シャンプーは頭皮をマッサージするように……は間違いです!

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本日は、前回に続き、髪の話です。その中でも洗髪(シャンプー)についての講義をいたします。

洗髪もスキンケアと同じで「これがいい!」「あれがいい!」と様々に言われます。その中で「髪より頭皮を洗うのがポイント!」というのがあります。

  • 髪を作る頭皮はいつも清潔で良い状態に
  • 頭皮も顔と同じ、古い角質はきちんと落とすべき
  • フケや臭いは、頭皮の洗浄に問題がある
  • 毛根に皮脂が付着し、べたついている
  • 頭皮マッサージで血行をよくしましょう

等々……この様な理由らしきものが並んでいると「髪より頭皮の洗浄が大切」と思い込んでも不思議ではありません。

でも、このような思い込みが、いつか小さな問題となり、次第に膨らみ、大きな障害に成長していきます。

洗い過ぎによる弊害です。頭皮にも髪にも、洗い過ぎの弊害が出てくるのです。

洗髪の正しい視点とは

髪も頭皮も清潔にすることは基本です。ただし、“清潔”という解釈を“汚れの全くない状態”として実現しようとすれば、肌は壊れてしまいます。

洗い過ぎは汗や皮脂を活発化させ、ターンオーバーが早くなり、未成熟な角質の頭皮を作ります。多少の汚れがあっても健康が維持出来るというのが、皮膚なのです。

また洗い過ぎと言っても、自覚のない方が多いかもしれません。普段から使っているアイテムや手指の使い方が間違っている場合が多いのです。

頭皮や髪の汚れは、ざっと水で流すだけでもある程度取れます。必要以上に強い洗浄剤を使用したり、頭皮をマッサージするように洗う必要はありません。むしろ汚れは取りすぎないことの方が大切なのです。

そして顔の肌と同じ、皮脂や汚れが貯まらない、皮脂や汚れが簡単に取れる頭皮や髪に育てていくことが本質です。

髪も頭皮も“適当に”清潔な状態にあれば良いのですね。

洗い過ぎによるトラブル色々

フケ
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フケは、そのほとんどが洗い過ぎによって起こっています。物理的に剥がれ、剥がれることによって、頭皮はどんどんと新しい角質(フケ)を作ろうとします。

これらは間に合わせの角質なので、またすぐに剥がれ、いつまでもフケが目立つ状態が続きます。古いのではなく、まだ新しく未成熟だから、すぐに剥がれるだけです。健康な頭皮なら、フケは見えない大きさで自然に剥がれていくのです。

臭い

頭が臭うと、洗いたくなるのは自然な感情の流れです。そして、洗うと一時的に臭いが消えます。しかし、時間が経てば元通り。そして、さらに一生懸命洗ってしまう……。

それではいけません。頭皮や髪に臭いが発生するのは、頭皮に住んでいる皮膚常在菌が汗を伴って作り出したり、皮脂の酸化によるものです。

そして、これらの主な原因も洗い過ぎです。洗い過ぎによって、汗や皮脂が過剰に分泌されるようになるのです。

汗が増えれば、一部の臭いの原因となる菌が勢力を増し、皮膚常在菌の構成が崩れてしまうのです。また皮脂が増えれば、当然酸化するものも増えます。

べたつき

また汗や皮脂が増えると、べたつきも感じるようになります。

よくマイクロスコープで毛根を写し、皮脂を強調する画像がありますが、実際は汗と皮脂が混ざったものです。しかも大量の汗に微量の皮脂が混じっています。

べたつきの基剤である汗は99%以上が純粋な水なので、そんなに強い洗浄力がなくても落とすことができます。

適度な清潔を保つには?

清潔という言葉が一人歩きを始めると、洗顔と同じで、洗い過ぎ現象が起こり、頭皮も髪も傷めてしまい、かえって清潔を維持できない頭皮になっていきます。

洗い過ぎにならず、適度な清潔を保つ頭皮にするためには、シャンプーの選択と洗い方がポイントとなります。

シャンプーの洗浄剤と洗い方

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まず、シャンプーの洗浄剤は、アミノ酸系のものを選びます。洗浄力が控えめなので、毎日使用しても洗い過ぎにはなりません。

そして、洗髪は頭皮をマッサージするように指の腹でゴシゴシするのではなく、髪だけをフワフワと洗うようなイメージで行います。

何か物足りない!程度でよいのです。それだけでも十分髪も頭皮も清潔な状態になっています。清潔すぎない、適度な清潔が保てるのです。

また髪を触るだけで、頭皮にとって十分なマッサージになります。頭皮に手指を沿わせるようにして洗う必要はありません。

このような洗髪を続けていると、一時的にフケが増えるときが現れます。肌で言う過渡期の現象と同じです。

ここで、諦めて元のシャンプーや洗い方に戻してしまってはいけません。フケが増えてもじっと耐えて続けましょう。その後は、健康な頭皮が待っています。健康な頭皮の元で育つ髪は美しいですよ。

読者の皆様はぜひ、このような髪・頭皮を目指して下さいね。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • 自覚のない洗い過ぎは、様々な髪トラブルを生む
  • 穏やかな洗浄剤で、頭皮を洗うのではなく「髪」を洗う
黒板に注目!

編集後記

洗い過ぎというと、強い洗浄剤や頭皮へのゴシゴシを想像しますが、そうではありません。私達が毎日無意識のしていることも洗い過ぎになるのですね。

アミノ酸系のシャンプー+髪をフワフワ洗う、を毎日の習慣にしましょう。物足りなくてもこれがベストです。


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