毛穴の奥の取れない汚れを取る!イオン導出ってどんな美容法?

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イオン導入という美容法があります。器具を使用して、化粧品成分を角質層に送り込むのが目的です。

しかし、角質層を超えて導入されると、その成分が刺激となり、炎症を起こす場合があります。

イオン導入器が簡単に手に入ることにより、肌トラブルも増えるのではないかとサッポーは危惧しています。以前に当美肌塾でも解説したことがありました。

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超音波とイオン導入、肌にどんな効果と弊害が?

最近では、このイオン導入と似た原理の「イオン導出」という美容法が表舞台に出てきました。元々あった機能なのですが、そこにスポットを当て、新機能として販売されるようになったのです。

イオン導出には、イオン導入のような危険性はありません。

しかし、“クレンジングでは落としきれない汚れを取る”“毛穴の奥に詰まった汚れを取る”というフレコミで売り出されたことで、誤った認識が広まったり、間違った使い方をしたりして肌を傷めたりしてる人も多いのではないかと心配しています。

ということで、本日は「イオン導出」についてサッポーの考えを述べていきます。

イオン導入とイオン導出、原理は同じ

イオン導入・導出を行う時は、事前にクレンジングや洗顔で肌の汚れを落とすことが推奨されています。

  1. クレンジング、洗顔
  2. イオン導出
  3. イオン導入

という順番で行います。たいていのイオン導入(導出)器には、導入・導出の切り替えスイッチがついています。

ここで簡単にイオン導入(導出)器の使い方とそれぞれの役割について解説しておきましょう。

イオン導出

イオン導入(導出)器をプラスに帯電させ、それに水や専用化粧水を含ませたコットンを装着します。それを肌にあて、微弱な電流を流します。

すると、肌表面でマイナスに帯電している汚れ(例えば、ホコリや排気ガス、たばこの煙等が言われています)が引きつけられます。(+)と(-)の引き合う力を利用したものです。汚れは、肌から離れ、水分を含んだコットンにつきます。

逆に、コットンにプラスの電流を帯びやすい成分を含ませると、(+)と(+)の反発力で、肌に導入していきます。

イオン導出の模式図

プラスの電流を帯びやすい化粧品成分は多くありません。そのため、イオン導出と言えば、汚れを落とす美容法とされています。

イオン導入

イオン導入(導出)器をマイナスに帯電させ、それにマイナスの電気を帯びやすい成分(ビタミンC誘導体やアミノ酸等々)を配合した化粧水をコットンに含ませ、装着します。それを肌にあて、微弱な電流を流します。

すると、(-)と(-)の反発する力が働き、肌に成分が導入されます。それと同時に、プラスの電流を帯びやすい汚れ、メイク顔料(パウダー)などが引き寄せられます。

イオン導入の模式図

このような原理なので、イオン導出、導入と言葉は分けていますが、プラスに帯電するか、マイナスに帯電するかの違いで、どちらも「引き合う力」と「反発する力」が同時に発生しているのです。

また、事前のクレンジングや洗顔で、実際には汚れのほとんどは落ちています。酸化した皮脂や油脂はもちろん、それよりも落ちやすいメイク顔料やホコリ、排気ガスなどは言うまでもありません。

それに、クレンジングや洗顔で落ちない汚れがあったとしても、完璧に落とす必要はあるのでしょうか?

自然に落ちる汚れを取り除く意義

そもそも角質は、一日一層ずつ役目を終えて剥がれています。その角質にこびりついた汚れまで、わざわざ器具を使って取ることに疑問を感じます。

“クレンジングでは落としきれない汚れを取る”“毛穴の奥に詰まった汚れを取る”というフレーズは、清潔好きの日本人には突き刺さるフレーズかもしれません。

しかし、その僅かな汚れが残っていても肌に悪影響はありません化粧品の浸透性も変わりません。それに、ほっておいても次の日には、角質と一緒に自然に剥がれていくのです。

問題は、さらなる汚れを取るためのイオン導出で様々な悪影響が考えられることです。

例えば、コットンの滑らせ方を誤ると

コットンのイメージ画像

汚れをすっきり落としたい!と思うばかりに、長時間使用したり、毎日のように使用したりは……肌とコットンの間の摩擦係数が高まり、垢すり(ピーリング)をしていることになります。

「毛穴の黒ずみが消えた!」なんて喜んでいてはいけませんよ。黒ずみだけが取れたのではなく、まだ働いている、必要な角質ごと取ってしまったのです。

これでは、黒ずみは再発するし、毛穴はさらに広がり目立つ肌になっていきます。

例えば、敏感な肌に行うと

肌荒れやニキビは、「肌に残った汚れが原因だ!」と思い込み、イオン導出を行うと、さらに悪化します。

どんなに優しくコットンを滑らせても、強い摩擦の刺激として受け取ってしまうのが敏感肌だからです。

また、イオン導入を行った場合は最悪です。角質層が隙間だらけなので、成分が角質層を超えて導入されやすく、炎症につながる刺激になります。

これでは、いつまでたっても敏感肌が良くなることはありません。

イオン導出について、サッポーが思うこと

イオン導出は、イオン導入とは違い、使用方法を守って正しく行えば、悪影響はありません。

しかし、先述のとおり、翌日に取れる汚れをその場で落とす価値がサッポーには見いだせません。

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スキンケアで大事なことは、肌が育つ環境作りです。これを100%とすれば、イオン導出がそのうち、どの程度の価値を占めるのか……サッポーは、限りなく0に近い1%と考えます。

正しい洗顔、乾燥対策、紫外線対策などなど、基本の対策をしっかり行うことのほうが大事なのはいうまでもなく、それらが健康で美しい肌に繋がっているのです。

イオン導出を否定はしませんが、99%を疎かにし、1%のことに一生懸命になっていては、本末転倒だということを肝に銘じておきましょう。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • イオン導入も導出も原理は同じ、イオン化した成分を浸透させ、汚れを引き寄せる
  • 取れない汚れまで取ることよりも、基本のスキンケアの方が何倍も大事
黒板に注目!

編集後記

理科の授業は苦手でしたが、大人になってから、興味ある分野で学ぶと面白いものです。イオン導入&導出、なるほど~!と思いました。

イオン導出に期待をしていたら、少しガッカリする内容でしたが、基本のスキンケアが一番大事!という原点にも戻れましたね。


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