くまとの付き合いがある人は意外に多いですね。目元から目の下辺りに、歌舞伎役者の隈取りほど明瞭ではありませんが、暗い影のように肌色がスポットで黒っぽく見えているものが一般的です。
弱々しく可憐に見せる効果もありますが、暗く病的に見えなくもありません。動作や表情の方が他人に与えるインパクトは余程大きいので、本人が気にしなければよいのですが、気になり出すと嫌で仕方なくなったりします。
「目の下のくま、さて、どうしましょう。」
これが今日のテーマです。
テーマに入る前に、誤解があるといけませんので、シミとの区別をつけておきましょう。
シミがくまのように見えている場合
- 淡い褐色のシミが多い(茶ぐまの愛称もあるがシミです)
- 何かが原因でメラニン生産量が多い状態で固定化
- 紫外線よりも、物理的刺激やストレスが背景になっていたことが多い
- 稀に真皮層にメラニンが落ち込み灰紫っぽい色のあざの一種もある
シミか?くまか?の見分け方
- あざも含めシミの場合、色味が変化しない
- シミの場合、境界が明瞭に見分けられる
- くまの場合、光のあて方で見えなくなったり濃く見えたりする
- くまの場合、指で押さえると消えて見えなくなる
シミやあざは今日のテーマではありません。
あなたが気にしているのは間違いなく“くま”ですね?
対象を間違えた対策は肌トラブルのもと。見分けは大切ですよ。
くまができる3つのパターン
- しわやたるみ、顔の凹凸が作る影
- 特定部位の血流が悪く静脈血の溜まりが映す影
- メラニン色素の生産量が多く黒っぽい(シミの一歩手前)
くまは影が創り出しているものばかりです。目のくぼみが大きいタイプや彫りの深い顔は当然影ができやすいわけです。本来、悩むようなことではありません。見る確度や光のあたり加減によっては影は消え、くまも消えるのですから。でも、しわやたるみによる影の場合、その半分以上は自己責任といえます。
2は静脈を流れる血液の影です。目の周りは皮膚が薄い上に毛細血管網が発達しているので血流が溜まりやすく影が映って見えるのです。肌の責任ではない証拠に指先で軽く押すとくまは消え、白い肌が現れます。
3は何かの原因でメラニンの生産量が増えている現れです。メラニンの影ですが、これは表皮そのものが黒っぽさを増しているといえます。その部位だけ日焼けすることはないと思われるので、メラニン増加は紫外線以外の刺激や命令の存在が隠れていると推定すべきものです。
くまを目立たなくする対策はあるの?
クマのできる原因は上のように明確ですが、その対策は?となると、これが正解といった明確な答えはありません。正直に言いますと、「気にしないように……」と言いたいところです。でも、それでは講義になりませんから、サッポーの智慧を絞って、正統な対処法を提案します。
1. しわやたるみ、顔の凹凸が作る影
2. 静脈血の溜まりが映す影
しわやたるみは、真皮層の復活が必要ですから、数年がかりの長い取組になります。このような本格的な取組は今回の本旨ではありません。
参考:【悩み別・肌が育つケア】しわ・たるみは消える?消えない?
サッポーがお勧めする手っ取り早い方法は影を薄く見せる工夫です。くまが目立たなくなります。ベースメイクやメイクによって、ある程度可能なので、大いに研究すべきです。影ができやすい部位に、「光を反射する明るい色調のベースメイク、メイクを使用する」のがポイントです。具体的にはコンシーラーの利用がいいでしょう。具体的な色味の選択と方法は自分で試行錯誤して下さいね。目元のくまなどはずいぶん印象が変わります。
3. メラニン色素の生産量が多く黒っぽい(シミの一歩手前)
本来なら日焼けだから、「紫外線対策をしっかり」でよいわけですが、部分的にメラニン生産が増えて、メラニンで黒ずんでいる場合、紫外線によるメラニン増加ではありません。手指の摩擦や、爪で引っ掻く癖、拳で圧迫する習慣等々の何気ない生活習慣が影響しています。何も思いつかない場合、次に、メイクブラシの繰り返す刺激、メガネパッドの圧迫が強い……などの特異な状況がないかを見直してみましょう。この状況が続くといずれシミになりますが、原因がわかり、解消するだけで正常化します。
くま対策には、隠れた危険要素が一杯!
目立たなくする工夫はあれこれと試す努力をしていただくとして、くま対策で大切なのは、してはいけないことを知っておくことです。知らないと、成果として実らないばかりか、トラブルに繋がるケースがあります。せっかくの努力も台無しですからね。
- 上下の瞼はもちろん、目の周りは特にマッサージをしないようにします
- 美白製品を使用しない。成果にならず、リスキーなだけです
- 行き過ぎた温熱・冷熱ケアは逆効果。くまをできやすくします
- ベースメイクやメイク(コンシーラー含)に、ウォータープルーフ機能強化製品は使用しない
くまが目立ったり、現れやすい人に限ってマッサージをしていたりします。しわ・たるみの大きな原因になっており、新しいくまを作るもとにもなっています。してもよいマッサージは、乳液やクリームを塗り伸ばす時と同程度のクルクル刺激を上限にすることです。
また、くまは影ですから、美白剤は効きません。傷んだ肌に美白剤でシミや白斑を作るリスクの方が怖いですね。
温熱・冷熱の心地よい刺激で血行がよくなり、一時的にくまが解消する……このような効果だと納得して温冷刺激を利用するのはよいことです。しかし、行き過ぎた温冷刺激(過ぎた温度や時間)が繰り返されると、敏感肌等のトラブルに傾いていきます。
コンシーラーを含め、ベースメイクやメイク製品には、ウォータープルーフ機能を高めてあるものがよく見られます。これら製品の継続使用は、肌が育つブレーキとなり、敏感肌を作る大きな要因になります。成分表示の上位にシリコン油が記載されてないものを選びましょう。
以上、目の下のくまを中心に、取り組みやすい視点と対策を紹介しました。
何が原因の“くま”なのかを見分けることから、取組をスタートさせましょう。
更新