策にしていきましょう。
水泳の運動効果
理想的な有酸素運動ですね。プールという大きな設備が必要ですが、陸上の運動に比べ、筋や関節に過剰な負荷をかけずに筋を鍛えることができ、心肺機能を高める効果は誰もが知るように折り紙付きです。
普段使用しない筋肉を初め、全身運動となるため、ダイエットやシェイプアップの成果を求めることも出来る安全なスポーツというわけです。
美肌のもとは皮膚が健康であることですが、皮膚の健康は身体の健康が基礎になっています。水泳が美肌の秘訣になってもおかしくはないはずですね。
水に触れること
体温より低い水が肌に絶えず触れるのは、肌にとって大きな刺激となります。プールの水温なら悪い刺激ではなく、理想的なマッサージ効果を生む刺激です。水温と水圧と水との摩擦が生み出す優しい刺激です。
毛細血管が心地よく刺激され、血管の発達と強化を促し、肌の血液循環がよくなります。
呼吸
水泳はプール水面上のきれいな空気の中で、リズムを持って大きな呼吸を続けます。この呼吸法の繰り返しが心肺機能を高め、血液の循環を促進し、身体中の細胞の代謝活動を活発にしています。肌にも良い影響を与えるものです。
このように見てくると、肌にだって良いことばかりですね。といって、すぐ肌に効果が現れるようなものでないのも確かです。健康作り、スポーツの効果などは継続という努力の中にあるんですね。しかし、着実に成果は現れてきます。
では功罪の、罪の方はどうでしょうか。対策も併せて考えていきましょう。
傷つきやすい、水にふやけた肌(角質層)
もっとも注意していただきたいのが肌との摩擦です。サッポーがいつも言っている美肌作りの障害=角質剥がしに繋がらないようにすることです。
泳いでいるときの肌は、水との優しい摩擦があるだけですので、何も心配はありません。しかし、泳ぎと泳ぎの合間、プールサイドで、あなたの肌は何と触れるでしょう。
長く水に浸かった肌の角質は豆腐のように柔らかく、傷つきやすくなっていることを忘れないでほしいのです。もちろん剥がれやすい状態でもあります。
- 1. 泳ぎ終わった直後、手で顔を擦っていないか
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練習・トレーニングの間に、何回濡れた顔を指や手の平で擦っていたら……目や鼻・口周りがその犠牲者になっています。
顔に手を触れない、ということは多くの人が難しいでしょう。そうであれば、このときのポイントは強く擦らないということです。
出来れば押さえるだけで済ます術を会得しましょう。意識すれば無意識に出来るようになっていますよ。
- 2. タオルの使い方に、優しさを忘れていないか
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タオルの使用も多いはずですね。上の手指で顔の水を拭うより回数は少ないかもしれませんが、下手なタオル使用の弊害はより大きなものになります。タオル繊維はいくらソフトなものでも、濡れてふやけた角質よりは遙かに硬いものだからです。
この二点が水泳をしているときのポイントです。
無意識に行っていることばかりだと思われます。良い習慣が身に付くまで、徹底して角質のことを意識するようにしましょう。いざお手入れを!というときには美肌ケアを心がけていても、生活スタイル・習慣の中に、無意識に肌そのものを壊し、傷つけていることがあるのですね。
塩素の害
塩素の害はそんなに深刻に心配するようなものではありません。もちろん、塩素は使い方によっては猛毒ですが、最近の室内プールの塩素管理(水質管理)はずいぶん良くなっているのではないでしょうか。
多くの人が利用するプールではアンモニアなどが塩素と結合しやすく、このような結合塩素が多いと強い刺激を与えるのですね。利用者の多くが目を真っ赤にしているなどは、良い水質管理がされているとは言えません。ここでは普通に管理されているプールということにします。
- 対策はぬるま湯シャワーをゆっくり浴びるだけでOK
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代表選手を目指すスイマーのように、毎日何時間もプールの水と接する髪の毛は、塩素により、黒いメラニンが少なくなり茶色っぽい髪になってきます。しかし、肌も黒いメラニンが少なくなって白くなるかというと、そんなことはありません。肌は髪のキューティクルのように隙間だらけではなく、角質と角質はセラミド等の細胞間脂質によってピッタリ密閉されているからです。
シャワーを浴びるだけ、肌にぬるま湯を流すだけで、簡単に塩素の悪影響はなくなります。水質管理の悪い、塩素が残りやすい水質であったとしても、少し長めにシャワーを浴びるとまず問題はないでしょう。
泳いだ後のケアで大切な点
- 注意1
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泳いだ後、洗顔料を使用しての洗顔はすべきではありません。いかに優しい洗顔料でも洗いすぎの弊害が心配です。そのまま化粧水から始めましょう。
洗顔しないと気になる……という方は、洗浄剤の含まれていないクレンジング料を利用しましょう。一日に何度使っても弊害はないので、安心です。ほとんどのクレンジング料は洗浄力があるので注意しましょう。
- 注意2
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濡れた状態で肌が乾く空間(プール室内以外)に長居するのは肌の体力(保湿能)を低下させます。必ず優しく水分をふき取って過ごすようにします。出来るだけ早く、スキンケアを済ませ、衣服を身につけることが望ましいですね。
プールの後、お風呂に入る場合も同様の注意が必要です。
水泳は、肌にとって危険がないとは言い切れませんが、防ぐことは簡単です。この危険をいつも避けることが出来る人と、そうでない人では大きな違いが現れてくるというわけです。
Kayoさんにおかれましては、水泳を通して、より一層美肌を育てていただきたく思います。応援してますよ!
今回は、スポーツジムやスイミングスクール、つまり紫外線の心配がない場面を想定した解説になりました。でも、夏場は海や屋外プールに行くこともあるでしょう。このときは、上記の注意+紫外線の注意が必要ですよ。
参考:「海やプールで…紫外線対策」
- 水泳は、肌への弊害もあるが、対策すれば大丈夫!
- 水泳後は、早めのタオルドライと適切なケアを
「サッポー美肌塾」第198号
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