2月~3月の気候を表すのに「三寒四温」という言葉があります。
3日間寒い日が続くと、次の4日間は寒さが緩み、そしてまた寒くなる……この様に7日周期で寒・暖が交互に訪れる季節だとされています。
と言っても南北に長い日本列島、地域によって様々です。でもいずれにしても寒・暖が繰り返されることに違いはありません。
するとスキンケア相談室にある現象が見られます。寒さの緩む日が多くなると、相談の件数が増えるのです。
「暖かく過ごしやすいはずなのに、トラブルが起こるの??」
そうなんです。状況をよく聞いてみると、まさにこの早春の時期、「気候が仕掛ける罠」に嵌まっているのです。
「気候が仕掛ける罠」…2月編
大寒の節気が終わり、立春を迎える2月ですが、実際は一年の中で寒さ・冷たさが最も厳しくなる季節です。こんな時に寒さの緩んだ日が少し続くと妙に嬉しくなって、無意識にガードが甘くなり、平気で風に頬をさらしたりしてしまいます。
また「温」と言っても暖かさに嬉しいのは、私達の思いだけで、肌は寒さや乾燥にさらされています。冷気は、肌の毛細血管を萎縮させるには十分です。代謝活動が停滞する「寒」の季節には違いありません。
まだ季節としては冬なのに、暖かい日があるとつい気が緩む……この寒・温の揺さぶりこそ、早春の「気候が仕掛ける罠」なのです。
そもそも冬は、肌が育つ環境として、芳しいものではありません。せいぜい“現状維持”で良しとしなければいけない季節です。なので、ほんの少し暖かくなったからといって、油断しているとダメージを受けてしまうのです。
さらに、この罠は巧妙さを増して3月に続きます。
「気候が仕掛ける罠」…3月編
3月は2月よりさらに油断しやすい月と言えます。それは2月より暖かくなるからです。それだけではありません。
寒さに耐えてきた私達には、春の陽射しは気温以上の暖かさを感じさせてくれるため、開放的な気分が次第に高まっています。心と身体はすっかり春の気分!
ところが、一日の気温差が大きく、肌をより乾燥させやすい環境になっています。それに加え、三寒四温の7日周期ではなく、寒・温に雨の日や風の日が加わって、目まぐるしい気候変化が繰り返されます。
これが3月の気候の特徴です。
この後さらに、
- 紫外線はどんどん強まって……
- 戸外で過ごす時間が多くなり……
まだまだ油断は禁物ですね。
いかがでしたか。
早春の「気候が仕掛ける罠」、理解頂けましたか?
この様にして、ようやく肌が本格的に育ち始める春の季節を迎えます。
その時有利なスタートラインに立てるように、これからの過ごし方・肌との接し方を意識しましょう。
具体的なケアについては、美肌塾の講義を参考にしましょう。
参考:「冬のスキンケア」の講義
- 2月・3月、早春の肌環境を理解しよう
- 暖かさに油断せず、冬のスキンケアを続ける
編集後記
寒い中で少しでも暖かい日があれば、気持ちも明るくなります。外出も億劫ではなくなり、風や寒さ対策のマフラーやマスクを忘れることも。
でも、肌の立場からすれば、まだまだ冬……しっかり護って欲しい季節なのです。いつでも肌の声に耳を傾けられるのが、スキンケア上達の道なのかもしれません。
「サッポー美肌塾」第255号
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