「『窓際は紫外線が多いから、要注意!』と聞いたら、気になって仕方がない……」
サッポーが『昼間は室内でもUVケア』を推奨しているからでしょうか。神経質なほどに“窓からの光”にこだわる人がいるのに戸惑うことがあります。中には、室内照明の紫外線を気にする方までいます。
判断を伴うことは、きちんと伝えなければ、不安を押しつけることになりがちなのですね。
窓際の紫外線をいたずらに恐がる必要はありません。無視して良い場合も多いのですが、注意しないと後で後悔するようなケースもあります。ここでは、判断に役立つ基準を持てるように講義を進めてまいります。
紫外線の量を知る
紫外線量を知るのは知識と経験
「陽射しが強い…」といった表現に馴染みがありますが、紫外線の影響を知るのに、この感覚は邪魔になります。陽射しとは太陽光線そのもので、紫外線だけでなく可視光線も赤外線も含めた光と熱の感覚表現です。
紫外線には熱を感じません。また見えない光でもあります。しかし、肌をはじめ、人体には大きなダメージを与えます。ダメージを受けている時は何も感じないのに、後になって、傷みや損傷を知ることになります。
紫外線ダメージを受けた経験は誰もが豊富に持っています。その結果、次第に注意するようになっていますが、これではいけません。前もって、浴びる紫外線量を予測できるようにしておきましょう。
ケース別に見た紫外線量の目安
どんな時に、どれくらいの紫外線を浴びるのかを、知識として頭にたたき込んでおく必要があります。
以下、紫外線が多い季節の、晴れた日の紫外線量を100%と仮定したケースと目安値です。
ケース | 紫外線量 | 備考 |
---|---|---|
1.何も経ない直射日光 | 100% | 4~9月の晴れた日 |
2.ガラス越し直射日光 | 60% | ガラスを直射・通過した |
3.曇り空の日光 | 30~50% | 晴れた日の1/3~1/2程度 |
4.日傘や木陰の日光 | 30~50% | 晴れた日の1/3~1/2程度 |
5.ガラス越しの反射光 | 20~30% | 反射光で明るい様子 |
6.11~2月の紫外線量 | 上記1~5の30% | ケース毎にそれぞれの30% |
7.各種照明の紫外線量 | 0.00~0.02% | 光源より50センチの測定。光源に近づけても、0%台は変わらず、1%にはならない。無視してOKの紫外線量です。 |
いかがでしょう。
あなたが思う紫外線量のイメージと合致していましたか?
- 「日傘の下は0%にはならないの?」
- 「ビルの影なら紫外線は大丈夫だと思ってたのに!」
このように思う方は多いでしょうね。
でも、日傘をしてもビルの影でも、晴れていたら明るいように、可視光線はたくさんあります。紫外線だって減少するだけで「0」にはなりません。可視光線も見えない紫外線も反射して散乱しているのです。
話が拡がってしまいましたが、そもそもは窓際の紫外線がテーマでした。
上のケース分類で言えば、5.ですね。戸外で直射を受ける紫外線量の20~30%、となっています。さて、この紫外線をどのように考えたら良いのでしょうか。
窓際の紫外線…ここがポイント!
ここでいう、窓際の紫外線とは、ガラスが日光の直射を受けている(天窓など)のではなく、日光の反射・散乱光がガラスを通して室内を明るくしている場合のことです。上の表でガラス越しの反射光とあるのは、ガラス面より30センチのごく近い位置での測定です。
このケースをもう少し掘り下げてみましょう。
- 11~2月並、つまり冬期の直射日光を浴びている程度の紫外線量がある
- 紫外線UVBはガラスを通過出来ない、紫外線UVAのみ通過
- 窓から1m離れると、紫外線量は5%程度まで減少する
以上3点が、窓際の紫外線について押さえておくべきポイントです。
冬並みの紫外線なら、そんなに気にしなくてもよいように思いますね。でも、サッポーは『紫外線対策は一年を通じて必要なもの』と言っています。冬でも紫外線対策は必要だと……。
さて、窓際の紫外線対策、どのように考えたらよいのでしょうか?
- 「その程度だったら気にしなくていいような気がする」
- 「でも、晴れた日に、窓際の机で読書…はよくないかな?」
無視してよい場合もあるでしょうが、無視できない場合も予想できますね。
なんといっても紫外線のダメージは、気がついた時では遅いのですから、注意はすべきです。
肌が受ける紫外線ダメージ ≒ 肌が受ける紫外線総量 ≒ 紫外線量×照射時間
この公式を忘れるわけにはいきません。弱い紫外線ならと、油断して長時間浴びていたら、見えないところで大きなダメージを受けている、かといって、取り越し苦労をしてまで、紫外線に縛られたくない……。さぁ、どう考えるかです。
先ほどの知識のポイントを言い換えてみましょう。
- 時々窓際を行き来する程度なら、気にしなくて良さそう
- 窓際で過ごすのは、浴びる紫外線総量を増やすから避けるべき
- 窓から1m以上離れて過ごせばいい!でも、そうもいかない。
- 室内でも、昼間はいつもUVケア
うん、うん、まずまず無難な対策になりましたね。
でも、対策なら、もっと他にもあるんですよ。
- カーテンを閉めたら、窓間近でも紫外線量は5%以下に
- 遮光カーテンなら紫外線量は0%、完璧!
- つる性の植物でグリーンのカーテンを育て、紫外線を遮る
- すだれやよしずを配置して、紫外線を遮る
- 窓にオーニングを取り付ける
- 北側の窓なら、1m離れなくても紫外線量は無視できる
いかがですか?
取り入れることのできそうなものがいくつかあるはずです。自由に自分なりの窓際作戦を考えてください。
サッポーの一押しは、やはり『室内でも、昼間はいつもUVケア』です。
参考:「肌が求める化粧品…日焼け止め編」
- 紫外線の公式を頭に入れて、紫外線量を意識する
- 窓際作戦は自分に合ったものを、今すぐできるのはUVケア
編集後記
一旦気になり出すと、あれやこれやと心配してしまうことって多いですね。そしてその時は一生懸命になるのだけど、少ししたら、忘れてしまう。スキンケアでも「あるある」かもしれません。
でも、それって毎日の歯磨きのように習慣化できていないからですね。しないと気持ち悪いってくらい、スキンケアにダイエットに掃除・・・続けられる人になりたい!
「サッポー美肌塾」第587号
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