超音波とイオン導入、肌にどんな効果と弊害が?

超音波美顔器を使用する女性のイメージ

今回は超音波美顔器とイオン導入器の効果がテーマです。高級なものが多いですが、流行っていますね。それぞれ肌にどんな効果があるのでしょうか?

既にお持ちの方、これから利用を検討されている方、ぜひ知識として蓄えて下さいね。

知っていると知らないでは、肌に差が出る!?
どういうことか、みていきましょう。

超音波美顔器と肌

超音波は、美容以外にも様々なものに利用されています。測定や診断、さらには魚群探知や切断・溶着など。

音波が振動するエネルギーや、音波の伝播する性質を利用するのが超音波です。

医療用器具では、主医療を援助する道具として、あるいは補助療法として利用されています。

エネルギーですから熱に変換できます。溶接や超音波メス、結石破砕のような機械的な力にも変換できるのです。

肌の場合はというと……以下の二つの効果が期待できます。

洗浄効果

洗浄剤を使用しなくても、汚れが肌から剥がれ易くなる

温熱効果

肌を内部から暖め、血行を良くして、代謝活動を援助する

よくある超音波美顔器は、この二つの効果を狙ったものです。超音波を発生させて肌に当てると、柔らかい部分は突き抜けて骨で止まります。そして、ここで熱を発生するのです。

2万ヘルツ以上は医療機器として認められており、美容機器に利用される場合は、それより低いため、効果も小さくなります。

この超音波の振動刺激により、洗浄効果や温熱効果を狙ったものになります。効果は低いですが、良い影響を与えてくれます。

温泉効果の秘密は超音波にあり?

超音波は、温泉の元湯(源泉)にも含まれています。泉質ばかりに目が向きがちですが、本来の温泉効果はここにあります。

元湯にだけ、超音波が大量に発生する仕組み※があり、全身がその恩恵を受けられます。湯治は、医療機器や美容機器がなかった時代の先人の知恵とも言えるものなのですね。

※溶け込んだ空気が気泡化、破裂し、超音波が発生する

技術の発展により、今は元湯でなくても超音波を発生できるようになりました。それが気泡風呂、いわゆるジャクジーです。

これなら元湯でない温泉や銭湯でも利用できます。しかし、とりわけ顔に……ということであれば、小型の美容機器がいつでもどこでも使えて便利ですね。

過度な効果を期待するのは「・・・」ですが、弊害はありませんので、あくまでスキンケアの補助的な役割をするアイテムとして活用しましょう。

イオン導入器と肌

一方、こちらのイオン導入器は、超音波美顔器にように良い効果がある!と一概に言うことはできません。

まずイオン導入とは、マイナスあるいはプラスに帯電しやすい成分を肌につけ、同じくマイナスやプラスに帯電させた専用の器具を肌にあて、反発する力を利用してその成分を肌に浸透(侵入)させるものです。

イオン導入も医療分野において、様々な研究が進んでいますが、何れも一時的な対症療法に過ぎません。

でも、スキンケアは肌を健康に美しくするためのケアです。継続して行えるものでなくてはなりません。このような観点からも、サッポーは日常的にイオン導入を利用するのは賛成できません。

ここで以下のような疑問が浮かびます。

「有効な成分であれば、肌に浸透するのはよいことなのでは?」

本来は、外部から異物が侵入しないように、バリアーとして働いているのが、角質層(肌)の最大の役割です。そして表皮内においては、どんな化粧品や成分であっても、全て異物であり、生体防御反応の対象です。

もちろん医療の一環として必要なこともあるでしょう。それはサッポーでも否定しません。こういった時にこそ、利用されるものだと考えます。

しかし、日常のスキンケアで、このようにバリアー層を越えて何かを無理矢理肌に侵入させることは、本来の美肌づくりとは道が逸れています。

例えば、美白を目的とした成分を導入すれば、成果が見えるでしょう。どのように肌を白くしているかというと、肌色を作っているメラニンの発生を抑制したり、既に発生しているメラニンを無色化しているのです。

ところが、白くなり続けるわけではありません。メラノサイトは肌を守るために外部環境に応じて、メラニンを生産し続けているのですから、ある程度の白さへの変化が進んだところで均衡します。

メラニン排出の模式図

そして使用を止めれば、元の肌色に戻りますし、それでも尚、さらに使い続ければ、肌本来の大切な機能が壊れる危険もあります。

イオン導入を利用した美白剤ではありませんが、過去にはこんなこともありましたね。イオン導入の場合も同じリスクが考えられます。

参考:「肌に赤みや白斑が!?日本を揺るがした美白製品の話題

このように危険を伴ってまで、一時的な白さを作ることを果たして美容と呼んでいいのか、大いに疑問です。

本来は、肌へのダメージを少なくし、メラニンの生産量を少なくすることが、美白ケアであり、本物のスキンケアなのです。イオン導入なんてしなくても、肌は美しくなる(元に戻る)方法を知っているのですね。

いかがでしたか?
様々な美容器具がありますが、今回はその代表的なものを紹介しました。

肌は、いつも健康で美しい姿になろうと努力しています。化粧品や美容器具は、その環境作りのためのツールに過ぎません。そして、どんなスキンケアをするのかを選択するのが、肌の持ち主である私達の役目なのですね。

このように、スキンケアはいつも原点が大切です。選択を誤らないようにしたいですね。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • 超音波美顔器は手軽に温泉に入ったときと同じ効果が得られる
  • イオン導入は医療目的では有効だが、スキンケアに利用するのは危険
黒板に注目!

編集後記

美容器具は、その特別感からでしょうか?とても有益な効果を肌にもたらしてくれるようなイメージがあります。

でも、肌とって最も大事なことは基本となるスキンケアです。美容器具に頼りすぎたり、過信していると……残念な結果になるかもしれませんよ。

「サッポー美肌塾」第145号


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