今日は顔の肌から離れて、足の話です。
ちょっと変わりダネの話題ですが、実際にサッポーが過去に相談をいただいたことがある“たこ”と“脂足”についてです。
普段人目に付かない部位ですが、人知れず悩んでいる方は、けっこう多いのではと思います。
人に相談しにくい悩みでもあります。気になる方は、こっそり読んで、こっそり解消してしまいましょう。
“たこ”はどうしてできる?解消法は?
たこは、硬いものと硬いものに挟まれ、局所的に繰り返し物理的な圧迫を受けることで発生します。
足には、硬い骨がたくさんあり、歩くことでいつも圧迫を受けてます。そこに靴底の硬さが合わさると、たこが足裏に発生しやすくなるというわけです。
圧迫を受けた部位は、そこを防御しよう、強くしようとします。その結果、極端な角質肥厚が起こります。ターンオーバーは早まり、細胞が未熟化し、角質が積み重なるのです。
ちょっと困った、皮膚の自然な対応能力と言えます。
このように、たこは特に足裏にできやすいのですが、どこにでもできる可能性はあります。
よく正座をする人は、足の甲やくるぶしなどにできます。またボールやラケットなどを力いっぱい握るスポーツ選手の手指や、勉強を頑張る受験生のペンだこなどがよく見られます。
できてしまった、たこは未熟で乾きやすく、硬い角質の塊です。たこの部位に同じ圧迫が続けば、さらに大きくなって痛みは強くなっていきます。強い力が加わるとボロっと塊ごと剥がれることもあります。
たこに気づいたら、早めに対処しましょう。
今ある“たこ”を悪化させないために
たこの原因になっている繰り返しの圧迫をやめることがもしできたら、時間はかかりますが、確実に良くなっていきます。でも、生活習慣を変えることは、なかなか難しいものです。
そこで悪化しないための緩和的な対処法を紹介します。
- 歩くことが圧迫になっていたら、クッション性の高い靴に履き替える
- ペンだこであれば、グリップ等をつけて物理的圧迫を小さくする
等々……あなたの状況に合わせて、圧迫を和らげる方法を考えてみましょう。
サリチル酸を利用してたこを取り除く方法
現実には、たこは一旦できると自然治癒は難しいものです。ここは割り切って、薬剤の力に頼りましょう。
皮膚科で処方してもらっても、薬局等で市販薬を購入しても良いのですが、ここで紹介するのは、サリチル酸を配合した専用治療薬を利用する方法です。
サリチル酸には、タンパク質を腐食する作用があります。この作用を利用し、硬くなった角質(たこ)を柔らかくしてから取り除くのです。
必ずたこの部分にだけピンポイントで塗ります。そして、角質が取れそうになったら、ピンセットなどで取り除きます。でも、無理に取るのはやめましょう。
少し良くなってきても、そこで止めたら再発します。たこの部分に硬さがある限りは根気よく塗り続けて、取れる角質は取る、を繰り返します。
このようにして、たこが良くなっても、その部位はしばらく未熟な肌状態です。薬を止めたあとは、乳液やクリームで乾燥しないように保護してあげましょう。正常な角質ができやすくなり、早くキレイになります。
そして、すっかり良くなっても、今後たこを作らないように圧迫を和らげる方法を継続します。
“脂足”にどうしてなる?解消法は?
一日働いて家に帰ると、自分の足跡が床にくっきり、ベタベタと……。自分の家ならまだしも、他人の家にお邪魔するとき、座敷席に上がるときは、躊躇してしまいます。
いわゆる脂足ですが、症状がひどければ「足蹠多汗症」という病名がつくことがあります。名前の通り、主な原因は、汗の多さによるものです。
ここでは、脂足とその解消法を解説します。
足裏は、汗腺がとても発達しているのですが、皮脂腺は存在しません。
汗は99.9%以上が純粋な水なのに、どうして足裏からでる汗は、こんなにべたつくのでしょう。
それは、足裏の角質層がとても厚く、歩くたびに角質層が崩れ、角質同士をつないでいる細胞間脂質が溶け出すからです。
脂足の人は、足裏の多汗と上のわずかな細胞間脂質が混じって、乾きにくいベタベタ汗が作られています。
普通の人は、汗をかいても適当に乾くので、ベタベタにはならないのです。
脂足になる原因は?
私達は、汗をかくことで体温調整をしています。脂足になる人は、その体温調節を足裏で集中的にするようになっています。顔や頭部に異常に汗が多い人と似ていますね。
その大きな原因は、「運動不足」にあるとサッポーは考えます。
汗腺は、働かないと(動かさないと)休眠する習性があります。すると普段から汗腺の働いている特定の部位だけで発汗し、全身の温度調節をするのです。
足裏は、運動をしない人でも毎日歩いて、全体重を支えています。汗腺が衰えることのない部位です。
つまり脂足の根本対策は、身体を動かして、足裏以外の汗腺も働くようにすることです。そうすれば、全身でまんべんなく汗がかけるようになります。
ウォーキングやラジオ体操などの簡単な運動でも汗は十分かくことができます。とにかく毎日続ける習慣作りが大事です。
今すぐできる脂足対策は?
運動をはじめても、すぐに全身の汗腺が働き始めるわけではありません。なので、今すぐできる緩和法も紹介しておきます。
まず、汗をかいても、その汗をよく吸ってくれる素材の靴下を選びます。綿100%のものがいいでしょう。
靴選びも大事です。夏だけと言わず、冬も通気性のよいものを選ぶべきでしょう。
そして、裸足で過ごせる場所では、裸足で過ごします。風通しを良くし、放熱するためです。
寝るときに冷え対策といって靴下をはく人がいますが、脂足対策としては逆効果です。寝ている間に身体の熱を放出し、良い眠りを作るのも足裏の役割だからです。
このように、長期的な対策と今すぐできる対策で、脂足の悩みから卒業しましょう。
また、足裏に汗が多い人は、臭いも気になっているかもしれません。汗の臭いについては、別の講義で解説していますので、こちらを参考にしてくださいね。
- たこができたら、サリチル酸を利用して取り除くのが早い
- 脂足の解消法は、身体を動かして、全身で汗をかくこと
更新
角質を大事に……でも一体どうすれば?
講義はいかがでしたか?
毛穴、ニキビ、シミ、しわ、たるみ、肌のくすみ……さまざまな肌トラブルがあり、そして、これらに対処するため、専用化粧品が数多く用意されています。
しかし、ここまで講義を読まれた方はお気付きかもしれません。
こうしたトラブルへの見た目の対処、表面的な対処も大切だけど、その「根本」に目を向けなければ、いつまで経ってもトラブル解消にはならないだろう……と。
いつしか見栄えと表面的な対処だけが、私達のスキンケアになっています。
「根本」とは、健康に育った角質で肌が作られることに他なりません。つまりターンオーバーが正常に働く環境を作ることこそ、基礎となるスキンケアなのです。(サッポーでは「肌が育つケア」と呼んでいます。)
……と言っても、正常なターンオーバーと聞いて、ピンとくる人はいないでしょう。
ターンオーバーは肌表面0.2mm、ミクロの世界で行われていることです。目に見えないばかりか、イメージすることさえ難しいというのが実感です。
角質を大事するとは、実際のところ、どういうことなのか?
正常なターンオーバーの維持とは、一体どんな状態なのか?
その答えの一端は、「スキンケアモニター」で知ることができます。
踏み出してみましょう。
トラブル知らずの美しい肌が、あなたを待っています。