今回のテーマは、髪の傷みです。
髪は傷めてもすぐに文句を言いません。なので傷めたことに気が付かず、さらに傷め続けているケースが多くあります。
傷みが見て触って分かった時には、かなり進行しています。そこで慌てて、ヘアケア製品を見直したり、美容院に行ったりするのですね。
男性の場合、女性よりも短髪なので、このような経験は少ないかもしれません。でも、女性にとっては2年、3年と長~~~いお付き合いとなる髪ですから、普段から傷みと向き合わないといけません。
髪の毛の構造は?
目に見える私達の肌は、死細胞の積み重なった角質の層です。バリア層とも呼ばれ、表皮細胞が変化したものです。
一方、髪の毛はどうかというと、実は肌と同じです。
表皮細胞(毛母細胞)が日々作り出す角質が髪の毛なのです。形状や構造は大きく違うものの、材質は同じケラチン質(蛋白の一つ)で、肌よりやや硬めです。
肌の角質が生きた表皮細胞にピッタリと密着して層をなしているのに対し、髪はその根っこのところで生きた毛母細胞(表皮細胞)と繋がっているだけで、髪の毛は全て自由にふらふらしています。
このことが傷んでも気が付かない理由かもしれません。肌の様に密着していないため、傷みがダイレクトに伝わらないからです。
髪の毛は乱暴に扱われても、痛いなどと文句の一つも言いません。これが肌だったらどうでしょう?強く擦ったり、掻いたりすれば、赤みや痛みで文句を表現します。
実際は、最表の肌は死細胞なので痛みを感じません。でもすぐ下にいる生きた表皮細胞はカンカンに怒っています。
ただ肌と比べて圧倒的に数が少ないため、毛母細胞のそれが聞こえないだけです。聞こえないだけで、毛母細胞もカンカンなのです。
毛母細胞が悲鳴を上げる原因とその対処法
髪の毛が受ける乱暴な扱い、例えば、
- パーマ
- カラー
- 洗い過ぎ
- 擦りすぎ
- 乱暴なブラシの使用
- 高熱なドライヤー
- 寝相の悪さによる髪同士の摩擦
- ……等々
私達が傷みを感じなくても、髪は外部・内部供に次第に損壊が進行しています。その結果、髪の保水力が小さくなっていきます。スカスカの髪になっていくのです。ヘアケア剤を髪の表面を塗っても中味はスカスカです。
この様な髪は、静電気を帯びやすくなり、毛母細胞を傷め衰退させます。かといって、静電気を避けた生活はなかなか難しいものです。
細毛や枝毛、抜け毛、切れ毛、薄毛…等々にお悩みの方は、まず上のような髪へのダメージを極力減らしましょう。
そして、すでに傷んだ髪へのケアは、トリートメントで髪内部を修復(たんぱく質を補う)し、保水力を持たせることです。そして髪外部(キューティクル)を油脂類(コンディショナー)でコーティングし、良い状態を維持することが基本です。
そして、トリートメントで保水力のある状態を維持しながら、毛母細胞の体力回復を図り、強い髪が育つ環境作りを維持することが長期的な対策となります。
髪自身が保水力を持つ状態になれば、トリートメントの頻度を減少させ、防御的な使用に変えることが出来ます。
今回は髪が抱える大きな問題と、その対応策の基本だけをお話ししました。
次回は、ヘアケアにとって間違いが多い洗髪についてお話しすることにします。
- 髪の痛みは毛母細胞に伝わり、髪の傷みとなる
- 髪の傷みには、トリートメントで補修し、油脂で保護するが基本
編集後記
髪の毛はトラブルが起こった時には、もうずいぶん前から傷つき、毛母細胞も憤慨しています。
なので、普段から髪を労わることが大事です。そして、傷んでしまった時は、少しでも今ある髪を長持ちさせるため、修復を繰り返しましょう。それが、髪へのせめてものお詫びです。
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