パウダーファンデーションが肌にぴたっと吸い付き、化粧直しの必要ない肌……これは、しっとりとしなやかで、べたつきの少ない肌に許された姿です。いわゆる化粧のりの良い肌、憧れますね。
このような肌と、あまり化粧のりや見映えが良くない肌があります。この違いは何でしょうか?
今回のテーマは、化粧のりと化粧崩れです。
乾燥による化粧の乗りと化粧崩れ
秋が深まるにつれ、化粧のりが悪くなって、夏とは違う化粧崩れが……なんて、嘆く肌になっていませんか?
今までのスキンケアを見直す良い機会だと前向きにとらえ、これから迎える冬の季節に今から備えていきましょう。
化粧のりのよい肌とは?
まず、化粧のりのよい肌とは、どんな肌なのでしょうか?
それは、パフで軽く押さえるだけで、ファンデーションのパウダーがきれいにくっつく肌。これが化粧のりの良い肌の判定基準です。
こすりつけたり、クリームやリキッドタイプのファンデーションでないとベースメイクが出来ない肌……これは化粧のりの悪い肌です。育ち度レベルが低い痩せた肌です。
この判定基準は秋だけでなくて、一年中言えることです。
乾燥に左右される化粧のり・化粧崩れとは?
暑い季節は、汗が肌を潤し、時として潤し過ぎて?化粧崩れを起こしていましたが、季候の良い秋は日常生活で流れるような汗をかく経験がほとんどなくなりました。
ところが、風に吹かれて秋を楽しんだ日など、鏡を見ると、もう一つの化粧崩れに気づきます。化粧が浮いてしまっているのです。
角質は乾燥した空気の影響を最前線で受けるのですから、水分を失い、縮み、歪みが生じます。滑らかだった肌表面に小さな見えない程度の凸凹が生じるのです。当然角質が剥がれやすくもなっています。
この様な肌に乗るパウダー類は崩れざるを得ません。これが乾燥による化粧崩れであり、化粧のりの悪さとしての表れです。
乾燥に左右される肌と左右されない肌
秋の空気は、既に冬と変わらない乾燥を伴っています。秋は私達が感じる以上に乾燥しているのですね。また、風はさほど冷たくないので、つい長く浴びてしまいがちです。
絶えず出ている汗(不感蒸泄の汗)が夏のように多くはないが、適度に肌を潤してくれているので、冬ほど乾燥の影響を受けていないように思えるだけなのです。
化粧水による保湿ケアや乳液・クリームによる乾燥保護のケアをしていても、肌自身の水分を保持する力が備わっていなければ、じわじわと乾燥が進み、角質は縮み歪んでいくのです。もちろん化粧は崩れ、化粧のりも悪くなります。
ところが健康な肌は、水分を保持する能力が高いので、保湿・乾燥保護のケアさえしっかりしていたら、そんなに乾燥の影響を受けないわけです。
同じ風を受けていても、角質層の傷みが少なくて済むのですね。
化粧のりの良い肌・化粧崩れしない肌を実現するには?
基本は、ベースを健康な肌にしておくことです。これは皆さん、今の肌レベルがそれぞれですから、サッポー美肌塾の他講義を参考にして下さいね。
今の肌に合った洗浄・保湿・乾燥保護・紫外線保護のケアを間違えない限り、着実に一歩一歩育ち度を高めていくでしょう。
しかし、今日・明日をどうするかとなると、これはもう、育つのを待つわけにはまいりません。といって、痩せて硬くなった角質を取り除いて、一時的な化粧のりの良さを作るのは自殺行為です。
ここは、ケアの加減で可能な範囲での、化粧のりの良さで留めておくことが基本です。
化粧水や乳液・クリーム等の使用量、また一つひとつのケアの「間合い」の取り方、などを加減することによって微妙に化粧のりが違ってきます。でも、これは一概には言えないので、皆様各々で色んなパターンを試すよりありません。
慣れてくると、今日はこのパターン!が解るようになってきますよ。
それでも、化粧品で補える範囲は限られています。試行錯誤して、思うような状態にならなくても、このくらいが今のベストかな……と諦めるのが秘訣だと言えます。
肌が健康で美しく育てば、このような心配もなくなるのですから、それまでの辛抱ですよ!
保湿や乾燥保護のケアがとても大切な季節になってまいりました。皆様、お心構えはよろしいですね?
- 化粧のりの良い状態は、ある程度化粧品でも作れるが、限界はある
- 肌が健康で、水分保持力も高くなれば、化粧崩れの心配はなくなる
編集後記
肌が育てば解消される、化粧のり・化粧崩れですが、それまでの間はスキンケアで少しでも良い状態にするしかないのですね。
そして、それは肌の持ち主であるあなたにしか出来ない仕事です。明日から10分早起きして、試行錯誤の時間を作ってみませんか?
「サッポー美肌塾」第337号
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